ゴォォ〜〜〜ッ! 令子たちを甲羅に閉じ込めて、竜宮城に向かう舟亀 「ドンガメっ! あんた、いったい何考えてんのよっ! もう、乙姫との件は片がついたはずよっ?」 『乙姫様はおまえたちを許されたが、俺は許した覚えは無い。』 「うっ…! ………で、どうする気…?」 『別に命をとろうとまでは考えていない。 竜宮に住まわせるだけだ。 浦島どのがいれば、乙姫様もお喜びになるだろう。 2号3号は、浦島どのが陸(おか)に帰りたがらないよう癒してもらうつもりだ。』 |
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ゴソゴソゴソ… 船内を何やら捜しまわるシロとタマモ。 舟亀にさらわれた令子たち三人を助けるために使えるモノは無いかと… 「タマモっ! おキヌちゃんのネクロマンサーの笛があったでござるよっ!」 「よかった〜、海に落ちてなくて。 それがあれば、あの亀を調伏できるはずだわ。 美神さんが言ってたもの。」 「そうでござるが…、でもあの亀がどこに行ったかわからなければ、使えないでござるよ…?」 「そんなのわかってるわよっ! あんたも、捜し方を考えなさいよっ!」 「うぐぅ〜… 拙者、陸(おか)ならどこに行っても捜せる自信はあるんでござるが… 拙者、海の妖怪ではないでござるから…」 「う〜ん、そうよね… 海のことは海の妖怪じゃないと… あっ! そうかっ!」 「なんか思いついたんでござるかっ!? タマモっ!?」 「うんっ! だから、海のことは海の妖怪に聞けばいいのよっ!」 「そりゃそうでござるが、拙者、海の妖怪に知り合いはいないでござるよ?」 「私だってよっ! でも、海の妖怪に化けて話を聞くことぐらいなら出来るわっ!」 「なるほどっ! タマモが舟幽霊とかに化けるんでござるなっ!?」 「舟幽霊? なんであんなバカに化けなきゃなんないのよっ! 『ひしゃくをくれ〜』としか言えないヤツに化けても意味ないじゃないっ!」 「じゃあ、なんに化けるんでござるか?」 「決まってるでしょ? 人魚よっ!」 ボヒュンッ! 人魚に化けたタマモ。 「どう? これなら人魚に見えるでしょ?」 「ま、まあ…、そうでござるが…」 「ん? なんか変なとこあるの…? 上半身まで化ける必要はないと思ったんだけど…」 |
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「いや…、その…、 ノーブラはまずいでござるよ…?」 「なんで? 別に誰に見られるわけでもないのに。」 「だって…、その…、 この作品、挿絵つきでござるよ?」 「え゛っ!?」 かぁ〜〜〜っ!! コソコソコソ… 恥ずかしそうに水着のブラジャーをつけるタマモ… ああ、残念… |
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「こっ、これでいいかなっ!?」 「うん、いいでござるよっ!」 「じゃあ、聞いてくるわね。」 「あっ! ちょっと待つでござるっ!」 「今度は、なんなのよっ!」 「海の妖怪を捜してから潜ったほうが早いでござるよっ!」 「そうだけど… どうやって捜すのよ…」 「ほらっ、霊群探知機があるでござるよっ!」 「………、あんた、使えるの…?」 「た、たぶん…」 あ〜でもない、こ〜でもない… わ〜わ〜ぎゃ〜ぎゃ〜… 「あ〜もう、小難しい機械なんて大っキライっ!」 「拙者も好きではないでござるが…」 それでもなんとかマニュアルを読みながら使ってみる二人。 ちょこっと船を走らせてみて妖怪の反応のあったところで船を止める。 「この反応だと弱そうな連中ばかりだけど、話を聞くだけだから丁度いいかも。」 「先生たちの行方がわかっても、拙者を置いて一人で行くでないでござるよっ!?」 「わかってるわっ!」 じゃぼんっ! 船にシロを残して海に潜って行くタマモ。 『へぇ〜、下半身が魚だと、やっぱり泳ぎやすいわね。 次からこうすればいいのね。』 尾びれの調子が良くて、遠くまで泳いでみようかと思ってるタマモ。 