トキドキ日記特別篇−ロンドン−


毎日の分だけどトキドキ日記。なぜなら更新がトキドキだから(たぶん)。

憧れのユーロスター

mardi 11 novenbre 2003

早朝少しだけ散歩した後、チェックアウトして駅に向かう。ユーロスターの乗り場はチケットカウンターの前にあり、自動改札を通って中に入る。時間に余裕があったけれど既に客がどんどん入っていくのがみえた。フランス語が聞こえてくる。係員もフランス語。イギリス英語が情けないほど良くわからなかった私は、ひどくホッとしてなんとなく「帰る」みたいな気持になる。

うしろのおばさんに話しかけられる。最初は英語だったのに、ふいに「フランス語が話せる?」とフランス語できかれ、少しだけ、と答えると急に笑い出し、肩を抱いたり、やたらといろんなことをしゃべり出した。そんなに一気にいろいろ言われては私にはわからんのだが、「少しだけ」という自己申告は適当にうけとめられ、OUIかNONの大ざっぱな判断で話しはじめたようだった。おばさんもロンドンで思ったようにしゃべれず、ストレスがたまっていたのだろうか?今一つ良くわからないながら、一緒になって笑ったり、肩をすくめたり、私も適当に応戦する。

荷物チェックの後、パスポートをみせ、中に入ると、キオスクみたいな免税品店(?)といくつかの飲食店(といってもファーストフード系)があるが、いったいこれからどこに行って良いかわからない。立っていた係員にチケットを見せてたずねると、奥にいって待つように言われる。どうやらホームには15分前にならないと入れないらしく、大勢の人たちとともに待つ。

ユーロスターの旅は、以前バスや電車で大陸に渡ったのに比べてあっという間で、快適だがあっけない。せっかくなので食堂車(?)に行き、スープセットを買い込み、席で食べる。パリに到着して荷物置き場で苦戦していると、フランス人のおじさんが助けてくれた。Merci !


大英帝国の長い午後

lundi 10 novenbre 2003

午前中は大英博物館へ。久しぶりに行ってみると、思っていたよりも建物が小さいような気がしてやや拍子抜け。お昼過ぎに入り口で友人と待ち合わせ、アフタヌーンティーにつきあってもらった。こればっかりは1人ではちょっとつまらないので、彼女の時間があいていてラッキーだった。古い格式のあるホテルのティールームで、予約を入れているかどうかきかれたものの(もちろん予約はしていない)アフタヌーンティー用のスペースのピアノのすぐそばの席をとることができた。時折ちゃんとピアノの演奏もあり、雰囲気たっぷりの部屋でゆっくり2時間ほどおしゃべりを楽しむことができた。

彼女がトイレにたった時に、うしろから「すみません、すみません」と小さな声がしていた。私に向かっていっていることに気づいたのは彼らがかなりの数の『すみません』を発したあと。私の体はこういう時にすぐに反応しないように自動的になっているようだ。振り向いてみると日本人の若いカップルがカメラを差し出している。写真をとってあげ、ひとことふたこと言葉をかわしていると、友人が帰ってきたので私も入れ替わりに行くことにした。「すごいよ」というので期待して行ってみると確かにすごかった。リビングルームのようなトイレでくつろげるようになっており、しかもとても広い。戻って「あそこで暮らせるよね」と笑って話していると、うしろの彼女がトイレはどこですか?ときく。教えてあげるとちょっとためらい「あの、チップはいりますか?」ときかれた。そんなこときいてどうするんだろう?と思いつつ「いらないですよ、それよりすごいからビックリしないでくださいね」と訳のわからないアドバイスをする二人。

すっかりゆっくりしてしまったあとは、すすめに従い、バスでロンドンをまわることに。一日乗り放題のチケットを買い、テムズ川を中心に途中下車しては歩き、美術館に入ったりしながらまたバスに乗る。すぐに日は暮れて、向こう岸にはきれいにライトアップされたビッグベンがみえた。建築士である彼女の、橋や新しい建物についての説明はさすがに詳しくて感心してしまう。そうして歩いていて建築に関して素人の私の感想と言えば、ロンドンの建造物はやたらでかいということ。大英博物館はルーブルに比べて(昔の記憶に比べても)やけに小さい気はしたものの、街全体の建物はいちいちムヤミにでかい気がする。テムズ川だってセーヌよりも広いようだし、かかってる橋も大仰で、縮尺が違う感覚。大英帝国って感じだよねー、不必要にでかいよねー、巨人が住んでたみたいだと勝手な感想を言いながら歩く。

