コミックマーケット73 新刊



いつもの捜査。任務はロストロギアの回収。

いつもの日常。夏休みの図書館で、本を読む。

全く違う日々を、いつものように送る、二つの線。

それが、可能性と奇跡の坩堝にて、邂逅する。

一人は、八神はやて。夜天の主として、今回は『祝福の風』リインフォースUと『鉄槌の騎士』ヴィータを従える。

もう一人は、一ノ瀬ことみ。心優しき天才少女。

非日常で構成された無限の迷宮にて、二人は出会った。

それぞれの居場所へ戻るための探索行。その果てにあるものは。

『……えいえんへ、ようこそ』

哀しき少女の願い。

全てを解き放つために。『ともだち』を守るために。

ことみは、魔法の力に手を伸ばす!

―――― 一ノ瀬ことみ、魔法少女をやってみるの!――――








presented by 矢鴨食堂

魔法少女リリカルなのはVS Episode.6

永遠の墓標

〜魔法少女ロジカルことみ〜






魔法少女リリカルなのは × CLNANNAD

はやてとヴィータ、リインの三人は、任務中に見つけた謎のロストロギアによって、未知の迷宮へと飛ばされる。
一方、演劇部のシナリオ探しに図書館を訪れていたことみは、呼び声に導かれるまま、見知らぬ世界へと迷い込んだ。
謎の怪物に襲われたことみを助けたのは、はやて達。脱出のために共に迷宮を行くことに。
ことみを守るはやて達だったが、追い詰められ、窮地に陥る。
その時、ことみを呼んだ声が、彼女に一つの力を託す。
それは、大切な人を守る力。
魔法の、力。

しかし、出口を少女達の前に立ちはだかるのは、絶望。
自ら望んだ、孤独。
遙か時を経て、彼女達の足を絡め取る、縛めの鎖。

可能性と奇跡の吹き溜まり、『永遠の世界』にて。
少女達は、己の存在を賭けて、自らの闇へと立ち向かう!!