でも霊群探知機は正確で、すぐに妖怪たちに出会うことに… ぼそぼそぼそ… 『あの人魚のおねーさん、キレイですねっ!』 『うん、とってもっ! あっ、ボクたちを見てるみたいだよっ! テレちゃうなぁ〜』 てへっ! 数匹のメロウたちが人魚姿のタマモの噂をしている。 『あんたたち、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。』 『えっ!? ボ、ボクですかっ!?』 『そうよ。』 『い、いや〜、モテちゃった〜 てへっ! ボク、メロウのカナちゃんです〜!』 『………、あんたの名前はどうでもいいんだけど… 私は亀を捜してるのよ。』 ガ〜〜ンッ! どよよ〜ん… しくしくしく… 『ボ、ボクより亀がいいだなんて… 亀なんて、抱いても硬くてつまんないのに… おねーさん、ひどいよ…』 『………、私が捜してるのは竜宮の亀で、知人がそいつにさらわれたからよ。』 『えっ!? 亀が好きなわけじゃないんですねっ!?』 『あたりまえよっ!』 『ああ、よかったっ!』 『それじゃあ、私に亀の行き場所を教えてくれる?』 |
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『ボ、ボ、ボカァ〜もうっ! ボカァ〜もうっ!』 『わっ!? あんた、何よっ!?』 『あ、ずるいぞカナちゃんっ! ボクも我慢してたのに〜っ!』 『ボクもっ!』 『ボクも〜っ!』 『きゃぁ〜〜っ!? あんたたちって、横島かぁ〜〜っ!?』 スリスリスリっ! 興奮してタマモに身体をすりつけるメロウたち… ああ、うらやましい… |
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その様子を眺めていた別の妖怪が、なにやら大急ぎでその場を離れて行く… 『みんな〜、大変だぁ〜っ! 美人の人魚が現れたぞ〜っ!』 『えっ!? ほんとっ!?』 『ママより美人なのっ!?』 『うんっ! あんな美人な人魚、初めて見たっ!』 『わ〜! そんなすげ〜美人、見てみたいっ!』 『みんなで、見に行こうぜっ!』 『そうしようっ! そうしようっ!』 ズイッ! 『ちょっと待ちなさいっ!!』 『うっ… ママ…』 ビシバシバシッ!! 『あんたら、い〜加減にしなさいっ!!』 『ひどいよ、おねーさん…』 しくしくしく… タマモにひっぱたかれて、退散するメロウたち。 でも、1匹は捕まっていて… 『あんたっ! 亀の居場所を言うのよっ!!』 『うぐぅ〜 苦しい〜 言うからボクを殺さないでぇ〜』 そこにやってきた人魚のナミコっ! 子供たちを引き連れて… 『ちょっとあんたっ! 何考えて、こんなとこに居るのよっ! このナミコのシマを荒すとはいい度胸じゃないっ! もしウチの人にちょっかいだしたら、ただじゃ済まないからねっ!』 ギロリッ! タマモを睨みつけるナミコっ!! 『えっ? 本物っ!? 私は人魚に化けてるだけで、あんたの縄張りを荒しに来たんじゃ無いわっ!?』 『うそおっしゃいっ! どう見ても人魚だわっ!?』 『ほ、ほらっ! これが、私の真の姿よっ!』 ボヒュンっ! 人魚からキツネ姿になったタマモっ! 『あら、ほんと… えっ!?』 『あっ…!』 ぶくぶくぶく… 沈んで行くタマモ… 尾びれで泳いでいたのにキツネ姿にしたもんだから… ボヒュンっ! あわてて人魚姿に戻るタマモ… 『ど、どう? これでわかったでしょ?』 『ええ。 あなたが、かなりマヌケな妖怪だってことはわかったわ。』 『うっ…!』 『でも、あなたが人魚に化けてた意味はわからないわ。 どうしてなのよ。』 『それは…』 事の顛末をナミコに話すタマモ。 『ふ〜ん、つまり亀のいる竜宮城に行きたいのね? いいわ、行き方を教えてあげるっ!』 『えっ!? ほんとっ!?』 『あんたにこのまま人魚姿で私のシマを泳ぎまわられたら、うちのダンナの浮気の虫がまた動き出しちゃうからねっ!』 『そ、そうなの…』 で、シロを呼びに船に戻ってきたタマモ。 『シロ、行き先がわかったわよっ! えっ!? あんた、なんて格好してるのよっ!』 