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『青の炎』 貴志祐介 角川書店 |
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ようやく、リクエストの順番が来て、GETできました。主人公の高校生2年生の家庭に、ある日転がり込んできた疫病神。主人公は家族の幸福ために、あらゆる手を尽くして、疫病神を排除することを決意した。そして彼の完全犯罪への挑戦が始まる…。 うーん、なんとも言えない読後感。決してさわやかとか、楽しいとかではありませんが、かといって、イヤという訳でもない。主人公の彼に共感するわけではないが、彼の行動については納得できる。なんだか、胃のあたりがしこっているような、未消化な感じがする。しかしそれは、作者が最初から意図して読者に投げつけた問題意識のようなものなのかもしれない。 ストーリーよりも、濃密な心理描写がメインの1冊。これはもしかすると、「純文学」に分類されるべき作品なのかもしれません。 |
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『NEKO2』 2巻 岡崎二郎 |
赤ん坊の頃に、飼い猫のミミに世話してもらったため、ネコ語が話せるようになった!(^^;)という、元気少女の亜紀ちゃんと、友達のネコ達の巻き起こす楽しい事件。ネコ好き必見のお話です。ネコの社会で生きる一匹一匹のネコ達が、個性的でかっこいい。ほろっとくる話もあって、好きだったのに。この巻で終わってしまったのね。残念です。岡崎さんの次回作に期待。 |
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『ギャラリーフェイク』 18巻 −似たもの同士− 細野不二彦 |
元、メトロポリタン美術館の学芸員にして、贋作専門の画廊「ギャラリーフェイク」を経営する画商フジタ。底知れない芸術の世界を、裏も表も自在に闊歩する彼の活躍を描くシリーズですが、はや18巻です。正直、もうマンネリは否めない。絵も荒れてきたし、細野さんもかなり息切れしているのが、分かってしまう。バブルの遺産のようなこのシリーズ、そろそろ終わりにしても、いいんじゃない? |
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『美味しんぼ』 74巻 −恍惚のワイン− 雁屋 哲/花咲アキラ |
2ヶ月連続して出ています。この巻はワインの話。椎茸の話。etc…。しかし、ワインに納豆や焼き魚を合わせる話は、さすがにあまり美味しそうではなかった(^^;)。栗田さん、双子だということが、ようやく判明。団さん他、前後して懐妊した3夫婦が、一足先に2世誕生。次巻では双子ちゃんのお顔が拝めるか? |
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『鉄道員(ぽっぽや)』 浅田次郎 集英社 1500円 |
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祖父の葬式で、実家に帰省する途中で読みました。8編の短編が収録された短編集ですが、そのうち「鉄道員」と「ラブ・レター」は映画化されています。映画の方は見ていないながらも、泣かせるという評判を聞いておりましたので、本当か?と、読み方に少しばかりナナメな先入観が入っておりました。それでも、見事なまでに「泣き」のツボを突いてくる腕前、まさに脱帽いたしました。 例えば、「鉄道員」の主人公は、高倉健が演じるような、カッコいい人物ではありませんでした。何より、自分の生き方を正しいなんて、みじんも思っていない。ただ、それしかできなかったという苦い思いを抱えながら、1鉄道員として、定年を迎えます。そうした、迷いながら、現実をなんとか生きている、それぞれの主人公のもとに、それぞれささやかなファンタジーが訪れる、それが何とも言えませんでした。ちょうど、時期も時期だったので「うらぼんえ」はぐっときたなあ。 |
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『西の善き魔女 外伝1 〜金の糸紡げば』 荻原規子 中公新書 850円 |
