『ギャラリーフェイク』20巻 細野不二彦 |
『美味しんぼ』77巻 雁屋 哲/花咲アキラ |
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『BEAST OF EAST』2巻 山田章博 ソニーマガジンズ 860円 |
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おお、ここにきて、ようやくマンガが出てきた。今月はやっぱり、コミックの新刊がショボかったようです(--)。これも本当は、先月発売の予定だったんだけどなあ。 さて、山田章博さんの陰陽師マンガ。時は平安朝。幼い恋人同士であった藻(みくず)と鬼王丸。しかし、藻は、恐るべき九尾の狐に取り憑かれ、入内して「玉藻の前」と名乗るようになる。一方鬼王丸は、偶然知り合った異国の魔術師達の協力により、見せ物小屋を興行しながら、藻を奪回する機会をうかがうのであったが…。 と、いうのが1巻までの話でしたが、この2巻もまたすごい。もー、何がすごいって、絵がすごいです。絵を見てるだけで、ストーリーなんぞどうでもいいという気分にさせられます。もっとも、マンガとして見た場合は、いささか装飾過剰という気がするかもしれませんが。とにかく、ケレン味たっぷりの豪華絢爛な芝居を見ているようで、ため息が出ます。 そして、主役の2人を取り巻く、この時代の大物達。安倍晴明、芦屋道萬、平将門、藤原純友、鈴鹿御前、etc…。特にこの巻では、涼しげな瞳の晴明様と、苦悩する将門様が、なかなか麗しくて、いい味出してます。鬼王丸は、1巻の頃から4年が過ぎて、いっぱしの凛々しい若者となっているし。ああ、かっこいい。続き待ち遠しい。 と、言うわけで、ぜひとも本棚に飾っておきたい一冊であります。おすすめよお。 |
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『西の善き魔女外伝2 〜銀の鳥 プラチナの鳥』 荻原規子 中公新書 857円 |
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『西の善き魔女』外伝2巻目。そして、シリーズの本当の最終巻となりました。外伝1の後書きで予告された通り、女王候補の1人アデイルが、東の国トルバートに行っていた時のエピソードです。 アデイル。『西魔女』本編においては、最も王女らしい王女。か弱くはかなく、保護欲をかきたてることによって、周囲を動かしていくタイプの少女。そのせいか彼女は、学校でやおい小説を書いていた(^^;)というエピソード以外、あまり印象に残らなかったキャラでもありました。しかし、この外伝で、性格の基本的なところは変わらないながらも、アデイルも紛れもない女王の器であると見せつけられました。やるときゃやるものねえ。さすがは、荻原キャラであります。 そして、今回主役の砂漠の彼、かっこよかったです。頑固で強い少女達と、それに振り回される少年達というパターンは、やっぱりはずせないお約束なのね。 読み終わった後で、思わず『西魔女』本編5巻を読み返してしまいました。そもそも、このアデイルの冒険が本編のどのあたりだったのか、すっかり忘れていたもので…。ついでに、本編を最初から読み返してみたくなった。遠からず、再読をかけることになるかもしれません。 |
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『光の帝国 〜常野物語』 恩田 陸 集英社文庫 520円 |
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以前、ハードカバーで借りて読んだ作品ですが、このたび文庫化されたのを購入、再読してしまいました。また泣けたよう。 この日本のどこかに、常野と呼ばれる場所があって、そこでは、特殊な力を持つ一族がひっそりと暮らしている。そんな一族にまつわる、10の短編を集めた、オムニバス短編集です。どれも、じんわりとあたたかい気持ちになれます。 恩田さんは、やっぱりファンタジーな人なのだなあ。たとえば、何の変哲もない現代日本の田舎を描いていても、そこはいつしか、儒教的な泥臭さや閉鎖性がみじんもない、恩田ワールドの「どこか」になってしまう。そこは、現実の生活感や生々しさを巧妙に排除した世界。もはや、恩田ビジョンで再構成された異世界に近くなっていると思う。 恩田さんは確信犯的に、現実と剥離した恩田ワールドを描き続けているのだと思います。現実そのものなんて、おもしろくも美しくもないという、明快な主張によって。しかし、その世界のバランス感覚はいつも非常に微妙です。一歩間違うと、うすっぺらでリアリティのない、単なる願望充足に堕ちてしまいかねない危険も常にあります。 この『光の帝国』で描かれた世界は、このあたりのバランスが絶妙でありました。悲惨な現実と、そこから脱出する先に垣間見える、ほんとうの世界の美しさ。世界はいつでも輝きに満ちているよというメッセージが、すとんと心に落ち着きました。表題作は『七瀬ふたたび』(筒井康隆)のような感じ。それと、なぜか妙に印象に残っているのが「草取り」でした。普段、目に見える風景が見方によってひょいと入れ替わるという話は、やっぱりツボだなあ。 |
