その参 盗賊では見えぬ場所



「橋……だよな」
「えぇ、そうですね。しかも丈夫な木製です。ある意味吊り橋より厄介ですよ」

「そうね。巧妙な罠程、気をひくために丈夫に作るのよ。でもね……遠回りは
 ちょっと……」

「おいおいこういう時のために俺がいるんだろう。なぁにちょっとまってろ『盗
 族の眼』で今調べてやる」
アースはそう言うと橋の端っこから長い棒きれをつつきながら歩こうとした。

  ”キィン”

「な、なんだ今のは。いきなり吹っ飛ばされたぞ!」
「きっと『キィコォド』が対応してなかったんでしょう」

「きっと橋は調査範囲外って事になってるんだな。アース、諦めろ」

「フェイ。すまんが諦めきれん。『盗賊の手』をダメ元でやってみる」

アースはそう言うと七つ道具を腰元から出し橋に向かった。そしてアースは真っ
先に橋の中央に走り出した。

 ”カチャカチャカチャカチャ”

「おいアース。なんて危険な事をしてやがる!いきなり走りだすなんて」
「違う、手足が勝手に動くんだ。よくわからないがな」

「キィコォドがきっと開錠のみに対応してたんでしょう」

「いや鑑定もきっと対応しているはず、まって、今私も確認してみる」
「何をするんですか?魔術師のあなたは盗賊とは違うんですよ?」
「『賢者の瞳』を使っているのよ。これにも『鑑定』のキーコードは付いている
 のよ」
「でもそんな。さっき盗賊の眼に失敗したはずだよラネル。……ん?ラネル?」


バードが見たのは凍りついたラネルの姿だった。

「アース!なんでもいいからキーコードイベントが終ったら逃げて!」
「言われなくてもそうするつもりだ。大丈夫、毒針程度の罠だったよ。俺がちゃ
 んと解除してやった」
「よしこれで渡れる。アース、やった……」

   ”バシューン!”

「……おいラネル。折角罠が解除されったてのに魔法の矢で壊す事ないだろう」
「あら、ちょっと見てなさい」

   ”ドッカーン”

魔法の矢が当たった橋は少し間を空けて大爆発を起こした。幸い橋の中央だから
良かったがこれに巻き込まれればひとたまりもないだろう。
               
「私が『賢者の瞳』をした時に、橋の裏に導火線の仕掛けと火薬が見えたのよ。
 きっとアースがいた場所より少しでも進めば引火したはずよ」

「お、おいマジかよ!それじゃなんで俺の盗賊の眼は効かなかったんだ?」

「アース、魔法でしか見れない場所だから『賢者の瞳』のみに反応したんだぜ、
 きっと」
「そしてあの毒針の罠は気を引かせるための物だったんですね」

遠回りがめんどくさい、そう思いながらフェイ達は引き返した。


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