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『ギャラリーフェイク』19巻
細野不二彦 ビッグコミックス 『ビールとメガホン』 |
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『ギャラリーフェイク』は、前巻でそろそろ終わりにしては?と書いたのですが、この巻では、少し持ち直した気もします。しかし、あのヘンタイ調香師は、なんとかしてくれ。 『ビールとメガホン』は野球ファンなる人種をめぐる、人情話を集めた短編集。細野さんは以前『愛しのバットマン』というプロ野球マンガを描いてましたが、今度の方が泥臭いくらいに「野球」に入れ込んで描かれているようです。細野さんも最近は、こうしたオヤジな傾向の話の方が、合ってきている気がする。おもしろいかどうかは別として。 |
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『美味しんぼ』75巻 雁屋 哲/花咲アキラ
ビッグコミックス |
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いやー、やっと双子ちゃんの顔が拝めました。男の子と女の子です。って、これくらいのネタバレはいいよね。栗田さん、お疲れさま。 あとは、この巻は「日本ご当地巡り 宮城編」。仙台も行きたいです。めかぶって、ワカメだったとは、知らなかった。 |
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『ひなた』 入江紀子
集英社YOUコミックス 505円 |
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入江紀子さんの短編集。久々買いました。どの作品も、さまざまなカップルや夫婦が登場し、ほんわかした味付けで楽しませてくれます。 ただ、同時になぜ入江さんを最近読まなくなってしまったのかに思い至ってしまった。お気楽で、ラジカルに楽しいことを追求する、根無し草のように自由な登場人物たち。昔はこういう毎日が理想であったのだけれど、現実の結婚生活は惰性も欺瞞も、何でもありだもんね。それも、別に悪いことばかりではないですが、入江紀子のマンガはそうした欺瞞をまっすぐに指摘してくるようで、ちょっと痛いのでした。同じお気楽でも、西村しのぶのだと、カラッとしていて、素直にうらやましいと思えるのだけれど。 トシとったねえ。 |
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『夏と花火と私の死体』 乙一
集英社文庫 419円 |
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これは、純粋にオビにつられました。いわく「小野不由美氏激賞」。ついでに、解説も小野主上です。はっきり言って、これ以上効果的な宣伝は、思いつきません。おそらく、8割くらいの読者はこれにつられて読むのではないかと思われます(推定)。 内容は、短編が2編。表題作は、この作者の若干17才のデビュー作です。で、内容は…。舞台はおそらく昭和40年代の時間の止まったような村。その夏休みのある日、小学生の「私」は、ほんのささいなことから、同級生の女の子にジャングルジムの上から突き落とされて、死んでしまう。以降、死んだ「私」の視点から、死体の始末に右往左往する女の子とその兄の姿が淡々と描かれていく、というもの。 その文体の奇妙な味というものが、小野主上のお気に召したらしいです。確かに、あの、何とも言えない後味の悪さが計算されたものだとしたら、17才としては、かなり異才であると思います。しかし私は後味の悪いホラーは苦手なので、ちょっと引いてしまいました。小野主上の趣味は、分からん…。 |
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『BAR レモンハート』16巻 古谷三敏とファミリー企画
双葉社 アクションコミックス 533円 |
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こちらは、グッと渋い。もとダンナ本ですが、なかなか気に入っております。内容は、酒のウンチクマンガ。どんな酒でも置いてあり、酒のことなら何でも知っているというマスターのいる、BAR「レモンハート」。このマスターが、毎回、酒にまつわるちょっと良い話を披露してくれます。普段、安い酒と発泡酒しか飲んでいない我が家でも、たまにはこういう酒を飲みたくなるのが玉に瑕でしょうか。この巻もまた、ワインに、スコッチに、おもしろかったです。 実は、4月のトップページで披露した、カクテル「春暁」のレシピもここから取りました。 |
