3日目


1995年7月19日(水)
首都リマから飛行機でクスコへ。クスコからウルバンバ着。昼食後は自由行動。ウルバンバ泊。


(朝)
ま お:♪朝だ あ〜さ〜だ〜よ 幸せ〜な朝……じゃなくて。昨日は寝ていた時間に、じゃないよ、これから寝ようという時間にちゃんと3時に起きて起きて準備をしている私たちってエライ。昨日はまおは、自分の日記を11時30分までかけて書いて寝ました。えらいなあ、えらいなあ。
MAA:すでに、荷物を詰めるのに四苦八苦している私。いったい帰りはどうなるのでしょうか。
ま お:うわはははは。
MAA:もうかさばるお土産はやめよう。なんとか減らそう。マジにズボンを1本捨てるはめになるかもしれない(笑)
ま お:そんなギリギリに持ってきたのか。
MAA:あはははは。


 ということで、本当に3時に起きた私たち。ホテルも移動なので、4時にはバゲージ・アウトし、まだ暗い中で朝食をとりました。こんな時間でもきっちり食べましたよ(笑) ホテルのカジノは朝6時まで開いているので、夕べから引き続き遊んでいる客もいたようです。もちろん、私たちのツアーにはいなかったと思いますけどね。4時45分にはバスへ乗り込み、夜もあけないうちにリマの空港へ到着。けっこう人がいて、賑わっている空港内。6時に出発しました。飛行機の席割りが、ツアーが大人数のせいですべて希望通りというわけにはいかないということで、往きが隣同士だったら帰りは別々、みたいな交代になります、といわれました。
で、私たちはこの国内移動が隣同士だったんで、きっと帰りはまた別々の席だね、と話していました。でも乗っている時間がかなり違うので、なんか納得できないものも感じてたんですが(笑)
 飛行機が飛び立ったときはまだ暗かった空も、そのうちに明るくなってきました。飛行機で夜明けというのもオツですね。飛行機の窓から撮った写真がありますが、雲海とか、すごく綺麗です。1時間の飛行中に軽食が出ました。
 7時クスコへ到着。天気はとても良いのですが、寒い。日陰に入るとグッと冷え込む感じです。さすが標高3400m!(2日目の対談でまおが3800と言ってますが、ガイドブックには3400と書いてあった) バスでクスコ市内へ移動。通りすぎる道にはカラフルな高架があって、たしかガイドさんが昔使っていた水道橋だと言っていたと思うんだけど…ちょっと自信なし。写真はバッチリとっております。白壁の建物が多くて、気分が出てました。ガイドさんから注意事項として、走ったり激しく動いたりしないことを言い渡されました。山登りしてるわけじゃないけど、この高台ですから、高山病が心配されるんですね。高山キャンディという原理はよくわからないものもいただいて舐めました(笑) こんなんで予防になるのか? 高山病になってしまった場合は水分をよくとり(マテ茶というコカの葉のお茶がいいらしい)、あったかくして安静にしていること。酸素吸入が手っ取り早いらしいですが。飲酒も普段の3倍くらい酔いがまわるので注意しましょう。クスコは明日の宿泊場所、今日は通り過ぎるだけでウルバンバという街へ向かいます。


(夜)
MAA:どこですか。
ま お:ここは昨日、昨日じゃない、今日の朝っぱらから、リマからクスコに1時間飛行機に乗って、夜明けもバッチリ見て、そこからウルバンバっちゅー泊まりに来た場所です。はっきり言って。高山に慣れようねーっていう所で。
MAA:策にはまって寝てしまった私たち(笑)
ま お:そう。午前中は…なんかね。
MAA:うん、移動しつつ……
ま お:ウルバンバまで行くのに、なんだっけ、チンチェーロ? ていう、なんか別に…急に「遺跡です」って言われて止まったんだけど、土産物も売っている村で。MAAは「かさばりたくなーい」とか言ってたクセに、セーターしっかり…
MAA:2枚も買って(笑)
ま お:私は子供用のオカリナと、人に頼まれたベストを、値切りに値切って買いました。でも、そんなに値切ってないよね。
MAA:値切ったよ、十分……
ま お:10$が、7$と1ソル……7.5$くらいになったんだけど。だって最後のバスの近くんとこまで降りてきて、売る売る売る売るとか言って。で、私が最初「5$、5$」とか言ってたんだけど、「10$、10$」から8$まで落ちたんだけど、それ以上は全然下げなくて、「じゃ、いらない!」って言ったら、やっぱり売りました。


