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カーラ教授のほのぼのSFコメディ、2巻目。うーん、この前半部分は、メロディ誌で読んであったのですが、正直、ほのぼのすぎて物足りなかったです。実際、かなり、危機的状況であるのに、無理やりコメディにしようとしてうまくいかなかった感じ。
ただ、今回未読であった、「イザナギ/イザナミ」の話はおもしろかったです。ナッシュの元ご学友、ダ・シルバ氏との漫才もあったし。この、ダ・シルバ氏。前世はタイタンスの仁科選手であったに違いない。 |
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これは、古い中国の伝承を下敷きにした、伝奇コメディとでも申しましょうか。
岡野玲子の描く、麗しい人物。とってもキュートな妖物。そして、南画的風景が一体となって、何ともいえない世界が描き出されます。 李成潭は、儒者でコチコチの堅物。科挙に合格してめでたく役人になったのはいいが、配属先はなぜか、世の怪事、妖物を調査して記録するという、怪しい部署であった。その上司の龍将軍は、超美形で有能、かつ、血も涙もない性格。李は龍将軍の非情な命令により、毎度、妖怪やら神仙やらの、この世ならぬ物たちと対決する羽目になるが…。 なんといっても、毎度登場する、美形のあやかしたちが、見応えがあります。大陸的に肉感的で、セクシーで。解説によると、設定のモトネタは、『聊斎志異』他、有名な古典文学らしい。きっと古典に詳しい人が読むと、にやりとしたりするんだろうなあ。 ともあれ、やっぱりどう見ても、主役は龍将軍(笑)。李氏は、どこに行っても、ほとんど役に立っておりません。いや、いつも化け物にだけはなつかれるという、困った体質はだけは、意外とそっち向けなのかも。 |
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人気スペースオペラ、『星界の戦旗』三部作の完結編です。確かに、『〜紋章』から続いてきた物語に、1つの区切りがついた気がします。以下少々ネタバレ。
ジントは、はからずも、自分の故郷を「領地」としてしまったことで、アーヴ帝国に伯爵として迎えられました。そのことによって、「故郷」の方は失ったと感じていたジント。このラストでは、彼の中でずっと、しこりになっていたはずの、故郷と家族、友人たちとのことが、いい感じに決着がついた気がしました。 自ら故郷を思い出に変えて、ラフィールと、アーヴとして生きることを選んだジント。また、遠からず、彼らのその後の話が拝めることを期待しましょう。 |
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なんだか、時代物づいてます。これには『寄生獣』の岩明均さんの、時代マンガ2編が収録されていました。
「雪の峠」は、関ヶ原で石田方についた佐竹氏53万石が、徳川の世になって、出羽(秋田)に移封されてからの話。新しい地での、新しい府城の建設を巡って、戦国の生き残りである旧家臣達と、この先の太平の時代を見越した若い家臣達が、決定的に対立します。1つの時代の終わりと始まりを象徴する、とある時代の1コマを描いております 「剣の舞」は、戦乱で親兄弟を殺され、男達の慰み者にされた娘の敵討ち譚。どちらも、時代の無常観の漂う佳作でありました。 |
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『始祖鳥記』で惚れ込んだ飯嶋和一さんの、1994年発行の作品。江戸時代に実在した史上最強の力士、雷電の一代記です。
信州小諸の百姓の家に生まれた太郎吉は、並外れた体格と運動能力をもっていた。ある年の神社の奉納相撲で、江戸の職業力士を相手に、その天性の相撲の素質を見せつけた太郎吉。折しも、浅間山の大噴火と、それに続く天変地異。困窮する人々。自分の相撲が、しかし、打ちひしがれた人々を勇気づけ、力を与える事に気づいた太郎吉は、江戸に行き、伝説の最強力士、「雷電」となる。彼の鬼神のような相撲は、やがて、相撲界の堕落も、時代の閉塞感をも、何もかもはねのける、時代の力となっていく。 おそらく、膨大な資料に裏打ちされた時代小説。『始祖鳥記』同様に、腐敗した体制への憤りを行間ににじませながら、大きなものに挑み続けた巨人雷電と、その後援、鍵屋助五郎との生涯を熱っぽく描きます。ただ、『始祖鳥記』と比べると、途中の展開が、ちょっとタルかったかな。私は相撲の取り組みを言葉で説明されても、あまり想像のつかない人なので。それと、雷電自身の心理描写が、途中からあまりなかったので、相撲界の頂点に君臨してからの雷電が、何を考え、何を目指していたのかが、あいまいになってしまっていた気がする。 最後の釣り鐘の一件で時代の不条理を前面に出されたこともあって、気持ちよくカタルシスと言うわけには行きませんでしたが、重厚でダイナミックな時代小説を堪能いたしました。 |
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白鳥麗一君は、チビでメガネのさえない男の子だったが、同じ園芸部の可愛い子、ゆみこちゃんに、片思い。かっこいい男になりたいと、心から願ったとき、ヘンな魔法使いが現れて、彼の願いを叶えてくれたのだが…。