「拙者、タマモのように長時間潜れる自信がないでござるから…」 『まあ、いいけど…』 スキューバダイビングの道具を身につけていたシロ… もちろん、船が沈没したとしても自分だけは助かるために、令子が用意していた代物だ… 一方、竜宮城では… ムッス〜… 牢屋に閉じ込められている令子とおキヌ… 「美神さん…、どうしましょう…?」 「どうするもこうするも、こっから逃げ出してドン亀を調伏するしかないわ。 ん…、どうやら見張りはいないみたいね…。 それなら逃げるのは簡単だわ。 おキヌちゃん、幽体離脱するわよっ!」 「えっ? あ、はいっ!」 ボヒュ、ボヒュンッ! 幽体離脱した二人。 『まずは横島クンを使えるようにしないとねっ! あいつが自由に動ければ、文珠で亀を調伏できるわっ! そうすれば、私たちの身体も牢屋から脱出できるわよっ!』 『はいっ! わかりましたっ!』 で、横島はというと… 「おいっ、亀っ! 俺は客だろっ!? なんで縛られなきゃなんねーんだよっ!」 『乙姫さまは、ただいまお昼寝中です。 そのあいだ浦島どのを自由にすると、2号3号を助け出すやもしれません。 大人しくしていただくために、いましばらく辛抱してください。』 「くっ…! じゃあ、なんかやって俺を楽しませろっ!」 『いいでしょう。 タイ、ヒラメっ! 浦島どのの接待をするのだ!』 ちゃんか、ちゃんか、ちゃん。 あっ、そーれっ! 踊る、タイやヒラメな魚たち。 「あっ! おねーちゃん、かわいいっ! こっちにおいでよ、名前なんてーのっ!?」 『私はアマダイですけど…』 「アマダイちゃんっ! ねっ!ねっ? せっかくだから、服を脱いで… ぶっ!?」 ドゲンッ!! 『なにやっとるかぁ〜っ! 貴様はっ!』 「えっ!? 美神さんの霊体…っ!?」 『おキヌちゃん、こいつの縄をすぐにほどいてっ!』 『はいっ!』 『横島っ! あんたは、文珠で亀を調伏するのよっ!』 「へ〜い…」 『なっ!? これは、2号3号の霊体っ!? いったい、どういうことだっ!?』 「もうちょっと遊んでいたかった気もするけど… 文珠〜っ!!」 キィ〜〜ンッ! ズバァ〜〜ッ!! すってん、ころん… ジタバタバタ… 横島の文珠で、(倒)されてしまった舟亀… 『くっ! 潜望鏡が引っ掛かって起き上がれないっ!!』 『よくやったわっ! 横島クンっ! あんたは、おキヌちゃんと一緒に私の身体を牢屋から出してきてくれるっ!?』 「えっ? 美神さんは、どうするんスかっ!?」 『私は霊体のうちに、前回持って帰りそびれたお宝を探してくるからっ!』 「………、あんたなぁ〜…」 しばらくして…、ナミコに教えられて、ようやく竜宮城にたどりついたシロとタマモ… 「先生っ! 助けに来たでござるよっ! 先生、どこでござるか〜っ!?」 「シロっ! あっちの方から美神さんの声が聞こえるわっ!」 「わかったでござるっ! 急いで助けるでござるよっ!!」 でも… 「え…っ? タマモ…、何が起こってるんでござるか…?」 「さあ…? おキヌちゃん…、これってどういうこと…?」 「あっ! シロちゃん、タマモちゃんっ!」 ビシ〜〜ッ!! バシ〜〜〜ッ!! うぎゃぁ〜〜〜… 「ドンガメっ! あんた、いったいお宝をどこにやったのよっ!?」 『い、いえ…、その…、竜宮城が崩れたあと、どこにやったかは覚えてなくて… うぎゃぁ〜!?』 「きぃ〜〜っ!! ウソをつくな〜〜っ!!」 宝のありかを聞き出すために、舟亀を拷問する令子… |
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「シロ、タマモ。 ま、そういうわけで、美神さんがお宝を手に入れるまで帰れそうもないから…。」 「………、この場合、拙者は亀を助けたほうがいいんでござろうか…?」 「………、でも、亀を助けると竜宮城に拉致されるんでしょ…? 御伽噺(オトギバナシ)だと…」 END |
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