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『TWIN SIGNAL』16巻 大清水さち
ENIX ガンガンコミックス 390円 |
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ロボット工学が発展した近未来社会。A−ナンバーズと呼ばれる、超高性能ロボット達が活躍するSFアクションです。主人公はA−ナンバーズの最新型、シグナル君。彼は制作者である、音井教授の息子、信彦のくしゃみで、体が小さくなってしまういうけったいなくせがある(^^;)。このシグナルと、A−ナンバーズの、それぞれ個性的なロボット達が、現実世界や仮想世界で起こる、様々な事件に活躍します。んでも、ずいぶん出なかったので、前の話忘れてしまったわ この巻では、チビシグナルの秘密が分かりました。とりあえず、私のご贔屓のA−C:コード君が活躍していたのでうれしい。 |
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『宇宙家族カールビンソン』1巻 あさりよしとお
講談社アフタヌーンKC 457円 |
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このマンガ、1巻とありますが、実は長いこと、徳間書店少年キャプテン誌で連載されていました。同誌から13巻まで発売されたところで、同誌が休刊してしまいました。それがこのたび、アフタヌーン誌で連載が再開されたのが、感涙ものであります。わあーい。 さて、ストーリーは、一応SF。但し徹底的なギャグです。 宇宙の辺境で、宇宙船同士の事故により、一方の乗組員が死亡。その船の生き残りは、まだ赤ん坊であったコロナちゃんのみだった。事故の相方の旅芸人一座は、仕方なく即席の家族を作り、コロナちゃんの故郷の星「地球」と連絡が取れるまで、乏しい地球の記録に基づいて、一見地球式の育て方で、彼女を養育することを決意した。 と、いうわけで、微妙にずれた疑似家族の地球式の生活が、ほのぼのと宇宙の片隅で繰り広げられております。このヘンさは、本当に笑える。そして、このマンガのもう一つの魅力は、笑えば笑うほどに見え隠れする、ある種のもの悲しさなのだと思います。 ほのぼのとした疑似家族。それは、たった一人の子供のために用意されたものでありました。その事実に、当の子供が気づいた瞬間に、家族としてのお芝居は終了してしまうのでしょう。そうした設定が、何やら家族というものの本質を暗示しているような気がします。 |
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『柔らかな頬』 桐野夏生
講談社 1800円 |
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桐野さんの直木賞受賞作です。何でもいいですが、賞など取ろうものなら、順番待ち時間がケタ違いに長くなってしまうのを何とかして欲しい>市立図書館への、山ほどある不満の1つ。 さて、主人公は2人の娘を持つ主婦。その5歳の娘が、彼女が不倫の相手と会っている最中に忽然と失踪してしまう。気も狂わんばかりに消えた娘を捜し回る主人公。彼女は娘と一緒に、よりどころとなるすべてを失ってしまった。あてもなく漂流していく彼女の魂は何を捜すのか。どこへたどり着くのか。 うーーーーん。うーーん。うーんんんんん。この主人公の境遇を自分に引き寄せて考えるのは、あまりに痛すぎて、普通なら即座に思考停止状態なのですが、これは目が離せなかったです。読んでいる間、たっぷりと、「自分ならどうするか?」を考えさせられてしまいました((((;_;)。鬼畜な母である私の結論は、ここでは伏せさせていただきますが… ともかく、ここでは物語の主人公です。家族を失い、結果的に不倫の恋も失った彼女の前に広がる、荒涼たる孤独な風景。桐野さんが描くこうした魂の苦悩は、前作『OUT』でも、「すごい!」と思わせらたものでした。『OUT』では、主人公は、絶対的な孤独を見据えながらも、己の現実を振り捨てて、そこから脱出していきます。 今回、『柔らかな頬』でも主人公に、つきつけられる絶望。その迫力は見事でした。しかし、それはあくまでも、今回は結論でなく、問題提起であったと思います。人の孤独、人の業。それをどのように、物語としてオチをつける?という段になったとき、結局、提起されたものは宙ぶらりんのまま放置されてしまったように思いました。 失踪事件を、事件に関わった皆さんが、それぞれ回想なんてしなくてもいいから、主人公と、末期ガンに犯された元刑事の、絶望という物を、とことん掘り下げ抜いて欲しかったように思います。と、いうわけで、やっぱり私は『OUT』の方が好きだなあ。 |