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荻原規子の新作。『西の善き魔女』全5巻の外伝です。内容は、フィリエルとルーンの出会い。そして、幼い2人のセラフィールドでの最初の1年間が描かれます。本編の後日談も、ほんの少しですがありました。 正直言って、西魔女本編は、物足りなかった私。おそらく、ストーリーのつじつまを合わせるのにやっとだったのではないかという気がして。できることなら、時間でもページでも必要なだけ使って、じっくりと納得いくまで描き込んだものが読みたかった。それが、どうにも残念でした。 ところが、今回のこの外伝がすごくよかったのです。そうそうこれが読みたかったのよ、という、まさにそういうものになっていました。じんわりとあたたかいエピソードといい、フィリエルたちのみずみずしい心の描写といい。これぞ、荻原さん!でした。ああ、本編もこんなふうに描いてほしかったよおお。本当に残念。 外伝2としては、アデイルの話が出るそうです。これも、期待できそう(^^)。 |
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『クッキングパパ』 59巻 うえやまとち 講談社 KCモーニング |
『美味しんぼ』と並んで長い料理マンガ。それでも、料理マンガとしては、これが一番実用性があると思っております。もちろん、実用性だけではありません。これは、目下私にとって、普通の家族や家庭を正面から描きながらイヤミにならない、ほとんど唯一のホームドラマでもあります。もちろん、どの家庭も、こんな風に幸せなはずはないのだけれど、それでも、こんなふうにゴハンが食べられたら、それでいいじゃない、と思わせてくれる貴重な作品であります。工藤君、東京でもがんばってね。 |
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『おいしい関係』 16巻(完結) 槇村さとる 集英社 YOUコミックス |
槇村さとるが描く、コックを目指してがんばる女の子の成長物語。ここ何年か楽しみにして参りましたが、ついに完結です。このところ、ドロドロの愛憎が絡んできて、最初の頃の前向きな話はどこへやらになっておりましたが、最終回はさすがにきれいにまとめたようです。私としては、あまりにご都合主義でないかい?と思わないでもないですが。織田さんも、百恵ちゃんも、蓮見さんも、あまりに情けないわ。結局、この話、千代ばあ1人が出てくれば、それでよかったのかも。 |
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『ブギーポップは笑わない』 上遠野(かどの)浩平
メディアワークス電撃文庫 550円 |
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アニメ化・映画化に先駆けて、売り出しが活発になったのか、このシリーズ、よく見かけます。暗そーなカバーが気になって、ついに購入、読了いたしました。 感想は、うーん。ミステリーとしては、なかなかうまい構成になっていたかなあ。内容は学園ホラー&ミステリーでしょうか。都内にある(多分)私立深陽学園を舞台に、ある日奇妙な事件が起きる。その事件にちょっとずつ関わった多くの生徒の視点で、事件のある部分、ある側面が少しずつあきらかにされていき、最後に事件の全貌が分かるという仕掛け。これは、なかなか凝っています。 しかし、おもしろかったかというと…。うーん、そもそもアニメ向きの話なのかなあ。サイコな小道具も使う割には、生徒達の内面の描写が弱かった。彼らが学校で感じている閉塞感のようなものは、すごくリアルなんだけど。結局それはあまり事件とは関係なかったわけだし。結局のところ、登場人物が全員単なる傍観者で終わってしまったので、事件によって成長するわけでなし。閉塞感を正面から打破するでなし。読んでいて、なんだかストレスが溜まってしまいました。なので、以降読むかどうかは、ちょっと考えさせて>鳥様。あ、アニメは見てみたいです。 |
『…すぎなレボリューション』 2巻 小池田マヤ |
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小池田マヤさんは、これまで主に4コマ誌で活躍してきた人です。ほのぼのした4コマラブストーリーで定評があったのですが、ここにきて、かなりアダルト系もしくはドロドロ系の話も手がけるようになり、活躍の幅が広がって参りました。 これは、その一つで、Kiss誌で連載している4コマ作品です。とはいえ、そこらのトレンディドラマなど足下にも及ばないほど、中身はドラマチック。主人公は、そろそろ30に手が届く、お局OL、すぎな。処女だった彼女はある夜、酔った勢いで、会社の同僚の誰かと、初体験をしてしまった。初体験の相手をさりげなく探すうちに、すぎなの男性遍歴は意外な方向に展開していくが…。 昔の柴門ふみを彷彿とする、リアルな心理描写に思わず引き込まれてしまう。それでいて、4コマという形式の強みで、重くなりすぎません。ラブストーリーのお好きな方、お見のがしなく。 |
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『カルキの来る日』 花郁悠紀子
秋田文庫 562円 |