サンプルテキスト



 暑い。とにかく、暑い。肌が焼けるように。
「って、なんやぁっ!?」
 飛び起きると、そこは一面の砂だった。
「…………さ、砂漠?」
 口にしなくても分かることを口にして、自分で衝撃を強くするはやてである。
空は雲一つ無い青空。ぎらぎらと輝く太陽が、肌を火傷させる勢いで熱を降らす。
「あ……あづいですぅ〜〜〜……」
 半泣きになってふらふらと起き上がるリインに、無言で眉間を押さえるヴィータ。そして、少し離れた場所に…………魔法のロングコートを纏ったことみがいた。
 空を見上げていたことみは、手にしたワンドに小さく微笑む。
「ありがとう、なの」
 その言葉を合図に、彼女の身体を群青の魔力光が包み、拡散。光が散った後には、ごく普通のワンピース姿のことみが、あの羽を手に立っていた。
「ことみちゃん……」
「はやてちゃん……。無事で、よかったの」
 ふわりと笑顔を向けられる。釣られて微笑むが……それで済ませている場合ではない。
 先程、ヴィータが特異点を破壊した瞬間。世界がまるでガラス細工のように粉々になった。後に残ったのは闇。その中に落ちていく最中で、四人とも意識を失ったらしい。そして、辿り着いたのがこの砂漠の世界、というわけなのだが。
「お前……魔導師だったのか」
 いつの間に来たのか、ヴィータがはやての前に割り込んで、ことみにグラーフアイゼンを突きつける。
「魔導師ならば、魔法への理解が早くて当たり前だよな……。言え、何を企んでいる!」
 怒気を込めた恫喝に、ことみはびくりと身を震わせて、竦み上がってしまった。ふるふると半泣きになる姿を見ても、ヴィータは警戒を解かない。彼女にとっては、主・はやてに累が及ぶような事態は、一つでも減らさなければならないのだ。
 しかし、そんな彼女を片手で制して、はやてがさらに前に出た。ことみの両手を取り、包み込むように抱きしめて。真正面から瞳を逸らさずに、ゆっくりと優しく声を掛けてゆく。
「ことみちゃん。あの時、何があったか、教えてくれへん?」
 ことみは、後ろで不機嫌そうに鉄槌を担ぎ直すヴィータに怯えながらも、ぽつぽつと語り出した。
 突然、聞こえた声。変化した羽。そして、自分のしたいと思ったことを魔法に変換してくれた、ワンド。
「そう言えば、あのデバイス……ベルカ式でもなくミッド式でもない魔法を使っていましたね」
 はやての帽子の上に座りながら、リインが思い出しながら呟く。状況を聞くだけなら、あのデバイスはどちらの魔法でも難しい結界術を、術者の協力無しで発動させたと言うことになるのではないだろうか。
 はやての持つ羽。ヴィータが命がけで手に入れた羽。それと、ことみが持つ羽。何故かことみが持つ物は、透明ではなく群青に染まっている。差違といえば、それぐらい。同じ物に見えるのだが。
「これ自体が独立したデバイス……ちゅーことやろか?」
「待機モードってか? それにしたって、もう少し魔力は反応するだろ。これじゃストレージデバイスにだってなれねーぞ」
 リインは融合型デバイスという特例中の特例。ヴィータの持つグラーフアイゼンは、白兵戦を前提としたアームドデバイス。ミッドチルダにはこれと同格の物で、自分の意志を持つインテリジェンスデバイスがある。これらの下位として、術者が自ら術式を選択しなければならないストレージデバイスと言う物もある。むしろ、時空管理局ではそちらの方がスタンダードだろう。操作の手間は掛かるが、処理速度と消費魔力量はインテリジェンスやアームドに比べれば格段に安いからだ。
 自分の持つ羽をしげしげと眺めながら、ヴィータが首を捻る。なんとなく、帽子についたのろいウサギの脇に挟んで、羽帽子風味にしてみたりするが、魔力で編んだ騎士服に干渉する様子もない。それを見て、はやても仮想領域から自分の羽を取り出して、騎士服の胸に挿してみる。なんだか歳末助け合い運動でもらえる羽みたいだ。
 そんな主達の行動に目もくれず、リインは蒼天の書のページを捲って今までのデータを再検証。人差し指を立てて、気になる点を上げる。
「それに、ことみちゃんを呼んでいる声、というのが気になりますよね」
 確かに、それが一番怪しい。はやて達の時はそんな物は聞こえなかったのだし。だが、聞いた本人にはもっと分からないことなのか、疑問符三つ浮かべて首を捻るばかり。
「まあ、ことみちゃんがこのロストロギア(仮)と波長が合って、呼ばれたのは間違いないな。せやないと、ここに呼び込まれた理由が分からへん」
 はやての言葉に、ヴィータも不承不承頷く。ことみの言うことを完全に信じたわけではないが、ここは主の顔を立てたのだろう。
「でも、これで私もはやてちゃん達のお手伝いが出来るの」
 ことみがそんなことを言い出したが、はやては苦笑しながらそれをやんわりと断った。
「私達は、ことみちゃんのような普通の人を守るのがお仕事や。使命を果たさせてくれへんかな?」
 少しは食い下がるかと思ったが、ことみは「そう?」と一言言っただけであっさりと引き下がってくれた。ただ、やたらと残念そうではあったが。
「……んで、ここどこよ?」
 未だにことみにジト目を向けているヴィータだが、周囲の砂の山を見回して、肩を竦める。
「さっきと同じ次元のどこか、だとは思うんですけど。相変わらず、座標はアンノウンのまんまですぅ〜」
 リインが最近練習している氷結系の魔法で小さな氷の塊を出して、しがみつきながらそんな報告をする。念話通信も相変わらず不通だった。
「とりあえず、上に上がってみよか」
 はやてが、リインを頭に乗せたまま、飛行魔法でふわりと浮き上がる。そして、ある程度上がった段階で。

