…………今度こそ地上、よね?』
 
 
  『はい、今度こそ間違いなく地上のようです』
 
 
  『ちげぇねぇ、ちげぇねぇ』
 
 
  『あなたたちの言葉に何度騙されたことか………でも、今度は本当みたいね』
 
 
  『ええ、その証拠に空に浮かぶ神の眼が』
 
 
  『あっちには幻の月も見えますぜ』
 
 
  『あれはただの月!例えそうじゃなくてもそう思わせて!!』
 
 
  『まあ、そういうことにしておきましょう』
 
 
  『実際、見事な満月ですしな』
 
 
  『けど、いったいあいつら何だったのかしら?』
 
 
  『いきなり襲ってきた二人組みですか?』
 
 
  『それとも、たまたま通りがかって助けてくれた旅の勇者ご一行?』
 
 
  『両方だけど……っていうか勇者があんなとこ彷徨ってていいの?』
 
 
  『人類が滅亡してないからまだ大丈夫なんですよ』
 
 
  『ちげぇねぇ、ちげぇねぇ』
 
 
  ………そういう問題かしら?』
 
 
  『それで、秋葉嬢。地上に戻ってきた感想は?』
 
 
  『今は夜だからかしら、あまり実感はわかないわね。朝日が昇ればまた違ってくるでしょうけど』
 
 
  『ラナルータ!』
 
 
  『しかし、MPが足りない!』
 
 
  『強制的に朝にしても感慨なんてわかないわよ』
 
 
  『にしても、ここどこなのかしら。屋敷の近くではないみたいだけど』
 
 
  『どこって、もちろん海鳴市ですよ』
 
 
  『海鳴市?なんだってまたそんな場所に』
 
 
  『それはもちろん、ここが全ての始まりにして終わりの場所だからですよ』
 
 
  『既に宝珠はその機能を終え、ジンバブエの方角へ消え去っていきましたがしかし!』
 
 
  『この地に残る「願望成就」の機能はちょっぴりながら残っているのです!』
 
 
  『というわけで秋葉嬢、疾く私を聖杯のカタチに折ってください!』
 
 
  『や、折り方とか知らないから』
 
 
  『そんな!こんな千載一遇のチャンスをみすみす見逃すというのですか!』
 
 
  『で、聖杯のカタチに折ったとして、どの程度の望みが叶うわけ?』
 
 
  『「明日の晩御飯に好物がでてくる」程度の望みですが』
 
 
  『スケールちっちゃ!!』
 
 
  『嫌いな料理が出てくるよりマシでしょう………あ、ちょいとそこゆくお嬢さん』
 
 
  …………私?』
 
 
  …………………!!!!』
 
 
  『そうそう、貴女です。ちょっと私を聖杯のカタチに折ってみてはくれませんか?』
 
 
  …………わかった』
 
 
  『でっきるかなぁ?でっきるっかなぁ?はてはてほほ〜い』
 
 
  …………はい。じゃあ』
 
 
  『ありがとうございます〜』
 
 
  『聖杯というか、ただの兜じゃない……』
 
 
  『というか、今の気配……鬼?まさか、ね』
 
 
  『逆さにすれば杯にならないこともないので大丈夫ですって』
 
 
  『というわけで、私たちの願いを叶えようと思います!』
 
 
  『思います!』
 
 
  『いいけど、そもそもあなたたちの願いって何なの?』
 
 
  『もちろん、擬人化です!いつまでも折鶴のままでいると思うな!』
 
 
  『思うな!』
 
 
  『そこの皿、この間と願いが違う』
 
 
  『願い事が一つしかないなんて誰が言ったんですか!夢はでっかくキングオブハート!!』
 
 
  『いくらなんでもそれは無理でしょ』
 
 
  『というわけでいきますよ、へる君!メタモルフォーゼ!!!!』
 
 
  『合点れい姉さん!トランスフォーム!!!!』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  『ぴこ?』
 