『山田太郎ものがたり』以来のギャグセンスはあいかわらずです。すっかり別人な美少年に変身した麗一君は、転校したゆみこちゃんと再会したが、なぜかうまくいかず…。というところで、笑えます。この人、本当に「ガラスの仮面」が好きなんだなあ(^^; |
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コバルト文庫の人気ファンタジー。いつもの、ほのぼのコメディを期待して読んだのですが…。
今回ちょっとキレてませんか?樹川さん…。楽園にやってきた三流吸血鬼のデヴァインをめぐる、ドタバタコメディ、のはずなのに、読んでいてストーリーが、全然頭に入ってこなかったんですけど。吸血鬼のおっさんは、ナニをしに楽園に来たんだ?その彼を追う、ハンターのあんちゃんも、結局ナニがしたかったんだ? 「吸血鬼」の設定も良く分からん。そもそもあれって、そんなに簡単に、なったりやめたりできるものなのか?なんだか、すごく行き当たりばったりな気が…。 「楽魔女」最新刊では、「今回はシリアス」となっていたし、今、話はどうなっているのだろう。ちょっと心配。 |
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『ぼっけえ、きょうてえ』で、弟6回日本ホラー大賞を受賞した作者の新作。GETした日に一気読みでした。
岡山で商家の妾をしていたタミエ。ある日、商売に失敗した旦那に、無理心中を企てられる。命はとりとめたものの、顔の左半分を日本刀で切られ、失明し、容貌も変わり果てた。しかし、光を失った左目は、次第にこの世ならぬものたちを映すようになる。やがて、タミエは霊媒師として、そこそこ名が広まっていくが…。 今回は、この主人公タミエが遭遇する霊感事件簿といった趣の、ミステリー色の強い連作短編でした。ナマな飢えや苦痛が出てこない分、ゾクゾク夢に見そうな怖さはなかったかもしれません。さて、 この世ならぬ世界の住人に翻弄されて、タミエのところに相談に来る人々。しかし、タミエのそばにいるあちらの住人は、いつも控えめで遠慮がちです。結局、いつもタミエが相手にしなくてはならないのは、あちらの世界のことでなく、こちら側の生きている人間の男と女の持つ、生々しい情念や妄執なのでした。生きている人間の方がコワイという、月並みなフレーズを、繰り返し実感させられます。 明治の岡山は意外に都会でハイカラな感じでした。浮き世の華やぎとうらはらに、生にも幸福にも一切の幻想を持たず、淡々とこの世とあの世とを見据え続けるタミエ。彼女の醒めた視点の壮絶さ。口にする「地獄」という言葉の生々しさ。それが何より怖いです。 |
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沖麻実也さんの挿絵が、とっても麗しい、人気やほひSFシリーズ、最新刊。私が目下のところ楽しみにしている、ほとんど唯一のそのテの作品です(..*)。実はH度もなかなかのモンです。
巡洋艦ジュール・ベルヌは、2組のクルーによって、目的地への星間航行を行っていた。そのうちの一組が、三四郎(ワイルド系:男)とカイ(超絶美青年:男)とのコンビ。彼らは、軍の大容量コンピュータによって、任務上のベストマッチの組み合わせとして選び出された2人、通称「バディ」であった。 さて、ジュール・ベルヌはこれまでに、船のメインコンピュータが狂ったり、テロリストに襲撃されたりといった、大事件に立て続けに遭遇し、その都度、この2人の活躍で乗り切ってまいりました。今回は、あまり大事件は起こらない変わりに、例のあのうっとおしい心理描写が、たっぷり拝めます。 はい、このコンビの片割れ、カイ君は、「ルナン」つまり、月出身者という設定であります。「ルナン」は、人種的に、生まれつきのエンパスであり、みんな美形。おまけに性的モラルがないと言われています。ところが、このカイ君は、実はルナンである自分が心底嫌いで、普段はそれと正反対のストイックな自分を作り上げているんですね。で、ここぞというときに、ルナンの地金が出て、淫乱になるという。いかにもあつらえたような設定なのですが、毎度、自己嫌悪に陥ってくらーく延々悩むカイと、単純バカのくせに、ついカイに巻き込まれて、容量以上にアタマを使ってしまう三四郎。この2人のキャラが立っていて、けっこう、読ませます。 今回は、前々作「バロック・パール」の後始末。それと、この航海の終わりが見えてきたという、前振りのような感じの話でした。「別れ」が射程距離に入ってきたとき、このシリーズはどう決着されるのか。できれば、あまり引き延ばさないで、次あたりで核心に行って欲しいです。 |
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独身小説家の三奈さんの、ほのぼのご近所コメディ。ついに終わってしまいました。川原泉〜遠藤淑子につらなる雰囲気が、とっても好きだったのに、残念です。
思わず、1巻から読み返してしまいました。三奈さんと、新名氏のおつきあいは、ああして始まったのよねー。今思うと、恋愛するとか、所帯を持つとか、世間の押しつける「まっとうな」生き方への反発。どうして、このまま好きなようにしてはいけないのかという、素朴な疑問。これらは、最初から一貫して作品にありました。しかしそれを、最後まで深刻にならず、コメディで描き通したのがよかったです。さすが、河あきらさん。 シャイで飄々として、どこか醒めている三奈さんのキャラがよかったです。 |