「「うわーーーーっ!! すごーーーっ!!」」

 という歓声が響いた。疑問符を浮かべるヴィータとことみだったが、こういう場合は自分達も見た方が早い。ヴィータも宙に上がろうとして……ふと、振り返る。
どこか、心細そうに、こちらを見上げてくる、女の子。彼女は、何も言わない。言わないのだが。
「…………あーっ、くそっ!」
 バリバリと頭を掻いて、ことみの側に舞い戻る。そして、彼女の腰を左手で抱きすくめた。
「???」
 何が起きているのか分からずにきょとんとしていることみに、ヴィータはぶっきらぼうに告げる。
「しっかり捕まってろよ。空飛ぶからな」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
 ふわりと浮き上がる間隔に、ことみは声にならない悲鳴を上げた。だが、すぐにほう、という溜息に変わる。
眼下に広がる、砂色の大海原。世界を真一文字に貫いた、地平線。青と砂色のツートンカラーの世界は、どこまでも荘厳で美しい。
 そんな景色に見とれていると、はやてとリインの興奮した声が耳に飛び込んできた。
「うはー! これはほんまにすごいわ!」
「ヴィータちゃん、ことみちゃん、あれ!!」
 二人の示す先には。巨大な四角錐の建造物と、それを守護するような石像がどかんと砂漠に突き立っていた。
「ピラミッド?」
 ことみが見たままを言う。どこからどう見ても、ピラミッドだった。その前にあるのはスフィンクスだろうか。
 だとしたら、ここはサハラ砂漠で元の世界に戻ってきたのか、と思うところだが、本物のピラミッドは側まで街が来ている。上空から見下ろしても、そんな人の暮らしの痕跡は見つからない……どころか、人工物はピラミッドとスフィンクスだけという徹底ぶり。
それに、そのピラミッド。
…………どう見ても縦に三〇〇mはありそうな、超巨大建築物なのだ。世界最大のギザのピラミッドでも、その高さは百四十六mだから、優に倍はあるということになる。
「とりあえず、あそこに行くしかない……やろなぁ」
 はやての言葉に、全員で頷く。今までは、羽を手に入れることで事態が動いている。そして、彼女たちの転移する先には羽がある。
おそらく、あのピラミッドにもあるに違いない。
……まあ、そう信じでもしないとやってられない、というのが正直なところなのだが。




涙の海に沈んでも、諦めない気持ちを持ち続けた時、道は開く。

だからこそ、灰色の雲の彼方へ向けて。

テイク・オフ!!
























同時収録

魔法少女リリカルなのはVS Episode.6.5

魔法少女リリカルなのは × 錬金3級まじかる?ぽか〜ん

砲撃3段りりかる?どか〜ん



(色んな意味で)凄腕捜査官・リタと共になのはが訪れたのは、日本の海。
海水浴場で水着姿の彼女達は、ロストロギアを追ってオーパーツ満載のダンジョンへと潜入する。
しかし、物理的トラップに引っかかったなのはは、一人で地底の底へと放り出されてしまう。

一方。
場末のスナックでカラオケを歌っていたら、ヤクザに因縁つけられたので撃退したところ謎のじいさんから宝の地図をもらったゆうまと鉄子。
パキラとりるを誘ってどっかの山に宝探しに来ていた。
『なんでも願いが叶う奇跡の力が秘められた宝』に素敵な彼氏ゲットの夢を見る四人。

どこがどう繋がったのか。
地下洞窟でなのはとモンスター・プリンセス4人組は偶然出会う。
成り行き任せの宝探しは、やがて天変地異を巻き起こす!?