 まっすぐウルバンバに行くかと思いきや、途中で舗装されていないボコボコの土の道へ入り、「インディオの村?」という場所へ。虹という意味のあるチンチェーロ遺跡でした。ガイドブックによると「標高3762m、日曜市で名高いローカル・カラーを濃厚に残す小村。かつてはインカ帝国の重要な中心地の一つで見事なインカの石壁が残っている」とあった。うーむ、ぜんぜん知らなかった(笑) 確かに石壁や石段がいっぱいありました。その階段を登るのが一苦労で……すぐに息切れがするんですよね。まおは元気いっぱいだったけど。ここはなんといっても景色が素晴らしかったです。山の上なんで、ぐるっと360度どこを撮っても絵になる。緑と茶色が半々くらい(ちょっと茶色が勝ってたかな)の地面と、色濃い青空に真っ白い雲が点々と浮かんでる。それが強烈な太陽の下で、すごく色がくっきり見えるんですよね。今も機能しているかどうかはわからないけど、多分教会だろうと思わせる建物もありました。土台が石組みで、その上に、なんだろう…土壁かな? 色あせた赤茶の壁。こういった建物はスペインの侵略の跡なのです。土台だけはインカ帝国の石壁、その上に本来あった建物を壊してスペイン風の建物が造られたらしい。
 インディオの主食の一つがジャガイモ。ジャガイモを 干したチューニョという保存食がある。その作り方は、広々とした場所にジャガイモを敷き詰めて、干す。言ってみればこれだけなんだけど、アンデスの高地では空気の層が薄いため、昼間は強烈な太陽が照りつけ、夜は骨の髄まで冷えこむのだ。で、その昼夜の温度差を利用して作られるのがチューニョ。その村にもいーっぱいゴロゴロと干してあったんだけど、一見動物のフンに見えてしょうがないんですね。真っ黒なんだもん。でも中は真っ白なんだけど。ジャガイモやトウモロコシ(これも主食の一つ)は、このアンデスが原産地だそうです。
 で、広場には市がたっていました。市といっても売り子のおばさんが地べたに座って、その前に売り物を広げているという、フリーマーケット状態。目をひくのは、やはりいかにもあったかそうなアルパカやリャマのセーター。もちろんすべて手編みです。ここの売り子さんは、とっても積極的でした。
 それぞれ思い思いにお土産を買い、みんな満足してバスへ。ガイドさんが「あれ食べました?」というから、何だ何だ?と思ったら、どうも市の人がサービス?で配っていた食べ物のことらしい。じつは私、土産を物色しながら、すごく気になってたんですよね。お皿になんかの肉の煮たんだか焼いたんだか揚げたんだかした料理が盛ってあったんです。でも勝手に食べていいものかどうかわかんないし、まおは全然肉には興味ないので気にしないし(笑) 結局諦めたんだけど、やっぱり食べてよかったのかー! それはモルモットの一種のクイという動物の肉をから揚げにしたものだったらしいんだけど、インディオにはけっこうご馳走らしいんです。めったに、というか、日本じゃ食べられないものなのに……図々しく食べときゃよかった、と後悔しきりのMAAでした。