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マンガの文庫は普段あまり買わないのですが、単行本で持っていても、つい買ってしまっているのが、やっと、やっと出た、花郁悠紀子さんの傑作選。だって、うれしかったのよお(;;)。 花郁悠紀子さんは、言うまでもなく波津彬子さんのお姉さまであった方です。彼女も漫画家であり、数年という短い執筆期間に精力的に作品を発表し、そして1980年に26歳の若さで亡くなりました。その作品は、プリンセスコミックスで発行されましたが、時間がたつにつれ、一般書店ではまず入手困難な状態になってしまいました。このままでは、この才能が忘れられてしまう、とずっとやきもきしておりました。よかった、まずは一安心。 『カルキの来る日』。表題作と、その(ほんの短い)続編の『黄昏に風』(^^)。他4作が収録されています。実は『夢ゆり育て』の「花と宝石」にちなんだ連作といっしょになるかと、ひそかに予想していたのですが、はずれました。それはまあ、よいとして。この、はりつめた哀しみはどうだろう。硬質なうつくしさはどうだろう。その若すぎる晩年になって、いよいよとぎすまされたこの、作品世界をお楽しみ下さい。 |
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『百器徒然袋−雨』 京極夏彦
講談社ノベルズ 1150円 |
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一年の計はなんとやらで、3が日で読んでいたのが、これ(^^)。京極さんの、妖怪シリーズ(というらしい)の最新刊です。今回は榎木津探偵が活躍する短編が3編収録された、「探偵小説」であります。 いやー、この前の『百鬼夜行』が、くらーい話だったので、少し引いておりましたが、今回は笑えるとの評判の通りでした。すっかり頭がハイになってしまった。 天衣無縫、自由闊達。ついでにコミュニケーション不能、常識皆無という、無敵の破壊神、榎木津探偵の活躍が痛快でした。読み終えて一言、下僕になりたい…(^^;)。いえあの連中にいぢめられるのも、楽しそうだなあ、と。う、いけない。これでは関君になってしまふ…。 ところで、今回の一応主人公の「私」の本名、”本島”さんででよかったのかしらん。 |
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『紅色魔術探偵団』 山田章博 日本エディターズ 800円 |
『おぼろ探偵帖』で少しばかりはずみがついたので、入手してしまいました。キャラの3人組は、作者も後書きで言っておりましたが『おぼろ探偵帖』とよく似ています。もっとも、こちらの方が作品としては古いのですが。こちらは、主としてイギリス風怪奇趣味の世界。ちょっと、高橋葉介を思い出しました。『おぼろ探偵帖』より、コミカルでテンポが軽快。その分、絵的には、ちょっと物足りないかな。 |
『ヘブン』 遠藤淑子 |
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遠藤さんにしては、シリアスな未来SF。過去の大戦で受けた打撃のために、荒廃していく未来都市に生きる、マット(マーサ・女)は、ひょんなことから、高性能アンドロイドのルークを拾う。就職難のため、時々やばい仕事にも手を出すマットは、行く先々で事件に巻き込まれるが…。 暗い。最後の方だけ、メロディ誌で連載していたのを読んだことがあったのですが。メロディでは、シリアスを描くことに決めてでもいるのだろうか。雰囲気は、『君のためにクリスマスソングを歌おう』(「天使ですよ」収録)の世界。それにしても、暗い。 |
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『バトル・ロワイアル』 高見広春 太田出版 1480円 |
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かなり前から、図書館にリクエストしていたのが、ようやくGETできました。いやー、評判通り、よかったです。感動でした(;;)。 書評の通り、少しキワモノな設定。立て続けの殺戮描写。現実の事件が起こると、フィクションの影響にしたがる人々が、これを認めなかったというのも分かります。にもかかわらず、このさわやかさは、何でしょう。中盤から、ラストが気になって、ほとんど一気読み。こう来るかーと思いましたが、後味はすごぶるよかったです。 しかし、人間、銃で殺されるのと、それ以外とでは、残酷さの度合いが全然違うなあ。どこかの心理テストでも、殺戮に対する抵抗感は、その方法によって大きく左右されるという結果になったそうだけど。もしかしたら、それが一番、怖いことなのかも。 |