Filmography 1954 - 1962

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夏の嵐

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SENSO
LIVIA WANTON CONTESSA [再]

製作年度:1954 年
製 作 国:伊
上映時間:126分

監督■ルキノ・ヴィスコンティ
製作■ドメニコ・フォルジェス・ダヴァンツァーティ
原作■カミッロ・ボイト 『官能』
脚本■スーゾ・チェッキ・ダミーコ/ルキノ・ヴィスコンティ
脚本協力■カルロ・アリアネッロ/ジョルジョ・バッサーニ/ジョルジョ・プロスペーリ
英語台詞■テネシー・ウィリアムズ/ポール・ボウルズ
撮影■G・R・アルド/ロバート・クラスカー
音楽■アントン・ブルックナー 『交響曲七番』/ジュゼッペ・ヴェルディ 『イル・トロヴァトーレ』
音楽指揮■フランコ・フェルラーラ
音楽演奏■RAI・TVオーケストラ
編集■マリオ・セランドレイ
美術■オッタヴィオ・スコッティ/ジーノ・ブロージョ
衣装■マルチェル・エスコフィエール/ピエロ・トージ
助監督■フランチェスコ・ロージ/フランコ・ゼッフィレッリ
製作会社■ルックス・フィルム
備考■テクニカラー
日本公開■1955年

 

出演■
アリダ・ヴァリ
ファーリー・グレンジャー
マッシモ・ジロッティ
ハインツ・ムーク
リナ・モレッリ
クリスチャン・マルカン
マルチェッラ・マリアーニ
トーニオ・セルヴァルト
セルジョ・ファントーニ

夏の嵐

 だって原題が「官能」(19世紀末のカミッロ・ボイトの短編小説が原作)だもの、もう、その通り。オペラ座の舞台から始まる、この絢爛たる恋の絵巻は、後期のヴィスコンティの耽美趣味が既に顔をだしながらも、やはりネオ・レオリズモで鍛えた直截な描写力が活きていて、全くヴァイタルなメロドラマになっている。
 1866年、オーストリア軍占領下のヴェネツィアで観劇中の軍の将校と抗戦運動の指導者の侯爵との間に決闘騒ぎが起り、それを諌めに入った伯爵夫人は、従弟である侯爵を流刑にされながらも、その美貌の将校に狂おしく恋をする。再び戦争が勃発し、密入国した侯爵は従姉のもとを訪ね軍資金の保管を依頼するが、夫人はその金を、将校に軍籍離脱の賄賂のためにと渡してしまう。祖国は敗れ、ヴェロナにいる彼の元に馬車を急がせた夫人の見たものは・・・。
 薄汚れた姿で恋人を探して兵舎を訪ね回る夫人=アリダ・ヴァリの激情は、トリュフォーの「アデルの恋の物語」のイザベル・アジャーニの比ではない。
G・R・アルドと彼の死(「揺れる大地」からのカメラマンで、撮影中に交通事故死)で途中交代したR・クラスカーのキャメラのゴージャスさ、全篇に響き渡るブルックナーの第七番。これぞイタリア映画というボリュームで観る者を圧倒する、ヴィスコンティの最高傑作。

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白夜

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LE NOTTI BIANCHE
QUATER NUITS D'UN REVEUR

製作年度:1957 年
製作国:伊
上映時間:107分

監督■ルキノ・ヴィスコンティ
製作■フランコ・クリスタルディ
原作■フョードル・ドストエフスキー
脚本■ルキノ・ヴィスコンティ/スーゾ・チェッキ・ダミーコ
撮影■ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽■ニーノ・ロータ
編集■マリオ・セランドレイ
美術■マリオ・キアーリ/マリオ・ガルブリア
衣装■ピエロ・トージ
助監督■リナルド・リッチ
製作会社■CIASヴィデス/アンテルモンディア
備考■白黒
日本公開■1958年

ヴェネチア国際映画祭 1957年 第18回
サン・マルコ銀獅子賞授賞 ルキノ・ヴィスコンティ

出演■
マルチェロ・マストロヤンニ
マリア・シェル
ジャン・マレエ
クララ・カラマイ
マルチェラ・ロヴェーナ
ディック・サンダース
マリア・ザノッリ
フェルディナンド・グエルラ
レオニルデ・モンテージ
アンナ・フィリッピーニ
ロマーノ・バルビエーリ

