「あっせん」に参加するかしないかは、会社の自由です。
参加しなくても何の罰則もありません。
「参加しない」を選択の場合
「参加しない」ことを回答した時点で、あっせんは打ち切りとなります。
「あっせん」はこれで終了となります。
ではこれですべて終わりで済むでしょうか?
会社に不満を持つ社員または元社員(=あっせん申請者)の不満は何等解消されていません。
会社が「あっせんを拒否した」ことを知って更に感情が高ぶるのではないでしょうか。
あっせんで解決の糸口をみつけられなかったあっせん申請者は、労働組合に加入したりあるいは「裁判」を選択するなどのケースが多いようです。
それでは
「参加する」を選択する場合はどうなるでしょうか。
まず、社長もしくは人事担当役員または代理人が「あっせん」実施の場所に出席しなければなりません。
あっせん委員は、その場で
・紛争当事者である両者の主張の確認、
必要に応じ参考人からの事情聴取
・紛争当事者間の調整や話し合いの促進
・紛争当事者の両者が求めた場合には
両者が採るべき具体的なあっせん案の提示
などを行います。
会社側とあっせん申請者の両者の合意が成立、または 両者があっせん案を受諾した場合は、
トラブルが解決されたということで、「あっせん」は終了します。(民法上の和解契約が成立)
「あっせん」の内容では会社としては合意できないと主張することやあっせん案を受諾しないことも
可能です。「あっせん」ですから当然罰則や不当な取り扱いを受けることもありません。
「あっせん(案)」には裁判の判決のような拘束力は一切なく、 両者が合意出来ないあるいは、
あっせん案を受諾出来ない場合、「あっせん」打ち切りとなります。
「あっせん」が打ち切りとなり、トラブルは未解決となった場合、あっせん申請者はどう思うでしょうか?
第三者に話を聞いて貰えたことで、気の済む人もいるかもしれません。
会社側の言い分を聞いて、納得する人もいるかもしれません。
トラブルは解決したいが、できるのは「あっせん」まで、裁判は無理と泣く泣くあきらめる、という人もいるかもしれません。
納得できないあっせん申請者には、労働組合加入や「裁判」の選択肢もそのまま残されています。
貴社が「あっせん」に「参加する」か「参加しない」か?
答えを決めるためのポイントは、次の点かと思います。
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1. |
あっせん申請者は、その時点では「裁判」までは選択したくない、つまり少なくとも潜在的にはある程度の妥協もやむを得ないという気持ちを持っていると考えられること。 |
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2. |
あっせん委員はあっせん申請者の代弁者ではなく、公正な第3者として、むしろ何とか両者が妥協できる接点を探したいと真剣に考えて対応していることを理解すべきであること。 |
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3. |
会社は「あっせん」に参加したとしても、「あっせん案に合意しない」「あっせん案を受諾しない」の選択が可能であり、仮にその選択をしてもそれによって何等のペナルティーを心配する必要が無いこと。 |
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4. |
「あっせん」打ち切りの場合、結果として裁判となるかどうかは予測できないが、費用や手間、影響を考えて、「あっせん」解決と「裁判」による判決を比較する必要があること。 |
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5. |
「あっせん」は「裁判」の前に解決を探る絶好の機会とすることが出来ること。 |
ここで、「あっせん」と「裁判」を比較して見ましょう。
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あっせん |
裁 判 |
| 時間 |
原則1日で終了 |
長期にわたることが多い |
| 手続費用 |
無料 |
訴訟の価額に応じた金額が必要 |
| プライバシー |
非公開 |
公開 |
| 拘束力 |
あっせん案に応じるかは自由 |
判決には強い拘束力がある |
| 代理人 |
社会保険労務士、弁護士 |
弁護士 |
| 解決金水準 |
あっせんを1とすると |
裁判は1.5ないし2以上となる |
「裁判」で争う場合、長い年月をかけて裁判を戦うことになり、たとえ勝訴判決をかち得ても裁判内容は判例として残り、公開されます。だれでも裁判内容を目にすることができ、長く注目され続きます。
判決の中身まで見れば会社の主張に非はないことはわかるとしても、そのようなトラブルをおこしている会社としての印象が残り、世間的にはあまり良いイメージとならないことになります。
「あっせん」は非公開なので、このようなことにはなりません。
如何でしょうか?
はじめから「あっせん申立て」自体に怒りを覚え、理由抜きで積極的に「裁判で争う」、「勝訴判決に絶対の自信がある」ということでなければ、まずは「あっせん」に「参加する」を選択し、貴社の主張を堂々と述べるべきではないでしょうか。
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