トキドキ日記特別篇−パリ後半−


毎日の分だけどトキドキ日記。なぜなら更新がトキドキだから(たぶん)。

歩く歩く

jeudi 11 novembre 2004

エッフェル塔に行く。最初は少し離れた撮影スポットへ。渡仏前に写真を習ったので、今回は意識して写真を撮っている。習ったといっても初心者コースでかなりの付け焼き刃。

サクレクールに行った時とは打って変わってあいにくの曇天。シャッタスピードはひどく遅い。とはいうものの、プロという訳でなし、失敗してもどうということはないので手ぶれ覚悟で何枚も撮る。塔にはオリンピックに立候補している横断幕がかかっている。撮影しながら真下までたどりつき、少し休憩した後、再び歩き出す。

特に予定もないので、凱旋門まで歩いてみることにする。遠い。思ってたより遠い。写真を撮りながらなので、もちろん普通よりかかるのだけれど、くたびれてきた。おなかがすいてきたせいかも。でもここまで歩いたのだから途中であきらめるのもしゃくにさわり、ひたすら歩き続ける。観光客どころか人があんまり歩いていない道をずんずん歩き続けると急に凱旋門についた。門は半分覆いがしてあって、まわりには警官がうようよ。テレビカメラも来ているが、なんのことやらわからない。なんだかごみごみしてるので早々に立ち去り、シャンゼリゼを歩く。シャンゼリゼは正直言って全然面白くない。夜はとてもきれいだけど、昼間は観光客で賑わっているだけ。華やかには違いないけど、来るごとに、だんだん普通の通りになってきているような気さえする。

歩き続けてコンコルドを抜け、チュイルリー公園に到達。ここに来るときはなぜかいつも寒い。入ったところにあるトイレを初めて利用してみる。それから公園内のカフェで昼食。やわらかい鴨肉がほんとにおいしい。再び歩き出し、ルーブルをはずして今度はサントノレ方面へ。ところがまたしても店が閉まっている。どうやら今度も休日に来てしまったらしい。しかたなくまた歩く。ギャラリーヴェロドダも閉まっている。そういえば以前探してきたときも閉まってた気がする。そのまま歩き続け、ポンピドーの脇を通り、フランブルジョワ通りへ。ここは店が開いている。ウィンドウで見つけた時計を見せてもらい、買う。最近パリに行くと毎回、チープな時計を一つ買っている。

終点のヴォージュ広場は休日のせいか、演奏する人もちらほら。人だかりができている。ドラマと思われる撮影も片隅でやっている。本当にすごく寒くなってきたので、一旦ホテルに戻ることにした。4:30。パリに行くと時々むやみに歩いてしまうことがあるのだが、典型的なそんな一日。それにしてもよく歩いた。


ご近所めぐり

mercredi 10 novembre 2004

朝食のときに今日は近所を散策することに決めた。といってもたいした予定のない私はいつもだいたいこんな感じなのだが、今回は近所をガイド付きでまわってみることにした。持ってきたロンリープラネットを片手に、マレのおすすめコースを回る。

いつも通りヴォージュ広場を散歩した後、サンポールの駅を出発点として歩き始める。何気なく通っていた道の見逃していたものを本片手にチェックしていくのはなかなかに新鮮。古いレリーフやマレ地区最古の建物をめぐった後、サンポール教会へ。え?こんなところから?というような細い道を通って、小さな裏口から入る。数えきれないほど何度も前を通っているのに入るのは初めて。他の有名な教会と比べて質素で派手ではないのだけれど、なんだかちょっとスタイリッシュな感じがする。教会の建物に対してあんまり適切な表現ではないかもしれないけど、地域のせいかな?と思ってみたりした。驚いたことに日本語の簡単なパンフレットがあり、なかに歴史の説明があった。観光地化した教会ではないので私の他の見学者はごくわずか。あとは信者と思しき人。よく映画で見るような罪を告白するボックス(?)も発見して、なんだかちょっと緊張した。