 
  『めりー』
 
 
  …………まあ、こんなことじゃないかとは思ってたわ』
 
 
  『これはこれで楽しいぴこよ?』
 
 
  『はい、今ならガンバスターも乗りこなせそうな気分です』
 
 
  『や、乗りこなさなくていいから』
 
 
  『というわけで、早速競馬予想にいくぴこよ』
 
 
  『え、もう週末なの?』
 
 
  『いえ、まだ出走馬すら確定してませんが』
 
 
  『じゃあ予想しようがないじゃない』
 
 
  『そこは愛と勇気でカバーぴこ』
 
 
  『できません!そもそも、ダンジョンからは抜け出したんだから予想する必要あるのかしら?』
 
 
  『ぶっちゃけありませんが、まあ余興と思って一つ』
 
 
  『ちなみに的中した場合は遠野屋敷の改修費を全て時空管理局が請負うぴこ』
 
 
  ………改修費?』
 
 
  『長い間留守にしてましたからね。隠し部屋の100や200は増設されてるんじゃないですか?』
 
 
  『帰ったらまず口座の確認ね……』
 
 
  『今回予想してもらうのはヴィクトリアマイルぴこ』
 
 
  『出走予定馬はご覧の通りとなっています。目からビーム!』
 
 
  ……夜空に馬柱を投影しなくてもいいと思うけど』
 
 
  『まあ深く考えてもしょうがないわね。今回はじっくりと予想しちゃいましょう』
 
 
  『人気になりそうなのは実力上位のスイープトウショウ、カワカミプリンセスぴこ』
 
 
  『他は阪神牝馬S組のジョリーダンス、アグネスラズベリ、ディアデラノビア』
 
 
  『ダービー卿勝ったコイウタやマイラーズCで一叩きしたアドマイヤキッスも上位人気になるかもぴこ』
 
 
  『穴を探すなら福島牝馬S組のスプリングドリュー・ヤマニンメルベイユなんかいかがでしょう』
 
 
  『最近は案外の競馬が続くアサヒライジング・キストゥヘブン・デアリングハート・フサイチパンドラも狙い目かもぴこ』
 
 
  『うーん、悩むわね………買い方は何でもいいわけ?』
 
 
  『今回は配当重視なので3連単ぴこ』
 
 
  『選べるのは6頭までとなっております』
 
 
  『3連単…………ならディアデラノビアの3着固定は必定ね』
 
 
  『まあ、それが自然の摂理ぴこね』
 
 
  『あとは1着にカワカミ・スイープ、2着にその2頭プラスのキッス・キス・ライジングでどう?』
 
 
  『堅実ではありますが、面白みに欠けますね』
 
 
  『いいのよ、手堅くて。もうあんなダンジョンに潜らされるのは懲り懲りですから』
 
 
  『ちなみに私の予想は一着サヨウナラ二着コイウタ三着ライラプスぴこ』
 
 
  ……コイウタ以外出走すら危ういじゃない』
 
 
  『こちらの予想は一着スプリングドリュー二着コスモマーベラス三着ソリッドプラチナムです』
 
 
  『まあ、それで決まったら100万馬券でしょうけど』
 
 
  『めざせ、いっせんまん!』
 
 
  『いっせんまん!』
 
 
  『一千万には届かないと思うんだけど』
 
 
  『さて、予想も終わったことだしそろそろ出発するぴこ』
 
 
  『でっぱつでありますよ、隊長』
 
 
  『そうね、早いとこ屋敷に戻りましょう』
 
 
  『ノンノン、次に向かう場所は月村邸ぴこ』
 
 
  『月村?夜の一族の?私は別に用はないんだけど』
 
 
  『俺たちにはあるんですよ、姉さん』
 
 
  『そ、じゃここでお別れね』
 
 
  『寂しくなったらいつでも呼ぶぴこ』
 
 
  『令呪使わなくても飛んでいきまっせ』
 
 
  『呼びません!そもそも、私はあなたたちのマスターでもなんでもありません!』
 
 
  『あんですとー?!』
 
 
  『まことかっ?!』
 
 
  『私と繋がっているのは兄さんだけです』
 
 
  『だから魔力の供給がなかったぴこね』
 
 
  『そういう問題ではないと思うけど。じゃあ、私は行くわね』
 
 
  『短……くはない間だったけど、一緒に旅できて、まあ、退屈はしなかったわ。ダンジョンは二度と御免だけど』
 
 
  『ツンデレぴこ!』
 
 
  『ツンデレ!』
 
 
  『ツンデレ言うな!!』
 
 
  ……それじゃ、ね。あなたたちも、適当に頑張りなさい』
 
 
  『あい。もとよりこの身は適当に出来てるぴこ』
 
 
  『最後は、いつもの挨拶で』
 
 
  『それでは』
 
 
  『いずれまた会う』
 
 
  『その日まで』
 
 
  『そいぎんた〜』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  『ここで使用しているアイコンはさんのフリー素材です。ち〜よ〜』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
用誤集?