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『飛翔せよ、閃光の虚空へ!』スコーリア戦史1 キャサリン・アサロ ハヤカワ文庫 880円 |
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冬林さんおすすめの、人気スペースオペラのシリーズ第1巻。オビのキャッチコピーが「アメリカ版『星界の紋章』」。本当にそんなお話でした。銀河に屹立する2大勢力。主人公ソースコニーはその1方の王女様。そして、彼女が誰よりも誇り高く、果敢な戦士であるところなど。共通するところが多くありました。 ただし、ソースコニーはこのとき48歳。王家の遺伝子により見た目は若いが、なかなかハードな人生経験を積んできております。その彼女が、超光速で空を翔け、サイバーな仮想世界を行き来し、更に、運命の恋もしてしまうという、いかにも女性が描いたらしい、痛快な90年代のスペオペでありました。しかし、作者は実はバリバリの現役科学者でもあるそうで、SFな設定や小道具についても相当気合いが入っております。いわば、壮大なスケールのハーレクインSFとでもいうところでしょうか(^^;)。 また、登場する人々も、なかなか一筋縄でいかなくて魅力的。なぜかソースコニーの、いい年してバカップルな両親が、気に入ってしまった。特にとーちゃんは、ほのぼのしていていいです。 そして最近になって、このシリーズの新作上下巻が発行されました。手が空いたら、是非読みたいです。 |
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『ネバーランド』 恩田 陸 集英社 1500円 |
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恩田さんの、学園ミステリー(なのか?)。舞台は地方にある名門男子校の寮。登場するのは、寮に冬休みに居残ることになった3人+1人の少年たち。設定だけでもおいしいというか、もろ少女マンガ!な世界が正面から描かれておりました。後書きによると、当初は『トーマの心臓』をやる予定であったとか。恩田さんの描く少年は、まっすぐで透明で、甘酸っぱいノスタルジックな空気がよく似合います。それこそ、現実の男子寮という、あまり美しくない世界はここでは置いといて、恩田陸の世界を堪能いたしました。 少年たちは、寮生の美国、寛司、光浩と、彼らのクラスメイトで、夜な夜な寮に出没する統(おさむ)。寮に居残っての休日という非日常の中で、普段は心の奥底にしまっている彼らの過去や現実が、次第に明かされていきます。懺悔、告白、謎かけ。いつしか彼らの間には、一種の共犯者のような安らぎと絆とが生まれていくのでした。 少年たちの、二度と巡って来ない季節。彼らがテニスの後で空を見上げるシーンに、石川啄木の歌を彷彿させたり。はたまた、どこか『はみだしっ子』の世界であったり。「レッツ・ダンス・オン」で、グレアムとアンジーが、タバコの煙を見つめるシーンのような、けだるさとせつなさ、そしてほろ苦さ。ああ、よいなあ。これももしかしたら、同世代の感覚というものなのでしょうか。 |
『じゃじゃ馬グルーミン☆UP!』25巻 ゆうきまさみ |
『名探偵コナン』29巻 青木剛昌 |
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『鵺姫真話(ぬえひめしんわ)』岩本隆雄 ソノラマ文庫 571円 |
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先日、『星虫』ですっかりはまった岩本さんの、正真正銘の新作。『星虫』とつながった世界のお話です。高守市にある姫森神社には、「姫様のまじない」と呼ばれる言い伝えがあった。かつてこの地を治めていた鵺姫の宿るご神木に、しかるべき方法で願うと、その願いは叶えられるというもの。主人公の高校生、純はある日、ご神木の根本から、奇妙な世界に迷い込む。迷い込んだ世界で出会った仲間達とたどり着いた先は、どうやら、鵺姫の存在した過去の時代であるらしかったが… はっきり言って、時間ものSFです。しかし、登場人物の時間の行ったり来たりが、けっこう複雑。1回読んだだけでは、なかなか分からないし、説明的なセリフはやたら多いし、このあたりもうちょっとすっきり描いて欲しかったです。 それでもその分、オチはラストでちゃんと決まったし、王道を行く展開には満足でした。少年少女達が手に入れた、それぞれの「夏への扉」。やっぱりSFはいいねえ。 さて、『イーシャの船』はこの話のさらに続編にあたるらしいです。楽しみだわ(^^)。 |