コースにはたまに入る角の本屋も含まれていたので、中に入ってポストカードを買う。ちょっと面白いものがここでは比較的安価で買える。コースが終わってしまったので、そのあとはいつもたどり着けない錠前博物館をさがす。なんと今回発見できたのだが扉が閉まっている。たまたま出て来る人を見つけて、すり抜けて入ってみるも、なかにいたおじさんに出されてしまった。博物館は閉まっているらしい。あきらめて今回の旅ではまだ行ってなかったピカソ美術館へ向かう。

夜はこれまた近所の写真美術館へ。ここは遅くまでやっていて夜のせいか曜日のせいか入場無料。入場無料のせいか、入ってみるとびっくりするくらい、たくさんの人でごった返していた。特別展も面白かったが、他の展示を見に行くと真っ暗!真っ暗な中に人がいっぱい。みんな熱心に展示を見ている。あんまりじっくりみていると疲れてしまうので、適当に流し見をして外に出る。夕食は昨日の残りだけど、デザートは途中で買ったチョコレートやのエクレア!さすがにチョコがとてもおいしくて大満足なのだった。


おのぼりさん、塔にのぼる

mardi 9 novembre 2004

イタリアに住む友人宛に荷物をつくる。本当はニースに行った時にどこかで会えないかなあと言っていたのだが実現せず、日本からのおみやげ(主に食品)を急きょ送ることにしたのだ。ガムテがないのでホテルの朝食係兼掃除のおばさんに助けを求め、しっかりテープでとめてもらう。郵便局で頼むと速い便と遅いのがあり、イタリア宛なら遅いほうでも10日はかからないんじゃあということなので、遅いほうで頼む。

天気がすごく良くなってきたので、サクレクールに行くことにした。メトロでいってみると、いつも寄るお店がなくなっていたりと変化も見られたが、青い空に白い建物が映えてすごくキレイ!来て正解。まずは中に入ってひととおり見学。ちょうどミサの最中だったので邪魔しないように静かに静かに。奥の方に維持のための寄付を呼び掛ける表示があり、きれいなものを見せてもらったお礼にとポケットを探っていると、まわりにも結構そんな人がいて次々に小銭を寄付している。気づくと、ほとんど日本人だった。あらら、とちょっと嬉しくなる。

そのあと、初めて塔の上に登ってみることにした。入り口がわかりにくくて今まで諦めていたのだけれど、怪しいとにらんでいたところを行ってみると、果たして塔への入り口がひっそりとあった。自動販売機にコインを入れ、券を買う。ちょうどいい小銭を持ってないと券は買えないし、人もいないなんて、なんてヨーロッパ的。

長い長い階段を耐え抜き、登り詰めてみると、さすがに丘の上のそのまた塔の上だけあって高い高い。お尻がムズムズしてくる。だけど晴れ渡っていて眩しいくらいの光の中、美しいパリの街が一望できて眺めは最高。しかもわかりにくいせいか、あまり人もいなくて、妙にくつろぎ1時間ほどここで日記を書いてしまった。

そのあとは、ダリの美術館に行って変わり者ぶりを堪能したあと、去年と同じレストランでおいしいランチ。それからランプの店でシェードとろうそくを買う。ここまではいつもと同じパターンなのでモンマルトル美術館へ行ってみると閉まっていた。ぶどう畑を探してみようかと思ったが、みるみる日が暮れてきたのでそれはまた今度ということにした。

ホテルに一旦戻り、荷物をおいて今度はサンルイ島やマレにおみやげ等を買いにいく。この近辺なら暗くなっても地図を見ずに歩いて帰れる。昼間しっかり食べたので、夜はテイクアウト。前日から引き続き、良く歩いた一日だった。ちなみにイタリアから「荷物届いたよ、ありがとう」と連絡が来たのは帰国後、半月だったか1ヶ月だったかたった頃。さすがイタリア!


