金魚の病気を治そう(その19)

アエロモナス病治療日記(1)


 私の飼育水槽は、通常、日曜日に水換えを行います。換水割合は、その週の水
温、与えた餌の量、金魚の体調などによって 1/10から1/3まで幅広く変化させ
ます。また、2、3日に一度くらいはフィルタ装置の水量などを点検しますし、
病気かも?と疑われるときは、一握りの塩あるいは純ココア極少々をパラパラ
と放り込むことで致命的な病気を回避しています。
 さらには(滅多にありませんが)金魚のエラがぱくぱくしていたり片閉じし
ているのを発見したら、すかさず0.5%のきれいな塩水を作り、それをベースに
イソジン5分浴を1〜2日毎に繰り返すという簡易治療を行うときもあります。
 こうした習慣はもう十年以上続けていて、その間、一度も金魚を落としたこ
とはありません。

 ですが人間というものはどうしても失敗は付き物です。欠かさず続けてきた
水換えもやむにやまれぬ家庭の事情で1年に何度かは失念してしまうときもあ
りますし、金魚が病気のサインを出しているのにそれに気付かず1ヶ月近く放
置してしまうことも・・・。

 このコラムは私が最近経験した病気治療記録を日記風にご紹介したいと思い
ます。あらかじめ申し上げておきますと、今回は運よく全快しましたが、ここ
に書かれたとおりにやれば必ず治るというものではありません。また、アエロ
モナスに罹患した病魚の場合は特にほんのちょっとしたタイミングのズレで金
魚を落としてしまうこともあるでしょう。何といっても一番大事なことは“少
ない餌の量と定期的な水換え”によって病気を予防すること――これが金魚を
長年健康に飼育する秘訣なのだという点をゆめゆめ忘れてはなりません。


ある金魚飼育者の日記

○月1日 病気発見

 久しぶりに驚いた。いつも餌をクレクレいっていた更紗のリュウキンが珍し
く底に沈んだまま身動きしない。これは・・・?
 私は思わず水槽に目を近づけてじっくりと観察してみた。
「あぁ〜、やっちゃった!」
 リュウキンの腹が異様に膨らんでいる。しかも腹は内側から黒ずんだように
なっており内部で糞が詰まっているような気配がある。
 さらに両眼はぼっこりと飛び出していて、どう見ても“ポップアイ”――
 松かさ病の可能性が高いと思い、ウロコの様子を色々と角度を変えて見てみ
た。照明不足ではっきりとはしないが、表皮の大部分が反り返っているように
見える。また、ウロコが数箇所、不自然に赤らみ、顕著な肌荒れ状態。
 明らかにアエロモナス菌による赤班病、さらには腹部膨満とポップアイを伴
った松かさ病である。
 何でこんなになるまで気付かなかったのか・・・。

 しかし今はもう夜の11時過ぎ・・・。家族は皆寝静まっているし、今から
ザバザバとバケツ作業をする元気はない。とはいうものの、細菌がたっぷり繁
殖していると思われる水槽水をこのままにしておくことは他の金魚への感染の
危険が高いと考え、この日はとりあえず 1/4くらいの換水を行った。明日さら
に1/3換水をやれば合わせ技でちょうど1/2の換水量になる。

 就寝の前にやっておくべきことで、もうひとつ大事なことがある。それは明
日以降頻繁に使うことになる真水を準備しておくことだ。これを怠るとせっか
く治療の労をとっても結局頓死させてしまうことになる。
 何はともあれ、まずは浄水器を通して塩素とトリハロメタンを抜いた水道水
をバケツに10リットル用意し、さらに、そこにゼオライト(注:麦飯石でも
よい)と安物のブクブクを投入した。水道水中の不純物を可能な限り除去する
目的である。それから後々水温合わせで困ることのないよう予備のヒータを放
り込み、大元の水槽温度と同じ設定値に合わせた。

 水槽を除くと、さっき応急的にやった水換えのせいか、他の十数匹の金魚は
嬉しそう(な感じ?)だった。だが病気のリュウキンはぴくりとも動かない。ウ
〜ンこれはやばい・・・。【つづく】