白夜

 貴族の側に立つにしろ、プロレタリアートの代弁者になるにせよ、ヴィスコンティの視線は常に冷ややかに透徹していたが、この悲恋物語は雪に閉ざされ残酷な結末が用意されているにも関わらず、ほのぼのと暖かい印象で胸に残るのは、即ち、主人公の青年(マストロヤンニ)に対し注ぐ彼の温かな眼差しゆえに他ならない。
港町で青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は橋上でたそがれる一人の娘ナタリア(マリア・シェル)を見初める。一年前に再会を約束した恋人(ジャン・マレエ)を毎晩そこで待ちわびているのだ、と言う彼女、ナタリアをなんとか踊りに誘い出すマリオ。R&Rに合わせ愉快に踊って笑わせた後、曲は主題歌“スクーザミ”に替ってチーク・タイム。喜びに輝く青年の表情を見るうち、娘の心も彼に傾きかけたが、肩に回した彼の腕時計が無常に時を刻むのをふと目にし、その秒針の音にせき立てられるように橋上へ再び駆け出してゆく。しかし、待ち人はいない。降り始めた雪の中、追いかけてきたマリオと静かに語らうと心は休まった。そして夜は明けるが・・・。
すべてが、セットという箱庭に咲かせた愛の白い花のごとき印象。ロトゥンノのカメラはこの人工美に確かな命を吹き込んでいる。

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若者のすべて

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ROCCO E I SUOI FRATELLI

製作年度:1960 年
製作国:伊=仏
上映時間:180分

監督■ルキノ・ヴィスコンティ
製作■ゴッフリード・ロンバルド
原作■ジョヴァンニ・テストーリ『ギゾルファ橋』
原案■ルキノ・ヴィスコンティ/ヴァスコ・プラトリーニ
脚本■ルキノ・ヴィスコンティ/スーゾ・チェッキ・ダミーコ/パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ/マッシモ・フランチオーザ/エンリコ・メディオーリ
撮影■ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽■ニーノ・ロータ
編集■マリオ・セランドレイ
美術■マリオ・ガルブリア
衣装■ピエロ・トージ
助監督■リナルド・リッチ
製作会社■ティタヌス/フィルム・マルソー
備考■白黒
日本公開■1960年(140分で公開)

ヴェネチア国際映画祭 1960年第21回
審査員特別賞授賞 ルキノ・ヴィスコンティ
国際映画評論家連盟賞授賞 ルキノ・ヴィスコンティ

出演■
アラン・ドロン
アニー・ジラルド
レナート・サルヴァトーリ
クラウディア・カルディナーレ
カティーナ・パクシヌー
ロジェ・アンナ
パオロ・ストッパ
スピロス・フォーカス
マックス・カルティエール
ロッコ・ヴィドラッツィ
コラド・パーニ
アレッサンドラ・パナーロ
アドリアーナ・アスティ
シュジー・ドレール
クラウディア・モーリ