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『昏き神々の宴』封殺鬼シリーズ 霜島ケイ 小学館キャンパス文庫 524円 |
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「封殺鬼」シリーズ通算21冊目。これも長いです。 この巻は鹿島が舞台です。鹿島に「出張」している聖と弓生。例によって、聖の相方、もとい犠牲者となって漫才に励むのは、中央の術者で、高良さんの上司にあたるおっさん。掛け合い漫才は、こうでなくちゃねえ。 ともあれ、聖達も、本家も、なかなかややこしいことになって次巻へと続く。羅ごう星編、いよいよクライマックスか?このところ、話が停滞していただけに、次巻が楽しみです(^^) |
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『永遠の森 〜博物館惑星』 菅 浩江 早川書房 1900円 |
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地球の衛星軌道に浮かぶ、人工惑星「アフロディーテ」は、古今東西の、ありとあらゆる美術品、動植鉱物が集められた、「博物館惑星」であった。そこは、音楽・舞台・芸能担当の「ミューズ」、絵画・工芸担当の「アテナ」、動植物担当の「デメテル」という、3つの部署に分かれ、それぞれに属する学芸員達が、収蔵品の鑑定・分類等を行う。そこでは、学芸員達が巨大データベースに脳をリンクして、直接的なイメージで検索、登録の行えるシステムが導入されていた。 そして、ほとんどの芸術は、1部門のみで担当できるわけでなく、各部門に少しずつ関わっている。そうした、収蔵品について、各部門間の調整を行う部署として、主人公田代の所属する「アポロン」があった。 と、言う設定のSF短編集。その博物館惑星で、美なるものを追求する学芸員達が、出会う9つの物語が収録されています。どの物語も、透明な水のように美しく、心をひたしていきます。表題作の「永遠の森」がよかったです。『そばかすのフィギュア』に似た可憐さでありました。 ただ、菅さんは以前、『雨の檻』(ハヤカワ文庫)を読んだことがありました。確かにおもしろかったのです。完成度は高かったのですが、同時に感じたのが、なぜか、なんともいえない、居心地の悪さでした。強いて言えば、ツボを3センチはずして突かれたような感じとでも、申しましょうか。 今回もどこかにそれを感じてしまいました。美とは何なのでしょう。究極の美とは。黄金律の数式で表現し尽くせるものなのでしょうか。私は、そうした普遍的な美というものに、つい、反発してしまう性であるらしい。究極の美とは、逆にグロいもの。狂気に近い情念の産物なのではないかという、赤江瀑風の美意識の方に近しさを感じてしまいます。 菅さんの物語は、いつもなんともいえず綺麗です。しかし、私にとっては、その陰りのなさ、あるいは、あまりに哀感とは無縁な無邪気さが、私のツボである、SFとは何かしら哀しいものであってほしいという思いこみから、微妙にずれてしまうようでした。もちろんこれは受け手の問題であり、作品自体の評価とは何の関わりもないことを、お断りしておきます。 私にとっての、その「ツボから3センチずれた人」には、他に、波津彬子,清水玲子がおりました。どちらも人気も実力もある作家なのに、もったいないのですけど… |
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『天翔けるバカ 〜 We Are The Champions』 須賀しのぶ コバルト文庫 495円 |
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第一次大戦中、イギリス空軍の傭兵部隊に所属する、飛行機バカ達の活躍を描いたシリーズ第2段、にして、最終巻となってしまいました。残念。 主人公のリックは、あいかわらずのヒヨッ子で、今回も、どう見ても敵方のドイツ空軍の方がかっこいい(^^;)。作者の思い入れの差が、モロに出た気がします。戦争はより悲惨さを増し、飛行機さえあれば幸せというバカも、さすがにいろいろと考えざるを得なくなっていきます。あまりにも悲痛なレッドバロンの最期。それは、ノスタルジックな時代の終わりを象徴していました。本当に、この時代のヨーロッパについて、興味がわいてまいりました。 戦死していった人々に黙祷を。そして、願わくば、リックが、再開したレイチェルにどつき回されるような、後日談などを見てみたい気がします。 |