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古都鎌倉を舞台にした、おすすめミステリー&ファンタジー、17巻目です。ここに登場する「鎌倉」はこちらの鎌倉とは少し違う世界。魔界に隣接し、魔物たちがあたりまえに生活し、数々の不思議が実在する世界。その世界で起こる謎めいた事件を、推理作家の一色先生が、毎度、鮮やかに解き明かします。あいかわらず、独特の世界です。
この巻では、格安北海道旅行の謎の話がよかったです。あれで、どこでも好きなところに、連れていってくれないものかしら。 |
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さて、これですが。読んでいて、とっても手こずりました。なにより、この「物語」に入っていけなくて、苦労しました。読むのが苦痛になる要因、例えばグロいとか、悲惨だとか、文章がうざいとか、は、何もなかったのに。平易で分かりやすい文章なのに、読んでいると眠くなってしまって進まない、というのは、珍しい経験でした。うーん。
この物語に登場するのは、作者の分身と思われる、理系ホラー小説家。及び、その小説家が12歳の小学生であった頃の「亨(とおる)」。彼らが「博物館」というキーワードによって、19世紀エジプトの遺跡発掘現場や、その遺跡の紀元前の時代にまで、縦横に時空を翔けて冒険する話、でありました。 で、何がそれほどまでに、手こずらせてくれたかといいますと、この中で作者がけっこう真剣に、ベタな物語論というか、小説の手法についての自分の考え方を、展開してしまっているのです。悪いですが、読む方としては、これほどシラけることはありません。舞台の最中にト書きを読まされるようなもの。物語が動き出すと、どこからともなく作者が出しゃばってきて、舞台裏についてウンチクたれていく。これが、最後まで延々と続いた日には、こちらが途中で挫折して、この「物語」を受け取る事を放棄してしまったとしても、無理はないと思います。 とにかく、物語としては、かなり実験的であり、変化球もいいところでした。私は、作為と言われようと、お約束にのっとった物語が好きです。マンネリと言われようと、王道な物語が好きです。そして、おもしろい物語に、理系も文系もありません。そろそろ、「理系作家」を意識しなくてもいいんではないの? 『パラサイト・イヴ』は、前半の突出したリアリティに、後半のホラーな飛躍がついていけなかったので、評価できませんでした。『BRAIN VALLEY』もその路線らしいので、未読でした。そして、今回は新しい路線ということなので、期待したのですが…。 |
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ダンナ本ですが、最近ないほど笑えたので、感想なぞを。
近頃は、男性マンガ家の日常エッセイマンガというのも、そう珍しいものではなくなりましたが、これだけの強烈なインパクトのある家庭というものは、そうめったにないものと思われます。これも最初は、ほのぼの育児エッセイであったのになあ。 そのインパクトの源は、奥さんの佳代さん(推定95キロ)。そのご立派な体格で、あちこち体当たりで切り開いていく、底抜けにパワフルな日常。そこにはなにより、作者の大阪人の血が熱く燃えています。いかなる時でも笑いをとるべくDNAに刷り込まれた、生粋の大阪人たちの芸の世界。大阪在住の友人が、これぞ大阪とイチ押しした笑いの世界を、お楽しみ下さい。 この巻のネタ。一大演芸大会となった、出版社主催のサイン会。手塚治虫記念館に行った話。年越し演芸大会の話。etc…。どれも、これ本当に実録?なノリの良さです。サインはともかく、これはぜひとも一度、ナマで見てみたいよお。 |
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鮎川哲也賞を受賞した、著者のデビュー作。以前読んだ『魔法飛行』は、この続編にあたります。形式は『魔法飛行』と同じ、連作短編の日常ミステリー。主人公の身の回りで起こったささやかな事件の謎を、主人公の手紙を受け取ったミステリー作家が、返信の中で鮮やかに解いてみせるというもの。『魔法飛行』は正直、主人公が好きになれない事が引っかかって、評価できなかったのですが、こちらは、1つ1つのお話の構成が凝っていたせいか、それらの「謎」を純粋に楽しむことができました。
余談ですが、主人公が行ったプラネタリウムは、おそらく、町田市T急デパートの屋上にあるやつです。いつだったか、子連れで涼みに行ったことがあります。また、この主人公が通っている短大。湘南とは名ばかりで、山の中にあり、目立つ高い塔があるキャンパスとくれば、我が母校の付属短大に似ている、と思っていたら、やっぱりそれが作者の出身校でした。どうも、著者とはテリトリーが近いような気がします。 しかし、やっぱり言いたい。この主人公。ちょっと天然気味で、そのくせ「私ってこういう人なの」オーラを周囲に振りまいているタイプ。どうにも見ているのが痛くなってしまいます。これさえなければなあ。 |