サンプルテキスト



 その後、五人になったにわかトレジャーハンター達は、罠という罠に嵌りまくった。
 落とし穴があれば、落ちる。
 ……下に槍衾があったが、なのはとパキラが飛べるので事なきを得た。
 壁を触れば、巨大な岩が転がってきた。
 ……これは、怪力を誇る鉄子が受け止め、なのはが砲撃で粉砕。
 扉にはなにやらパズルが設置されていて、解かないと開かないようだった。
 ……が、誰も解けずに、結局りるが蹴破った。
 宝箱があれば、躊躇無く開ける。
 ……毒針でゆうまが麻痺して転がったが、誰も解毒方法を知らない。結局、毒を吸い出して自然回復を待つしかなかった。
 そんなこんなで、ヘロヘロになりながらも、五人は地下迷宮のさらに奥へ奥へと降りていった。

「なのちゃんは魔法使いなんだよね?」
 横に並んで歩いているゆうまが、興味津々の顔で聞いてきた。
「え? うん、そうだけど」
「えへへ、なんだか仲間に会えると嬉しいなぁ」
 ニコニコと笑うゆうまに、こっちも釣られてしまう。そこに、ニヤニヤと笑うりるとパキラが横槍を叩き込んだ。
「仲間っつっても、なのはは役に立ってるよなー?」
「そうよね。空は飛べるし、岩は壊すし。どこかの錬金3級とは大違いよね〜?」
 確かに。ゆうまは殆ど魔法を使っていない。使っても、本人の意図とは全然違う結果が起きたり。
 事実なのだが、事実故に、ゆうまには面白くない。みるみる不機嫌になっていく。
「そんなこと言ったって、なのちゃんの魔法は『魔法少女』とか『魔女っ子』じゃなくて、『機動戦士』とか『勇者』とかの呼び名の方が似合いそうなのばっかりじゃない。夢がないよ〜!」
「夢がなくたって、役に立つかどうかの方が問題でしょ? 現にあんただけが役立たずなんだし」
「ううう、パキちゃん、ひどい〜!」
 涙目になって腕をブンブン振り回してロボコン・パンチ。ただの駄々っ子状態である。パキラはふわりと宙に逃げてさらに上空から追加の口撃を加える。
 その横で。
「……お? どした、なのは?」
「……薄々気付いていたんだ……。魔法使いになったのに……夢がないなぁって……」
 なんでか、なのはが膝を抱えて暗く笑っていたり。
「おーい、なのはー?」
「これも御神の宿命とかってお兄ちゃん言ってたけど……わたしの前には修羅の道しかないんだね……。最初のうちは、もっとリリカルな展開を期待してたけど……最近じゃ、すっかりバニング大尉だよ……。星の屑、止めちゃうよー? スターライトブレイカーだけに……うふふふ……」
 なにやら、色々と溜め込んでいたものに点火してしまったらしい。たはは、と笑う横で、ゆうまの方もそろそろ本気で泣きそうになっていた。いい加減に場を収めるかー、と思った矢先。
「みなさーん。何か変なの見つけたんですけどー」
 横道を覗き込んでいた鉄子からの声。なんだなんだと集まっていくと……そこはまた妙な場所だった。
「……格納庫?」
 その一角だけ、床も壁も金属製。キャットウォークやクレーンなどと言った物も見える。巨大なハンガーには、ザクの一機でも収まっていても違和感が無さそうだ。
「……本当に星の屑の成就を止めなきゃいけないのかなぁ……」
 なにやらぶつぶつ言っているなのはを残して、ゆうま達はぱらぱらと無警戒に中に足を踏み入れる。幸いにも、罠は発動しなかった。
 そして、空のハンガーの横に、大きな扉を発見した。
「これは……機械式ロック?」