ハリーポッターの舞台になった駅などを教えてもらいながら再びバスに乗り、だいぶくたびれてホテルに戻ったが、アフタヌーンティーでいっぱいになったお腹はあまりすかず、結局そのまま夕飯はいらなかった。


踊るマハラジャ、風?

dimanche 9 novenbre 2003

足をのばしてカンタベリーに行く日。支度しながらなんとなくテレビを見ていると、コマーシャルが始まった。男女ビジネスマン(ウーマン)10人ほどの写った記念写真みたいなものが、急に動き出す。くねくねとした妙な動き。音楽が始まり、いつの間にかまわりには大勢の踊り子たち。どんどんカメラはひいて俯瞰からの撮影になり、宮殿の庭園風の場所にうつっている。最初のスーツの人たちを中心にインド風の衣装の踊り子たちが踊る踊る。踊るしそのうち歌いはじめた。中でもスーツの1人の男はやたらといい声で、やはりインド風の曲を歌う歌う。「なんだこれ?」と思ったら、男のとなりに大きく文字が出た。なんとそれはローンのコマーシャル。そういや踊るローンの、って日本でもある。もしかして参考にしてたりして、と思ったが、こっちのほうが楽しくて笑えるのだった。


女同士の会話

samedi 8 novenbre 2003

パリ行きのチケットを買いに駅へ行く。最初に並んだ売場で「ユーロスターのチケットはここじゃないわよ」と売場を教えてもらい、並び直す。順番はすぐに来て(ああ、フランスとは大違い)パリまでのチケットを頼む。順々に必要事項を訊ねられ、カウンターの中の黒人女性が軽やかにキーを打ち込んでいく。ふと、彼女が顔をあげ、「きいてもいいかしら?」というので何ごとかと思ったら、彼女はこう続けた。「あなたのつけてるパフュームは何?とてもいい香りね」思わぬ問いに、ちょっとだけチケットとは関係のない会話をかわす。

つけていたのは違うのを買った時にもらったミニサイズのサンプルだったのだが、帰りに免税品店で買っちゃおうかなと、ひとりいい気分に浸るのだった。


荷物

vendredi 7 novenbre 2003

空港の荷物検査で初めてひっかかる。「ライターが入ってますね」しかし、心当りが何もない。「服のポケットに入っていませんか?」タバコは吸わないのでそんなわけはない。あけてみてもそれらしいものは見つからない。「この辺なんですが」と言われたところには洋服しかない。それでも何度かX線を通すとやはり入ってると言うのだ。

探っているうちに、リュックの底に何か入っているのがわかった。これだ!と検査官のおねえさんと喜んだのもつかの間、果たしてそれがどこから入ったのかわからない。底に入れるポケットなんてないからだ。

またしても時間をかけて、背中の部分の背負う手(?)を収納するポケットから滑り込んだことが判明。思いきり腕を突っ込んで取り出すことにやっと成功した。なんでこんなところに入り込んだのかは謎。一瞬誰かの陰謀かと思った。

迎えに来てくれた友人とともに、ロンドンの空港から地下鉄へ。乗り込もうとしたら、スーツケースが一つ、ホームにぽつんと置いてある。たくさんの人たちが「誰のなの?」という様子で気にしながら乗り込む。誰かが大きな声で「誰の荷物?」ときいたけれど答える声もなく、地下鉄はとうとう発車してしまった。

「なんだったんだろうね?」と話しながら乗っていると、そのうち近くにいたカップルのうちの女のほうが「私の荷物はどこ?」と言いはじめた。どうやらあの荷物は彼女のだったようだ。彼女は彼が運んでくれてたと思い込んでいたらしい。彼のほうは自分の荷物に加え、免税品の袋までしっかり持っている。が、彼女の荷物のことは彼は関知していなかった模様。

そこで周りの人たちが置き去りにされた荷物のことを教えてあげると、女は頭を抱え呆然としてしまった。誰かから借りたのか自分で持っていたのか、携帯電話で駅に電話をし、次の駅でみんなに励まされながら降りていった。それが市内の駅でなく、空港の駅だったことが多少希望的な要素ではあるものの、まったくこんなことってあるだろうか。







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