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『猫の地球儀』焔の章/幽の章 秋山瑞人
電撃文庫 各510円/530円 |
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SFのページで、SFの将来について、かなり否定的なことを書いたのですが、それに関連して、にしむらあさみさんから、SFマインドを感じる物語として紹介いただきました。読んでみて、ビンビンきました。小品ながら、これよ、これなのよ!と叫びたくなるような感覚。SFの将来、まだいける、か? さて、物語は、トルクという、猫とロボットの住まう世界が舞台です。その世界で人間は「天使」として、伝説の中の存在になっている。猫はヒゲから出る電波で、ロボットを操作して身の回りのことをさせている。そして、その世界の近くに地球儀というものがあり、死んだ猫の魂は、地球儀に行くと言われていた。しかし、その説に疑問を持ち、生きているうちに地球儀に行く方法を模索する者が現れる。彼らは、体制から「異端」として排斥されていた。 と言うわけで、地球儀に行くことを夢見る「スカイウォーカー」の夢が大きなテーマでありました。昔、SFのテーマであった「夢見ること」。甘ったるい願望充足でなく、ただ、呼吸するように夢見ること。それが簡単にできた昔にノスタルジーを感じると共に、今でもまだやり方によっては、充分それができるのだと、気づかせていただきました。何となく、昔の大原まり子っぽい雰囲気が好きだなあ。 |
『キル・ゾーン』シリーズ 須賀しのぶ/コバルト文庫
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タイトルの隣の数字は、読んだ順序です(爆)。我ながら、なかなかすごい順序でした。まあ、『ブルー・ブラッド』を先に読んでいたせいか、それほどネタバレで失望することはなかったです。 前半は、コバルトにあってここまでハードな戦場&軍隊を描くか、と、おもしろいと言うよりは、どこまでやるかという好奇心で読みました。それが、途中から、大物がざくざく出てきて、話がスケールアップしてまいりました。基本は、強くて美しい女戦士キャッスル。彼女の相棒(戦闘での)エイゼン。そして、キャッスルに思いを寄せる、子犬のような少年ラファエル。23世紀の地球の戦場から、火星へ。彼らが遭遇する冒険の物語です。(SFというにはちょっと(^^;)) 戦闘シーンの描写、過酷な状況にあって、それでも軽口を応酬できる仲間達。そのあたりは、作者が好きだと言うだけあって、新谷かおるを彷彿させます。しかし、ラファエルが出てくると、いきなりイメージが木原敏江になるような。そういえば、フィリップ系キャラも、ゴロゴロいるし。ちなみに、私の一番のお気に入りは、エイゼンです。 しかし、キャッスルは肉体的にはやたら強いくせに、内面はあまりにオンナなので、見ていて痛々しいものがある。もっとも、その精神的にもろい部分とというものを、この作品に登場するキャラのほとんどが備えているので、見ていて時々うっとおしいところがあります。特に、ユーベル・メンシュの半身をめぐるウダウダは、ちょっとなあ。昔、萩尾望都が『半神』で描いた世界に近いのですが、そうした人間の原罪をテーマに描くには、この人、まだまだ修行が足りないようです。 |
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『じゃじゃ馬グルーミン☆UP!』23巻 ゆうきまさみ 少年サンデーコミックス |
| この巻は、2人して駿平くんの両親に会いに行く話。こちらの両親に事情を納得してもらうのは、なかなか難事業でありましたが、何とかクリア。物語も何となく、終盤の気配です。この話って、現実世界とほとんど同時進行でやってたんだなあ。ゆっくりゆっくり、みんなたくましくなりました。あとは、ヒコが走る姿を早く見たいなあ。 |
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『ご町内のミナさん』9巻 河あきら 少年画報社 |