 一応、メカ的存在である鉄子が覗き込んで不思議そうな顔をする。鋼鉄の扉の横の壁に埋め込まれた端末。カードスロットとテンキーが設置されている。今までは一応ファンタジー要素中心だったのに、ここだけSF風味だ。
「つーか、これってオーパーツってやつじゃね?」
 壁をコンコンと叩きながらのりるの言葉に、パキラが鼻で笑った。
「何を今更。ここまで見てきたものだって、普通ならあり得ないものの連続だったじゃない」
「まーなー。でも、これは……明らかに人間界の技術力を上回ってるだろ?」
 その会話を聞いて、なのはも我に返る。確かに、これはアニメや映画の中……もしくは時空管理局にでも行かないとお目にかかれない規模の設備だ。
「……本当になんなんだろうね、これ……」
 危険なロストロギアが眠る、謎の地下迷宮。これが、自分の生まれた国の下にある。世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるんだな、と感慨深げに思っている横で。
「なんでもいーよ。ともかく、お宝ー!」
 元気よく叫んで、ゆうまが扉を調べている鉄子の横へと駆けてゆく。
 確かに、彼女の言うとおり。分からないものは分からない。理解する努力は必要かも知れないが、分からないのならその中で目的を果たすだけだ。
「開きそう?」
 リュックから色々な機械を出して、コードを端末に接続している鉄子に聞いてみると、微妙な顔をして首を捻った。
「秋葉原で買ってきた電子錠解除セット……どうも使い勝手が悪くて……」
「どこで何を買ってきてるの……」
 汗ジトでツッコミを入れるが、とりあえずこれぐらいしか使えそうな物がないのも事実。だが、そもそも規格が合うのだろうか。大前提からしてダメな気がする。案の定、鉄子の首の角度は、より深く曲がっていく。
「そんなときこそメルヘンな魔法の出番〜!」
 そう言って、ゆうまが胸のハート型ブローチを魔法のバトンへと変化させる。足下で怠そうにしていたおにぎりウサギの黒い方――――タンが三角帽子に変身し、頭の上へ。これが、ゆうまの魔法使いスタイルだ。ちなみに、もう一匹のおにぎりウサギ・ジュンは足下で未だに怠そうにしていた。
 バトンをくるくる回すと、足下に魔法陣が出現。ミッドチルダ式でもベルカ式でもない。なのはが見たことのないものだ。
「小さな子人よ、鍵穴の中に入って仕掛けを外して。カチャカチャ〜、パッキン〜、カチャカチャ〜、パッキン! ひらけ、ごまーーー!!」
 適当としか思えない呪文だが。確かに、それで魔力が動いた。ゆうまの足下から魔力が風となって吹き上がり、彼女のスカートとマントを舞い上げる。そして。
 ゴゴゴゴゴ、と言う地鳴りが、扉から聞こえた。
「おお!? 開くのか!?」
「うっそ!? ゆうまの魔法が……役に立った!?」
「りる、パキちゃん、それってどういう意味〜!?」
 ギャーギャーと言い争いを始める三人を尻目に、扉が動く。
 ……向こう側へと。
「「…………へ?」」
 見守っていた、なのはと鉄子が、変な声を上げる。その反応に、残りの三人も思わず振り返る。
 すると、そこには。
 左右両開きのはずの扉が、向こう側へと倒れて行く絵が。
 そして、程なく、ずずーん、という重低音と共に、鋼鉄の扉は倒壊した。
 微妙な沈黙が、落ちる。
「…………と、とりあえず開いたよ!」
 グッ!と親指を立てるゆうま。だが、その後頭部に浮かんだでっかい汗は隠しようもない。
「これは……開けたと言うよりも……」
「壊した、だよな…………」
 りるとパキラの呟きに。なのはが、ゆうまにグッ!と親指を立てた。
「仲間、だね!」