ま お:今日はすごーくお腹いっぱいの一日で、私は別に高山病の気はないんだけど、この満腹感だけが、なんか高山病かもしれないと思うけど、でもかなりの量食べてるから、どのせいか良くわかんない(笑) 今日の夕食は、かなり少なく……食べました。
MAA:お前は食べられるもんがなかったんだろー!! せっかくおいしい白身魚のフライが出たのに、まおは全部残した。
ま お:少し食べたじゃん。
MAA:ほんの、もう耳かき1杯って感じ? あはは……あいたたたた、ツった!
ま お:あはははは(笑)
MAA:ここはまおの家みたいな天井で、別に天井そのものは似てないけど、斜めなんだよね(当時まおが住んでいたアパートは天井が屋根裏部屋のように斜めだった…うーん、なつかしい)。
ま お:白壁造りで、8部屋か10部屋ぐらいずつ棟が違って。なかなか、木造りも古そうになってて電気とかもけっこうキレイなんですね、これが。いいですね。そしてこのホテルにお昼に着いてから、「さあ、ちょっとだけ寝てから、外に遊びに行くぞー!」なんて思っていたのに。時間が5・6時間もあったから、そのつもりだったのに。も、寝たら……
MAA:あっはっはっは!
ま お:6時になっちゃって、もう暗くって写真も撮れない。もう、そのまま夕食に行きました。
MAA:なだれ込み。
ま お:なだれ込みー。悲しー。
MAA:家で、軒下に赤い旗が立っている所は、チチャを売っているよっていう印で……
ま お:チチャとは?
MAA:トウモロコシを発酵させたお酒です。
ま お:ビールとワインみたいな、その中間のような……
MAA:中間……でも、ドブロクみたいな感じって誰か言ってたよ。
ま お:ドブロクはピナコラータじゃないの?
MAA:それはなに?
ま お:わかんない……あ、チチャか! あーそっか、あれだ、天野博物館のガイドさんが言ってたよね。
MAA:ああ、そーだそーだ。で、そのチチャを試してみようと思っていたのに、起きたら「……暗い」とかいう感じ。
ま お:MAAは酒のことばっかり(笑)
MAA:あははっ、でもさー、表を見たかぎり、そんな撮る所なかった気がしない?
ま お:えー、ホテルん中きれーそーだったもん。
MAA:あ、ホテルはね。でも教会は撮ったじゃない。
ま お:南十字星がとても綺麗に見えて、「あーあれだ、あれは本物だ」と言いながら見ました。なんか、フンが干してあると思ったらねー、ジャガイモが干してあったんだよーっていうのは、さっきのチンチェーロ遺跡。
MAA:だから、あれがインカの保存食。
ま お:そうそう、インカの保存食で、チューニョ? チューニョス〜みたいな名前の(笑)
MAA:あれを水に戻すと白くなる。
ま お:そう、すばらしい。パチパチパチパチ。
MAA:なんだかな、この人は。
ま お:それとバスで道をね、クスコから走ってる間に、壁に魚やらホーキやら、あと数字がでっかとあって、一応なんか字も書いてあるのが、ほんとーに壁いっぱいにぐぁ〜っと。
MAA:私はなんかの宣伝かなーと思ったんだけど。
ま お:私は落書きかなーと思ってた。同じ人の。どうやら選挙ポスター代わりの、宣伝なんですね、実は。
MAA:字、書けない人がまだいるから……
ま お:書けない前に、読めない人がいっぱいいるから、魚の29番とか、ホーキの何番とかゆーので、投票できるようになってる。魚書いた人は、選挙前に魚を一人1匹ずつあげたという話だけど、それはワイロ?(笑)
MAA:あと、山肌に、エル……なんだっけ。
ま お:711。
MAA:違う、711のほうじゃなくて、エル・ペルーなんとかって書いてある…ペルーに栄光あれ、万歳!みたいな意味だって言ってたよね。
ま お:ああいうのどこでも書いてあんだよね、山肌に。なんだ、おめーらぁ、みたいな。
MAA:山肌にいっぱい書いてあるよね。お絵かき帳じゃねんだぞーという感じだよね。なんかそんで、711とかいうデカイ数字が書いてあって「何ですか?」って聞いたら、「あれは711番目にできた学校」とか言って。700個もあれ書いてあんのか!? みたいな(笑)
ま お:そう、ちなみに隣には712。ハンパな大きさじゃないんだよね。
MAA:そんなに711番って特別なの?って感じだよね。あと、ホテルの近くに川が流れてて。割と広い川。
ま お:ガイドさんがマス釣り。それから、やっぱり寒くて乾燥しています。MAAがハンドクリームを塗ってます。なんかもう眠りの態勢のMAA。
MAA:何時間寝たことになるんだろう、昼間は。
ま お:悔しい。くやし〜い! 絵はがきも書こうと思ってたのに。でも、本当の観光は明日から本格的に入ります。明日はクスコとクスコの周りへ行って、明後日はマチュピチュだし、それからウロス島へ行って、チチカカ湖見て、ナスカの地上絵見て。すごいまとまり方だなー。後半そんなに疲れさせてどうするって感じなんだけど。まあ、でも楽しみだな……カカカカカ(笑)
MAA:もう寝てんじゃないの、頭が。
ま お:私はまだ日記を書かなきゃいけないのよ。
MAA:私もハガキ書こう。
ま お:じゃあ、ちょっと書く作業に入る二人。


