Voyage en France
juillet 2000

パリに野良猫はいるのだろか?
    〜2000年11月、「ねこだすけ会報」に掲載した記事(+α)より〜

「フランスには野良猫がいない、少なくともパリにはいない!」
何年か住んでいてそう確信していたのに、野良猫保護団体の存在をインターネットで発見。
保護団体があるということは、つまり野良猫もいるという事・・? その真相を確かめるべく
野良猫保護団体「
L'ecole du chat」(レコール・ドュ・シャ〜“猫の学校”)を訪れました。
モンマルトル墓地で野良猫にエサをやっていた隣家の老婦人に助けを求められた、とある紳士により
1977年に設立。現在は国内に150程の支部があり、不妊去勢手術、保護、里親捜しを行い、
資金は会費と寄付で賄われています。
地域によっては公機関の許可の元、公園等にChat-LM (シャ・レム〜シャの意味。フランスには
HLM〜アシュレムと呼ばれる低家賃集合住宅があり、それにかけている) という野良猫ハウスを設置し、
そこで猫達は“自由猫”と呼ばれ幸せに暮しています。

ビルジッティーさん宅

 

まずエッフェル塔そばにあるパリ・エッフェル・ルフラン支部のビルジッティーさんのお宅を訪れました。
一歩足を踏み入れるとそこは猫天国。保護されて、そのまま飼っているという巨猫30匹+犬1匹が広い室内と
ベランダのあちこちで優雅に寝こけていて、犬君のみが忙しそうに来訪者を出迎えてくれました。
その後、会員の1人のアムソンさんに案内されて某公園内にあるシャ・レムを見学。
ダンボールでも発砲スチロールでもない、立派な木造建築の小屋が、茂みの奥の、
一般の人には分かり難い場所に柵に囲まれ設置してありました。

   

某公園
名前を出したところでわざわざかの地まで
捨てに行く人がいるとも思えないけど念のため

 

 〜シャ・レム


私が行った時、猫は
全員留守であった・・

アムソンさんは70代くらいの上品なマダム。しかし、車に猫保護用の捕獲器を積み、携帯電話を握り締め、
西へ東へ忙しく動き回るバワフルな毎日を送っています。
私がいる間にも里親希望者や猫相談の電話がじゃんじゃんかってきて、その姿は日本の熱心な活動家と全く一緒。
「猫は1度子供を産ませた方がいい、なんて人がいて困るわ〜」と、困った相談内容もほぼ一緒。
パリのような都市部では、交通量が激しく室内飼いが当たり前です。
街中に猫の姿がいないのは、そのせいもありりますが、大きな公園や少し郊外に行くと、捨てられて
そのまま住みつき繁殖した野良猫達が見られるそうです。
そうした場所で捕獲した猫は、協力獣医師により病気のチェック、ワクチン、刺青、そして不妊・去勢手術を施して、
シャ・レムの用な場所があればそこに放され、ない場合は里親捜しを行います。

「捨てられれば死ぬ!」

  こういう実践的なグルーブを様々な面でバックアップしているのが、
かの有名な“
ブリジット・バルドー財団”です。
アムソンさんも、ここの若いスタッフに時々手伝ってもらい捕獲などをするそうです。
過激な抗議行動ばかりが有名で、ややマイナスのイメージがありますが、
こういう地味なところでもブリちゃん達はしっかり活動しているようです。
16区にある財団も訪問。オフィス内には保護犬が一匹ウロウロしていました。
「朝、オフィスに着いたら、入り口にダンボールに入った子猫が・・て事はないですか?」と
スタッフに聞いたところ「ないっすね」・・と、あっさり。そういう捨て方はされない模様。
ちなみに、日本だと昔は「子猫を川に流して・・」等とよく言ったもんですが、フランスでは
「土に埋める」のが主流のよう・・前者の方が、まだ殺生にためらいが感じらるような・・と、
こんなとこで国民性の違いを知ったりして。

私が行った時は丁度バカンス前の時期とあって、財団が作った捨て犬(猫)防止の
ポスターが街のいたるところに貼られていました。
犬好きで有名なフランス人、しかしバカンス前ともなると、動物シェルターの前には
長蛇の列ができ、もっとひどい場合は「轢き殺される」目的で高速道路に
置き去りにされたりする事も。(ベルギー人の絵本作家、ガブリエル・バンサンの
「アン・ジュール〜ある犬の物語」という絵本にその模様が描かれています。
これは一応ハッピーエンドなんで超オススメ)

なにはともあれ、今回の訪問で、「パリにも野良猫はいるらしい」という事はわかったものの
結局その姿を見ることは1度もなく、結論は「やっバリ いないじゃん・・
こうして野良猫の姿に心痛めることなく、気持ち良くこの花の都を歩けるのは
見えないところで細々と長く活動している人達がいるからこそでしょう。感・シャ。



HOME