若者のすべて

 巨匠ヴィスコンティが悠揚迫らぬタッチでつづる、兄弟愛の大ロマンである。
南部で貧窮にあえいでいたパロンディ家は、先に北部の大都市ミラノに出稼ぎに来ていた長兄ヴィンチェを頼って、老いた母と兄弟4人でやって来る(冒頭、広大なミラノ駅をガラス張りの天井越しに眺める俯瞰ショットが小さな母子たちをパンして捉える。大作の予感が充ち満ちる)。長兄には同郷出身の婚約者ジネッタ(カルディナーレ)がいたが、田舎出の彼らに対する風当たりは厳しい。
そして、次兄シモーネ(サルヴァトーリ)が主に登場する第二部へ。彼は三男のロッコ(ドロン)と共にプロ・ボクサーを目指しジムに入ったが、娼婦ナディア(ジラルド)に夢中になり、自らその可能性を潰して、悪の道に陥る。が、そのナディアはロッコを愛し始め、これに憤ったシモーネは仲間と共に、ロッコの目の前で彼女を犯す(まさに圧巻の場面!)。ロッコのお蔭で立ち直りかけていたナディアだが、輪姦に心深く傷つき、再び街娼へと逆戻りした。
そして第三部ロッコ篇。ロッコもまたナディアを諦めた。クリーニング店で地道に働いていたのだが、それも辞め、一家の期待を一身にボクサー稼業へ舞い戻る。一方、シモーネの暮らしは荒れに荒れ、結局、ナディアを誘ったバカンス旅行(豪華な園遊会を開くホテルを前にたたずむ二人が妙に寒々しかったのが記憶に残る)で彼女を殺してしまう(夜、森の池のそばで。これも凄まじいシーン)。ロッコがボクサーに復帰して5年経っていた。いよいよチャンピオンとなった彼を祝っている時、憔悴しきったシモーネが家に帰ってくる。彼にとことん侮辱され、また愛した女を殺されたロッコではあったが、今は何も言わず、泣きながら兄を抱き締めるのだった・・・。

 このネオ・レアリズモの総集編のような壮大な叙事詩を放ってのち、ヴィスコンティは、より典雅で耽美的かつ様式的な、貴族階級を描く独自の世界に没入していくことになる。

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ボッカチオ'70 第三話=前金

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BOCCACCIO '70 : Il Lavoro

製作年度:1962年
製作国:伊=仏
上映時間:46分

監督■ルキノ・ヴィスコンティ
原案■チェーザレ・ザヴァッティーニ(モーパッサンの短編『寝台の端で』による)
脚本■ルキノ・ヴィスコンティ/スーゾ・チェッキ・ダミーコ
撮影■ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽■ニーノ・ロータ
編集■マリオ・セランドレイ
製作会社■コンコルディア・チネマトグラフィカ/チネリッツ/フランシネックス/グレイ・フィルム
備考■イーストマン・カラー
日本公開■1962年

出演■
ロミー・シュナイダー
トーマス・ミリアン
ロモーロ・ヴァッリ
パオロ・ストッパ

ボッカチオ’70

 元々は4編のオムニバスだが、日本劇場公開版はマリオ・モニチェッリの監督したエピソードをカット(現在、発売されているビデオには収録)。
『デカメロン』の中世イタリアの作家ボッカチオが現代に生きていたら、こんな挿話をその著書に書き入れたかも知れない−−。そんな発想で生まれた物語四編を、イタリア映画お得意のオムニバス形式で映画化した62年度作品(だから題名の“'70”は当時から見たら近未来を指していたのだ)。
日本では無名のM・モニチェッリの担当作(結婚間近の男女の日常を明るく描いたもので、日本人には親しみやすい素直な青春譚だ)はカットされ、残るすでに知られた巨匠たちの三編で公開となった。現在は1・2巻に分かれビデオで完全な形で観られる。
第一話デ・シーカの「くじ引き」。北イタリアの片田舎で、遊園地の射的場を営む父の借金のカタに、クジの一等賞にされる娘ゾーエ(ソフィア・ローレン)をめぐっての男たちの狂騒をペーソスを漂わせつつコミカルに綴っている。ゾーエには隣村に恋人がいたが、一等を当てた冴えない寺男の母に“一生の想い出に一夜だけでも息子とつきあってくれ”と懇願される・・・。
第二話は「誘惑」、フェリーニ作。熱心なカソリックの道徳家アントニオ博士は、部屋の前の広場に建てられた大看板のグラマー美女(アニタ・エクバーグ)に激昂するが、いつしかそれは夢にまで現われ・・・というフェリーニ的な大らかなユーモアが実に楽しい。
三話目はヴィスコンティ「前金」。ドロンとシュナイダーの当時、実生活でもアツアツだったコンビの共演で、貴族の若夫婦の倦怠を皮肉っぽく描く。浮気性の夫をやりこめようと、娼婦に化けて誘惑の電話をしたはいいが、あまりに素っ気なく話に乗ったので、シラけた妻はそれから夫と寝る際には報酬を要求することに決める。
いずれも作者の持ち味の出た作品の並んだ好企画と言えよう。

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2000/5/29 by NOBI