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独身小説家の三奈さんは、郊外に1戸建てを購入。ところが、何の因果か自治会の役員になってしまい、慣れない近所づきあいに奮闘することに…。という、作者のノンフィクションが入った設定から始まった、ご近所コメディの9巻目です。最近は、ミナさんと、近所に住む漫画家アシスタントの新名氏との、なんとも枯れたおつきあいが、メインになっております。 前巻から出てきた、新名氏の少々複雑な家庭の事情。あんまり深刻にならないで、と思っていたら、さすがこのあたりの距離の取り方がうまい。なるべく新名氏と、家族との仲を取りもとうとするミナさん。それが、押しつけがましくなく、本当に彼女らしく自然にやっているところがいい味だしてます。このごろの新名氏は、取り乱したり、落ち込んだり、独占欲を出したり、なかなかに可愛いです(^^) |
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『海神(ネプチューン)の晩餐』 若竹七海 講談社 1800円 |
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結構前から読み始めたのに、かなり手こずってしまった。実は、図書館で借りて、たまたま、ダイヤが混乱している時のものすごく混んだ電車に乗ったら、降りる際にカバンから落ちてしまった(TT)。気がついて、あちこちの駅に連絡入れまくったのに、結局出てこなくて、弁償する羽目になりました。おかあさん、僕のあの本、どうしたでしょうね…。ミステリーだわ。 さて、1932年、昭和恐慌に突入した頃、豪華客船氷川丸は横浜を出港し、沙市(シアトル)まで10日間の航海に就いた。資産家のボンボンである主人公は、渡航前に友人から、「沈没寸前のタイタニック号から持ち出された、有名探偵小説家の未発表原稿」なるものを受け取る。その原稿をめぐり、船内で起こる奇妙な事件の謎とは? うーん、やっぱり手こずりました。ノスタルジックな時代背景や、豪華客船の船内という設定は魅力的だったのですが、たとえば、ミステリーとしてはどうか、と考えると、つい首をかしげてしまいます。決しておもしろくなかったわけではないのですが…。 やっぱり難は、主人公の性格かなあ。漱石のいう「高等遊民」もどきの情けない男の視点に、どうも入り込めずに終わってしまった感じです。他の乗客も、なかなか魅力的であったのに、描ききれなかった気がしました。張大人カムバック。 |
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『薔薇の木に薔薇の花咲く』2,3巻 いしかわじゅん 扶桑社マンガ文庫 各600円 |
| すごいタイトルですが、実は内容は、「おすもう不条理ギャグ」です(^^;)。実は1巻だけ、昔に光文社から出たときに、ダンナが買っておりました。先日、京極夏彦の『どすこい』を読んだときに、まっさきにこれを思い出したのですが、あまりにマイナーゆえに、コメントできずにおりました。まあ、あんな感じです。あれよりも、1つ1つのネタが短いだけに、ギャグのインパクトが冴えてます。笑えます。騙されたと思って…。 |
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『美濃牛』 殊能将之 講談社ノベルズ 1300円 |
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にしむらあさみさんや、凍月さんのおすすめでしたので、米沢に行く新幹線の中で、せっせと読んでおりました。 いやー、評判通りのおもしろさというべきか。前作『ハサミ男』は、トリックに凝りすぎたあまり、登場人物や物語のアラが目立ってしまった印象だったのですが、今回そのあたりが、かなり改善されていて、読みやすかったです。何より笑えたし。 フリーライターの主人公は、「病気の回復する奇跡の泉」という、かなり胡散臭いネタを取材するべく、岐阜のど田舎に向かう。そこには、巨大リゾート施設の利権が絡んだ、別の意味でかなり胡散臭い背景があった。ところが、そこで謎の殺人事件が起こり…。 閉ざされた山間の村、旧家の連続殺人とくると、つい、「今時こんな田舎あるかよ」という横溝正史的世界を想像してしまいますが、その点は、ちゃんと今の日本のどこにもありそうな、普通の田舎として描かれていたので安心しました。あとは、にしむらあさみさんの言うとおり、暗号解読や、名探偵といった、良い意味での本格ミステリのアイテムが、細部まで効果的に使われている、贅沢な1冊でありました。 しかし、石動さんのイメージって、どうも『パトレイバー』の内海さんだなあ。彼の俳句 「E=mc2 秋の暮」は傑作?(^^;) |