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若竹七海さんの、一見軽めの短編ミステリー。主人公はしがない刑事の一条さん(30台独身)。そしてここで、一条さんと、コンビを組んで事件解決にあたるのが、物からその残留思念を読みとる、いわゆる「サイコメトリー」の能力を持つ女性、井伏実潮。2人が、都会の片隅で遭遇する奇妙な事件が、5編収録されています。
おもしろかったです。今回は実は、なかなかに毒の強い話が多く、うっかりすると、見知らぬ隣人の悪意を目のあたりにして、苦い気分になってしまいそうなところでしたが。それでもいつもながら、上質なユーモアでくるんで、気の利いた一品にしていまう腕前はさすがでした。 私としては、ミステリに超能力が出てくるのは、ご都合主義にならずにうまく扱えればOKだと思います。ただし、ミステリの反則技としては他に、記憶喪失と多重人格をあげたい。このうちの1つならばともかく、1つの話に2つ以上が出てくるようであったら、さすがにやばいと思ふ。 |
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これも、昨年大ハマりしたファンタジー超大作。未読の方には、ぜひっ!とおすすめしちゃいます。既刊の感想はこちら
それはさておき。最近、掲載紙のヤングアニマルを立ち読みするようになったので、後半部分は既読だったのですが。この展開はすごい。ここしばらく、中だるみしている気がしていたのが、ここにきて急展開です。続きが待ちどおしいよー。 暇を見て、既刊を読み直してしまいました。それにしても、キャスカはいつまでああしているんだろうか。それだけが、ちょっと残念。 |
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吉野さんは、ぶーけ時代の作品が好きでよく読んでおりました。今はどんなのを描いているのかと思い、手に取ってみたのですが。
以前から、自閉した世界を非常に繊細に、美しく描く人でしたが、その傾向は変わっていないようです。この人の作品を読むと、山岸涼子の『パニュキス』にあった台詞を思い出してしまう。「人間は、子供の頃は黄金であるけれど、大きくなるためには、泥を混ぜないといけない云々」というやつ。『少年は荒野をめざす』や『ジュリエットの卵』に登場する少女たちは、成長を拒否して黄金で居続けようとしていた。はた迷惑だとは思いますが、それが当時は、独特の叙情を漂わせておりました。 そして、この人今も、そうした危なっかしい世界を書き続けているのだなあ。もうさすがに、美しいとは思えない。結局のところ、私の吉野朔実Bestは『月下の一群』になります。はい。 |
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SFづいている今日この頃。佐藤史生作品が、立て続けに文庫で復刊されて、うれしいです。SF色の強烈な短編が、5編収録されています。相互に話のつながりは(「馬祀祭」と「天界の城」以外は)一見なし。しかしながら、同じ時代、同じ宇宙のどこかを描いた、連作短編の雰囲気があります。複合船の往来する世界の、未来叙事詩シリーズといった趣。
解説にもありましたが、宇宙空間とハイテク機器と、土俗的・呪術的アイテムが違和感なく渾然一体となった世界。やっぱりツボだなあ。 |
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劇団スタジオライフで舞台化されたことで、話題になっていた作品。文庫化されていたので、旅のお供に読みはじめました。
舞台は第二次大戦中の、ナチズム支配下のドイツ。主人公のマルガレーテは、私生児を身ごもったため、とあるナチの施設に身を寄せていた。「レーベンスボルン(生命の泉)」と呼ばれるその施設は、正しいアーリア人種の血統を殖やすというナチの政策に従い、多くの身よりのない「完璧なアーリアン」の子供たちを受け入れていた。そこに勤務する医師のクラウスと、保身のために結婚したマルガレーテは、やがて、そこで展開される狂気と背徳の世界に引きずりこまれていく…。 日本人の作者が、ドイツ人の主人公になりきって描いた世界は、どことなく少女マンガ的ではあります。ただし、内容は重厚なゴシックミステリー。その大がかりな舞台装置には、ただ圧倒されてしまいます。 主人公が結婚した医師は、ある面では芸術をこよなく愛する男であった。ある少年の歌声に惚れ込んで養子にし彼の才能を伸ばそうと尽力するような。しかし、次第に明らかになるのは、彼の、とことん人間性の欠落した姿。いや、その時代に人間性が欠落していたのは何も、彼だけのことではなく…。 彼との冷え切った結婚生活。ナチズムの狂気が世界を覆い、すべてを巻き込んで、崩壊していく前半部分。そして、後半は、その15年後の戦後の話となり、かつての事件の真相が解き明かされます。 不老不死の研究、ソプラノの去勢歌手、人種と民族。これでもかの極彩色のタブーに彩られた世界。終盤の謎解きは、少し物足りなかったところもありましたが、幻想的な寓話のような、目眩のする読後感が、なんともいえなかったです。 |
