特集 教え方のプロ・向山洋一全集 第2期 を読む
R「総合的学習・ボランティア授業の全てのを創ったJVE」は、
ジュニアボランティア教育の授業に挑戦したい人が読む本である。
キーワード
(人の役に立つ学習・ジュニアボランティア・学習点字ペン・点字カルタ・「理解」と「体験」・一歩ふみ出せ) 鈴 木 恭 子 |
(1)19巻 「総合的学習・ボランティア授業の全てのを創ったJVE」を読む。
向山先生は、1993年にジュニア・ボランティア教育を提唱された。
「行動すれば、ドラマが生じる」を合い言葉に、テキスト・教材を創り、授業を生み出した
5年間の足跡の記録である。 まさに、日本のボランティア学習の誕生から、21世紀のボランティア
学習を示唆したものである。
そして、この大きく新しい教育の流れに一歩を踏み出す勇気を与えてくれる本である。
@「なぜ、勉強をするのか」の子ども達の問いに答える語り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p 9
A「ジュニアボランティア教育」とは、いかなるものか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p12
「ジュニアボランティア教育」誕生の原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p54
B雑誌『ジュニアボランティア』誌を購読する意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p23
C向山氏が毎日書いたJVEを全国津々浦々へ広げるための通信・・・・・・・・・・・・・・p29
D夏のセミナー『脳の革命』著者永田氏による感動的講演・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p65
末期ガン患者へ医師として「ネバー、ネバー、ネバー、ギブアップ」
E「いじめ」「オウム事件」が私たちにつきつけていること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p70
F向山氏が考える4つの層からなる『ボランティア社会』の構想・・・・・・・・・・・・・・・・p76
GJVEの授業で変わった子ども達・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p89
中学校でボランティアクラブ、卒業記念に点字案内、2年生の作文
Hすぐ役立つボランティアの授業の教材・教具・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p146〜p147 p114〜p118
学習点字ペンの授業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p127
IJVE授業は「理解」と「体験」からの組み立て方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p132
JJVE授業のための準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p138
K向山洋一氏によるJVE Q&A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p168
Q.1 JVEの評価はどうしたらいいか p168
Q.2 ジュニアボランティア教育の運動は、何から始めたら p169
Q.4 JVEの最終目標は? p172
Q.6 弱者への信じられないいたずらがなぜ起きるのか p174
Q.7 ボランティアとボランティア教育の違いはなにか p176
Q.9 授業参観で「ジュニアボランティア教育」を行う時の注意
p181
Q.11 「総合的な学習」をうけどのような研究を進めたらよいか
p186
一歩が踏み出せない人へ勇気を与えてくれる
「一歩ふみ出せ」「本物の教師であるかどうか問われる」「子どもと未来を見つめる教師なら」
(p107〜p113)(p118〜p122)(p148〜p168)
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(2)この本を読んでの学び/ここは紹介したい
*「なぜ、勉強しなくてはならないのか」(p9)
「人間は何のために生きているのだろう。人間の生きがいというのは何なんだろう。先生は、3つあると思っている。
第一番目は、自分の夢を達成することだ。夢は人によって大きく違う。外国旅行をする夢もあれば、東大に合格する夢もある。家を建てる夢もあれば、結婚したい夢もある。一人一人の夢を実現すること、それが人間の生きがいなのだ。
第二番目は、自分の可能性を伸ばすことである。
これまでできなかったこと二重まわしができるようになること、剣道が三段に上達したこと人の前で上手に話せるようになったこと、楽しい授業ができるようになったこと・・・・。
このように、今までの自分に欠けていたことが努力の結果伸びていくこと、これも生きがいなのだ。八〇歳になるおばあちゃんだって、踊り、カラオケを楽しそうにやっているのもこのことだ。
そして三番目は、人の役に立つことをすること、これも人間の生きがいだ。
人間は一人では生きていけない。
お互いに支えあっている。
それは、それぞれの人が、別の人の役になっているということだ。
勉強するというのは、このような人間としての生きがいを大きくしていくことだ。
あなたが関心のある「ボランティア」のことだって、本当に人に役に立つことができるためには、もっと勉強しなければならない。学校でいい成績をとるということではない。今、学校で習っていることぐらい、きちんと身につけることが必要なのだ。」 |
子ども達の抱える率直な問いに対して、自分の考えを毅然と語る美しさ。それは、大いなる教養
であり、先人の知恵であり、未来へのエールである。心からかっこいいと思う。そして、このように
子ども達に語れる教師でありたいと強く思う。
*人に役立つ学習(p27)オール向山洋一講座での語り
| 私たちは、「勉強するのは、自分自身のためだ」と子ども達に教えてきました。日本中、あまねく言われていることです。が、それだけでは不十分でした。勉強には「人に役立つ学習」もあるのです。「自分のための学習」「人に役立つ学習」その両方を教えるべきです。 これは、大切な教師の仕事です。教師こそが、先頭に立つべきテーマです。 |
「教師は、『志を授業する、企画する』」ことも大切であると向山氏はいう。本書で、戦後の日本
の教育の大きな歪みを学んだ後には、この語りが心にしみる。「人に役立つ学習」の大切さを
痛感した。そして、はじめの一歩への勇気を与えてくれた。
*ボランティアを支える四つの層(p87)
一番目の層は、小学校及び幼稚園です。もしかしたら中学校まで。それはボランティアについて理解する、基本的な場を体験するという学習の場です。
第二の層は、高校生・大学生です。高校生・大学生に対して、ボランティアの実習を正課として課すべきだと思います。(中略)
三つ目は、社会人の層です。現在のボランティアは、社会人の中でも、女性の方々によって支えられ、続けられてきました。(略)いわば、社会・企業・地域が三つ目の層です。
そして、四つ目は、六〇歳を越えて退職した方々です。退職されたとはいえ、まだまだお元気です。 |
向山先生は、日本全国を視野に入れ、社会全体のシステムを提案されている。壮大である。
教師として、一番目の層に課せられた<理解>と<体験>を自覚して授業していきたい。
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