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<大好きなものたち・2>

〜北海道1〜

 

<序章>

〜8.31アップ〜

初めて北海道と出逢ったのは、まだ青函連絡船がばりばり現役の、昭和時代末期のこと。当時でも既に常識だった海外旅行へは行かず、国内最北の地を大学の卒業旅行に選んだのは、もう運命としか言いようのないことでした。

そう、時は三月上旬、そろそろ春の萌しの上野駅から、夜行列車急行八甲田と連絡船を乗り継いで、17時間かけてたどり着いた函館の街は白く凍てはて、友達と二人、さすが北海道だと感動したものです。けれど、本当の北海道は旭川以北にあると知るのは、それから数日後のことでした。そして、それが私の運命を変えてしまったと知るのは、もっとずっと先、一年も後のことです。

本当の北海道・・・妙な言い回しですが、いかにも北海道らしい景色、とでも言いましょうか。私は見てしまったのです、この最初の北海道旅行で、オホーツクの街、紋別(もんべつ)から、流氷の海に昇る日の出を!!!
一面びっしりと真っ白な水平線・・・いえ、もはや地平線となって果てしなく続く白い平面に、ポッと雲から姿を現した太陽の暖かい光!!それはこれまでのどんな経験からも想像できなかった、言葉にならない景色でした。その壮大な様は、感動など通り越して、ただぼんやりと眺めるしかないもの。刻々と過ぎゆく今という時を、色も風も香りまで、ひたすら総て覚えようと必死でした。
その時、私の心の奥底で、何かが変わっていたのです。不思議なことに、「自分にもまだ可能性があるんだ」そんな思いが沸いて来たのです、壮絶な白い日の出を眺めながら・・・。

一年後、学生時代から決まっていた結婚をして、無難で平凡な生活を・・・していたはずの私、すっかりフリーのままで青春を大謳歌しておりました(笑)。白い日の出の魔力です。でもまさか、ここまで行き遅れるとは思いもしませんでしたけど(爆)。

こうして(?)、その後毎年の夏休みには、別の友人とですが二人で、あるいは一人で、北海道のあちこちを回ることになったのです、しかも七年連続して!!(やっと出来た本当の(笑))結婚をはさんで途切れましたが、四年前には北海道初体験の主人をいきなり雨竜沼湿原(うりゅうぬましつげん)という、暑寒別岳(しょかんべつだけ)中腹にある湿原に連れて行ったりしました(函館や小樽に行きたいと言っていた主人を騙して連れていったのです(爆)。雨竜沼湿原・・・名前に惹かれたのですが、とても素敵な所でした。ご存知の方ってどれくらいいるのでしょう・・・付近の小中学校の遠足の場所のようでしたが)。

そして今年は九度めの北海道。感動はまだまだ衰える気配を見せません。

 

<1998.8.25〜29 道北へ>

〜8.31アップ〜

何もない。何もない何もない、何もなーーーい!@@ どーしちゃったの?ここ!!??@@

稚内市内のノシャップ岬からサロベツ原野へ向かうべく、最も海沿いの通称オロロンラインをレンタカーで走りながら、ずっとこう叫んでいた私、何しろ何もないんです(爆)。目的地まで60キロばかり、でも、電話で聞いたら3,40分で着くなんて言われて、変なのぉと思っていたらさもありなん。100キロオーバーのスピードで爆走しても、まるで何も見えないんだもの! いやあびっくり!@@ 稚内は以前に三度来ていたけれど、バス(少し内部の国道40号を通ります)か電車を使っていたので、こんなに何もない素晴らしい所があるなんて知らなかった!
右から海と、砂浜と、草地、それから一本完璧に整備された道道がまっすぐ伸びていて、左にはまた永遠に草地(牧草地かしらん?)、あとは上半分が曇り空。それだけ。360度見渡せるのに、対向車も遠くの街の影も、ちょっとした建物さえないんですよう、おまけに山も川も、生き物の姿すらちらつかない!!樹木すら、おそらく冬の寒風に耐えられずに生えることをやめているので、背の低い草が生い茂るだけの丘が続くのです!!この何もない風景が素晴らしい(^▽^)。この旅第一の収穫でした。そこで一句・・・じゃない(爆)、どうしても感動は詩の形でしかあらわせないので、突然ですが書いておきます。

<寂しい、心臓を握りつぶされそうな、
あまりに寂しい風景の連続。
何もないことが寂しいのではない、
この景色があることが寂しくてたまらぬ。

ここは、そう、人の魂が帰り着く場所。
生き終えて抜け殻となった魂が、
寄り集まって安らぐところ。
海に揺られ草地に抱かれ、今、
無の風がしゃれこうべとなる。

ああ、そしてこの姿こそ、
私が本当に見たかったもの。
他のどんな土地からも感じ得ぬ、
心を抉られる寂しさの表象。>

このオロロンライン、本当は、晴れていれば洋上に雄大な利尻冨士が浮かぶのです。この日(8/25)はあいにくの曇天でまるっきり見えませんでしたけれど、翌日性懲りもなく見に行った時は雲間から裾野の片鱗が見えました。あう、なんとか雪を頂いた利尻冨士を、青空の下、くっきりと見てみたいものです。夢。
あ、だから実はさっき書いた山も川もないってのはウソ、途中小さな川もありましたし、カモメだっていました。車を止めれば他にも何かいたかもしれません。虫くんはいるでしょうし(笑)。でもねぇ・・・はああぁぁぁ、何もないんですよ、実感としては! 利尻・礼文が見えなくて、かえってそれが強調された感じでした。

(以上、北海道との馴れ初めと、今回最も感じるもののあった場所についてでした。次は旅を初っぱなから追ってみたいと思います!)

  

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