その十九 最強なる戦術



フェイ達四人は何故か【攻城戦】に挑もうとしていた。

フェイ達四人の他、一人の設定上、【天才の軍師】と呼ばれるNPCがいた。

若く、ASK画像に馴染みやすい16色でフェイ達は好感を少し持っていた。




そして攻城戦において作戦をたてる事にした。少人数で城を攻めるのだから、
かなりの長期戦になるだろうと思っていた。しかし長期戦以前に、きっとGE
MEOVERになると思った。城の頑丈な城壁は精神的にも、やる気を無くす。





「それじゃ、俺の作戦を話すよ」
若き軍師は言う。


「まず、俺達が挑むのはカルシウム城。頑丈な城壁は三重に張り巡らされ、城門、
 裏門、すべて前方に人工的な深い川が流れ、跳ね橋で行き来するようになって
 いるんだ。難攻不落の名を欲しいままにしてきた由縁がここにある」

「あぁそれは、わかってるよ軍師さん。作戦の方を教えてくれ」
フェイは若い軍師に言う。


「すまん。それじゃ本題に入ろう。取りあえず今わかっている事はコッソリと入
 る事ができないという点。見つかったら最後、逃げ道の跳ね橋は敵兵によって
 通れなくなり、城壁の上からは熱湯や熱砂を浴びせられて捕らえられてしまう
 よ」






「そうね。でも今、その城は何処とも争っていないから行商人に化ければ入れる
 余地があるんじゃない。平和な城は簡単に入れるわ」
ラネルは言う。


「そうだ。今回は城の主である首領の気を引くために香辛料を少し持ってきた。
 これを商品として売ると言って領主に近づくんだ」
よくぞ言ってくれましたとばかりに軍師は言う。


「で、領主にあって何をするんですか軍師さん。まさか隠し持ったナイフでグサ
 リってワケじゃないよな」
アースは捻くれて若き軍師に問う。


「あぁそんな事はしない。そんな事をしたら成功しても失敗しても俺達は極刑に
 課せられる。もっと確実なやり方でやる。これだ」
軍師は小さな瓶を一つ持って言った。

「魔法生成された、毒粉だ。フタを開けておけば場内に疫病が発生するだろう。
 そしたら俺達は何も知らないフリをして帰ればいい」



「私達も危険ですよ。城内にいるのですから」
心配そうにバードが言う。


「大丈夫だ。疫病といっても、最初は普通の毒……のはずだ。脱出後にゆっくり
 治療すれば恐ろしくもなんともない…………はずだ。」


「『はずだ。』という程度なら危険ですよ貴方の身も危ない」



「大丈夫だ。少なくともNPCである俺は毒のダメージを受けない」






「おい!俺達はどうなる」
フェイは焦って口を挟む。


「心配いらない! 冒険者たるもの目の前の効果を恐れてどうする!」



「は!?」
驚きと馬鹿らしさと不思議さを合わせて四人の声は見事揃った。



「だから心配いらないって。所詮、冒険者なんて宿に戻れば終わりじゃないか。
 前にも言ったとおり疫病っていっても最初はただの毒なワケだし。場面転換を
 最小すればいいんだ。安心しろ、俺が領主の部屋→城門→帰還(シナリオ終了)
 といくのように仕向けてある。何が心配なんだ、この天才的戦略に!」







「…………」
CWシステムに揚げ足とって、いい気になっているこの若い軍師。
リアリティを追求しないこの若き軍師は、本気でこの作戦を実行するらしい。

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