 そう、なんともショックなことに、観光旅行中にたっぷり4時間は昼寝してしまった私たち(泣) 私にとっては、この数時間はかなり重要なロスになりましたねー。なぜかといえば、この後……うう、それは後のレポに書きましょう。
 ウルバンバのホテルへの道中、停車したりバスの中から見たりで、けっこう景色を楽しみました。山肌に遠くからでもよく読める字がたくさん書いてあったですね。よく花文字とかで「ようこそ○○へ!」なんて書いてあるじゃないですか。あのノリ。「ペルーへようこそ」はわかるけど、711とかの番号はなんだったんだろう。本当に学校の記念文字だったら笑うな。それから道路へりの壁なんかにペンキのスプレーかなにかで書いたような落書き(にしか見えない)もいっぱい。選挙宣伝ポスターの代わりってことだけど、あれ選挙終了しても消えないのでは……。
 途中、昼食のためによったレストランで、これでもかというほど食べました。この辺から、あんまりお腹へらなくなってきてたんですよね。標高のせいなのかなあ。やたら飲み物ばかり飲んでいた気が。飲み物といえばインカコーラ。色がバスクリンのような透明な緑なんですね〜。味もあんまりコーラっぽくない。まおは「おいしい」と飲んでましたが、私はちょいパスでした。マテ茶のがうまいよ(笑) レストランで飼っているオウムやアルパカと一緒に記念撮影。しかしこのアルパカがなんか機嫌悪そうで、近寄りがたい。まおは平然と近くに寄っていくので、見てるこっちがハラハラしました。どうせ私は臆病よ!
 ホテルは高級な別荘のような感じでとってもステキなところでした。白壁に木のドアってのが雰囲気あっていいんですよ。またインテリアがなかなか細かいところまで凝っていて、鹿の首の剥製とか、馬につける鞍とか、ロウソクの燭台とか、いろいろ壁に飾ってあったりして。ボーイさんも英語まじりにしゃべったりして、ちょっとハイソな感じ。
 自由時間いっぱいを使って昼寝してしまったので、まるで空腹の気配なく夕食になってしまいました。んでもなんとか一通り手をつけ、せめても……ということでホテル中庭から夜空の南十字星をながめました。星空はとっても綺麗でした。


MAA:夜も更けて参りました……てもまだ11時だけど。某友人にとっては宵の口ね。でも、もう眠くてたまらん。今日は昼間、さんざん寝たはずなのに。だんだん冷え込みも……けっこうきてるよね。寒いぞ、私。
ま お:私、半そでなんだけど。
MAA:あははっ、半そでの人に言うんじゃなかった。寒いんだよな、マジに。カイロ貼ろうかなあ。絵はがきを1・2枚書いてダウンしてしまいました。まおはまだセコセコと書いております。明日は何時起きだ? 6時半ですか。もう寝よう。では、なんだっけ「おやすみなさい」は……もう忘れてる。
ま お:ブエノス・ノーチェス。