 とりあえず、扉が開いたのは間違いない。中を懐中電灯で照らすと、倉庫のようだった。
「これも宝箱と言えば宝箱なのかしらね?」
「そうじゃねーかなー。ほら、なんでかマジックアイテムがあるぞ?」
 夜目の利くパキラとりるが先に物色を始める中、残りの三人も手近なところから探索を始める。そして、すぐにゆうまがあるものを見つけた。
「ねーねー、これって魔法のバトンじゃない?」
 そう言って持ってきたのは、バトンと言うよりは杖。しかも、お伽噺に出てくる魔法使いのおじいさんが持っていそうな、木の杖だった。
「バトンだとしても……ゆうまさんが欲しいって言ってたピエロ系じゃないですよ? ウィザード系って感じですけど……」
「古典でも、とりあえず使えそうじゃない?」
 なのはからしてみれば、デバイスのように見えなくもないが……形状が違いすぎて何とも言えない。
「おーい、こんなのもあったぞー」
 そこに、りるとパキラが引っ張ってきたのは、丸いロボットだった。球状の胴体に短い足と、水掻きみたいな手が付いている。
「これ、鉄子なら中から動かせるんじゃない?」
 パキラに言われて、ハッチを開けて覗き込む。大きさとしては、鉄子の水着(潜水服とも言う)と似たような感じだ。外見としては着ぐるみみたいになるかも知れない。
「水の多い場所に出ましたし……使えるかも知れませんね」
「いいなー、あいちゃん。こっちのバトンも使えるのかなー?」
 ゆうまが、さっきの杖をブンブンと振り回していると、一枚の紙がはらりと落ちた。どうやら、この杖に付けてあったらしい。
「なんだろ……」
 なのはが拾うと、達筆な字で、名前らしき物が書いてあった。
「……わーどなーの杖?」
 どうやら、それがこの杖の名前らしい。
「わーどなーってなんだ?」
「ワーって言うぐらいだから、りるの親戚みたいなものじゃないの?」
「ワーウルフとか、ワータイガーみたいな獣人ってこと?」
「え? じゃあ、どなーってどんな動物ですか?」
「ドナー……移植の提供者?」
「なのは、それって動物の名前じゃないわよ?」
「どなー……どなー……ドナドナー…………?」
「……分かった! 子牛の杖!!」
「それ、すっげー呪い掛かってそうだよな……」
 口々に適当なことを言う五人である。だが、この杖、ゆうまが装備できそうなのは確実。そして、呪いはどうやら無いっぽい。
「……ぽいで装備すんのか?」
「呪いのアイテムなら、それはそれで強力そうじゃない?」
「いや、装備するのはあなただから止めないけど……」
 などと言っている間に、ゆうまは杖を手に魔力を通す。魔法の発動体は、手にして己の魔力を認識させることで、初めて装備品となる。ふわりとスカートが舞うのは、ゆうまの魔力発露の特徴。風が止んだあと、ゆうまにはこれと言った変調は見られなかった。
「呪われては……いないみたいですね」
「んー。魔力は上がったよーな……。後でなんか使ってみるよー」
 ブンブンと振り回しながら、実に感覚的な返答である。
「他になんかめぼしい物は……っと」
 ゆうまと鉄子が良さそうな物を拾ったのが羨ましかったのか、りるがもう一度倉庫内をざっと見て回る。すると、さっき丸いロボットが置いてあった後ろに、ある物を見つけた。
「お。これは……下へのスロープ?」
 そうやら、ここからさらに奥に行けるようである。広さもそれなり。鉄子の引く大八車も通れそうだ。
「よっしゃ。この奥にこそ、願いを叶えてくれるお宝があるに違いない!」
 そうして妄想しながらげへへと笑う。一番欲しい物は、まだ手に入っていないのだ。



※ イラスト掲載は間に合いませんでした。こちらのみのお宝画像!

OK,Ok,Let’s Go ♪!








新書版・268P フルカラーカバー付き!
表紙はのSTRO−さん!
カバー下表紙はとーたしぇるっ!の水科寿隆さん!
本が自立する厚さの狂気の一冊!
矢鴨食堂の同人誌のレコードを更新するボリューム!
……って、毎回更新してるな……。京極病?(爆)

あー、後締め切り1分前にページ勘定間違えてたことに気付いて、慌てて直したんですが、間に合いませんでした(死)。
そんなわけで、白紙が発生しております(爆)。落丁・乱丁ではないのでご注意を(オイ)。
恥かきついでに。
エリオの一人称が間違っております(爆)。……ごめんよー(泣)。
……と、ともあれ、それなりの出来ですので、お楽しみに。
特に永遠の墓標のクライマックスは、JAM Projectなんか聞きながら読むと臨場感ばっちりです!
……CLANNADとのクロスだよな、この本……?(汗)


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