静寂の月曜日

lundi 8 novembre 2004

小雨の中、セーヌを渡り、モスクへ向かう。前からずっと気になっていた場所。

おじさんに「こちらではないよ」と注意され、指さされた方向に行くとひっそりと受付があった。ボンジュール、と静かに挨拶すると、信者か訪問者か訊ねられた。訪問者であると告げると、入場料を払うように促された。はさみで切ったような、ピンクのザラついた紙の入場券。

中にはモザイク模様が美しい回廊があって、ちょうど日本のお寺の門前町のように、ぐるりと店が並んでいる。店の人たちは無関心を装いながら、まるきりの異邦人である私をなにげなくチェックしているのがわかる。建物の中では熱心に祈っている人たち。本当は中もみたかったけれど、ここは祈りの場所。可能なのかもしれないけれど、入っていくことは私にはできなかった。遠慮がちに覗き込んで少しだけ雰囲気を味わい、外へ。お昼にはまだ早いので植物園のほうへ散歩する。しばらくしてお腹もすいてきたので戻り、自然史博物館側にあるレストランへ入る。ここも前から気になっていた場所だ。よくわからないまま、中に入り、いくつかのおばさんグループの間の席でクスクスを食べる。注文すると「ほら、皆それを頼むのよ」とおばさんが小声で連れのおばさんに言い、笑った。おばさんの小声は大きいので私も少し笑う。食べ方が良くわからないので見よう見まねだが、食後のミントティーまでしっかりいただき大満足。

すっかり堪能したあとで最後にトイレにいってみると、これがものすごくきれい。美しいといっていいくらい。タイルも素晴らしいし、それに磨きあげられていて感動的ですらあった。私のナンバー1トイレに心の中で決定。

午後、雨はだんだん強くなってきた。気温も下がり、寒い。凍えつつ、つらつら歩いてクリュニー美術館へ。古い建物が展示物と完璧にマッチしたこの美術館は密かな私のお気に入り。古い細工の美しい箱や装飾品といったいかにも宝物っぽいものばかりあちこちに置かれ、そうかと思うと首のない彫像がどかどかと並んでいる大きな部屋があったり、深い色とりどりのステンドグラスに囲まれた小さな部屋があったり。前回は行くことのできた、建物の崩れそうな端のほうには行けなくなっていたけれど、綺麗に整備された他の美術館とまた違った、遺跡を訪れたような気分を味わうことができた。


休息日

dimanche 7 novembre 2004

早朝パリの駅に到着。地下鉄を乗り継いで再びホテルへ戻る。まだ部屋は開いていないので、荷物を預け、とりあえず角のカフェでプチデジュネ。日本でいうところのモーニングセットを頼む。いつも気になっていたけど、ホテルに近すぎて入ることのなかったこのカフェは、なかなか良い雰囲気。通勤途中のおじさん達が道を急ぐ姿を見ながら、おいしく食べる。

そのあとはやはりヴォージュ広場へ。ベンチに座り、ゆっくり日記を書く。 うしろでは体操をしているおにいさんの変なかけ声。。。

寒くなってきたので立ち上がり、写真をとっていると、体操のおにいさんが声をかけてきた。おにいさんは体操のおにいさんだけあって、とても礼儀正しい。まずはフランス語で、英語を話すか、フランス語を話すか訊ね、両方“ちょっと”と答えると英語で話しはじめた。どうやらこのおにいさん、フランス人ではない模様(この確認の仕方は推定イギリス人)。
おにいさんは向こうにすわっている画家(日本人)をさし、なんと無謀にも私に通訳を頼むのだった。あまり頼むので引き受けたものの、もともと自分で話すのさえ怪しい私の通訳は予想通り難航。それでもやっとのことで、彼の名刺を画家に半ば無理矢理渡すことに成功した。

ノートルダムのほうまで散歩したあと、ホテルに戻る。部屋をあけてもらってあがるときに、おにいさんが笑いながら“ボンシエスタ!”と声をかける。夜行で帰ってきたと話したのでこれから昼寝するというのはバレバレのよう。そしてその通り少し寝ようと思って横になったら、夕方5時まで寝てしまった。自分でもびっくりしたけど、ちょうど旅も中盤だし、たまにはこんな日があってもいい。それから夕焼けを見にセーヌまで歩き、夕食を買って帰る。なんだか日本にいるような、怠惰な日曜日だった。







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