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月の系譜シリーズ後半。借り物で、ずっと長いこと借りていたのが、やっと読めました。みかさん、本当に申し訳ないです m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m
本当に、そうボリュームのある話でないのに、これほど手こずった理由は、やはり、ツボでなかったということにつきます(オイオイ)。主人公の泉ちゃんに魅力を感じなかったというのは、いかんともしがたい。強大な力をもっているが故に、周囲からよってたかって、かしずかれてはおりますが、彼女自身は…。舞台となった高校をウロウロしている以外に、ほとんど何もしていなかったような気がする。こういう主人公もめずらしいです。 そして、今回は榊もいまいちだし、他にツボなキャラもいなかったし。シリーズの最初から謎だった、彼女の過去の記憶については、一応ラストで明らかになったらしいのですが、「あ、そう」という感じ。この後の『桜の系譜』の方が、どちらかというと本編らしいのですが。この調子なら、読むのもつらそうだなあ。 せめてこれが、3冊くらいにまとまっていれば、まだ内容とのバランスがとれたかもしれないですが。 |
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これも、相当なつかしい。山田ミネコの「最終戦争シリーズ」。ついに文庫で復刊です。私も、このシリーズは、あまりまともに読んだことがなかったので、この機会に通して読んでみようかしら。
うーん、昔、山田ミネコはあまりに、ど少女マンガな印象があったし、絵柄も正直うまいとは思わなかった。しかしながら、今読むとなかなか新鮮です。ラブラブ描写の裏に漂うこの虚無感。この人はよく、光瀬龍と組んで仕事していたものでしたが、確かにすごく通じるものがあるなあ。今更ですけど。 人の心が静かに壊れていく未来都市の描写が、今、ひどくリアルに感じられます。 |
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『失踪HOLIDAY』の乙一氏の短編集。見つめる相手を石にする力を持った妖怪「石の目」の棲む家に、迷い込んでしまった青年を描くホラーの表題作を含め、不可思議でかつ、叙情的な短編が4作収録されています。
『失踪HOLIDAY』とあわせて読むと、乙一作品に漂うあの独特の感覚が、よりはっきり分かります。改めて感じたのは、生と死の垣根の低さ。命あるものとそうでないものの境界のあいまいさ。あるはずのないものに魂が宿る話というのは、ありがちとも言える内容ですが、それをごくあたりまえに、妙にあっけらかんと描く感覚は、この人ならではだと思います。『BLUE』は泣けた。 乙一作品に登場する人々は、作品中で本人が自覚しているかどうかは別として、ほとんどが孤独です。他人にあと一歩心を開けずにいながら、傷つきたくないために、自分では絶対それを認めようとしない。そうした青臭いところに共感するのは、この年になると、多少しんどいものもあります。そんな彼らは、物語中で遭遇する事件をきっかけに、本当にささやかに成長していきます。その成長の微妙さこそが、作者のこだわりであり、若い世代には、リアルに感じされるのかもしれないなあ。私としては、もっとおおっぴらに、成長のカタルシスをやってほしいような気がするのだけれど。 |
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ヒカルがプロ入りして、いよいよ盛り上がって来ている最新刊。もう、手に汗握りっぱなしです。特に、このところすっかりただの背後霊と化していた佐為が、自己主張をはじめました。ヒカルは、新初段であの塔矢名人と対局します。さて、結果は??今のジャンプ本誌での展開がまた、すごい盛り上がりだし、もう、先が楽しみで、楽しみで。
なんだか、最近、注目してしまうのが、緒方先生。「読者のキャラ俳句」コーナーの「秘密だよタンスにいっぱい白スーツ」と言う句を読んで爆笑してしまった。今回は、私服もお似合いでしたけど。 |
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