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LabViewを使ったブラック=ショールズ方程式の計算


ここでは、金融派生商品の適正価格をブラック=ショールズ方程式を使って
LabView上で計算します。

ブラック=ショールズ方程式とは、金融派生商品(デリバティブ)、のなかでとくにオプションと呼ばれる権利の取引の金額を求める式です。ブラック=ショールズは、フィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズというこの方程式を解いた2人の経済学者の名前からきており、ショールズはこの功績によりノーベル経済学賞を受賞しています。(ブラックはその当時すでに死亡していたためにノーベル賞の対象とはなりませんでした。)

ブラック=ショールズ方程式のシミュレーションを説明するために

1)オプション

2)株価の変動モデル

3)ブラック=ショールズ方程式とその解

4)ブラック=ショールズ方程式のシミュレーション

の順番で説明します。

1)オプションとは?

オプションとは、株などの価格変動の起こる金融商品を売り買いする権利のことです。例えば、「株価80円のA株式会社の株を10ヶ月に100円で買う権利」などです。これは、どういう意味なのでしょうか?オプションの金額が10円だったとします。10ヵ月後に株価が200円まで上昇したとします。この場合、この権利を行使し、200円の株を110円で買い、直ちに200円で売ることにより、90円の利益が出ます。

オプションは権利であり、行使することも行使しないこともできます。もし、逆に10ヵ月後に株価が50円に下がったとします。その場合は、110円で買うのは損ですから、この場合は権利を行使せず、オプション価格10円は損することになります。

このような、買う権利のことをコールオプションといいます。グラフに書くと図のようになります。図からわかるように、株価が110円を超えればその分はすべて利益となります。





2)株価の変動モデル

ある時点での株価をSとしたときに、Δt時間後に株価がΔSだけ変化したとします。このΔSは以下の式に従うと仮定します。

一つ目の項は、Δtに比例した変化を仮定しています。

二つ目の項のなかのΔZは、平均0、標準偏差の正規分布N(0,)にしたがっており、これが株価をランダムに変動させている要素です。つまり、株価の変化を時間により変化する項と、正規分布をしたランダムなもの(まるでガウズノイズ)に比例して変化する項の和で書かれると仮定します。これは、一般化されたウィーナー過程と呼ばれる式です。このdZはブラウン運動とのアナロジーから株価のランダムな変動を表すものとして導入されたものです。このΔtの極限をとり、パラメータに意味付けをしたものが以下の式になります。

ボラリティーとは、株価の変動の大きさをあらわしたものです。

これは、ウィーナー過程と呼ばれるものの時間極限をとったものです。

Sの変分dSは、dtに比例する項とdZに比例する項で表されるということです。
下に、ウィーナー過程をつかった、シミュレーションの結果をお見せします。




このVIは、ここからダウンロードできます。


3)ブラック=ショールズ方程式とその解

株価Sの株から生じる派生商品の価格をfとします。このfSの満たす方程式は、

となります。この方程式は辺微分方程式なので解を求めるためには境界条件が必要となります。ここではコールオプションの境界条件を入れることにより、ブラックショールズ方程式の解は以下のようになります。

方程式の作り方から、それを解く方法は、さまざまな解説書が出ていますので、そちらを参照してください。
この方程式を実際に計算したものが以下のグラフです。



ここで、それぞれのパラメータを見てみましょう。
株価は、もとの金融商品の価格です。
権利行使価格は、いわゆるオプション価格で、ここではコールオプションを仮定しています。
配当利回りはここでは、考慮していません。
期待収益率は、株価のトレンドを表すもので、過去のデータから株価の変化を平均を取ることで求められます。
ボラリティは、過去のデータから、標準偏差を求めることで計算できます。
非危険利子率は、銀行預金金利などを使うのが現実的でしょう。