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タンゴ組曲(A.ピアソラ)

Tango Suite for Clarinet Quartet (Astor Piazzolla)

I.デチーゾ
II.アンダンテ・ルバート,メランコリコ
III.アレグロ

I. Deciso
II. Andante rubato, melancolico
III. Allegro
スコア

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 アルゼンチン・タンゴの代名詞ともいえる作曲家ピアソラが,天才的ギター・デュオ,アサド兄弟のために書いた作品をクラリネット四重奏に編曲しました。

 多声楽器の技巧的な作品をカルテットに編曲したこともあって,難易度はかなり高いスコアになっていますが,それだけに仕上げられた際の演奏効果は絶大でしょう。実力に自信がある一般団体などにぜひともチャレンジしてみていただきたい1曲です。

 

作品データ
作曲者 A.ピアソラ(Astor Piazzolla)
編曲者 黒川圭一 (Keiichi Kurokawa)
発表年 2010年
編曲初演 六角橋吹奏楽団
演奏時間 約17分30秒
   I.Deciso(約5:20)
   II.Andante rubato, melancolico(約5:00)
   III.Allegro(約7:00)
編成 クラリネット4重奏
編成詳細 Cl. 1-3
B.Cl.
グレード ★★★
調性 原調
出版社 ブレーンミュージック(販売譜)
参考音源
●曲目解説
  アルゼンチンを代表する音楽家,アストル・ピアソラ(Astor Piazzola, 1921-1992)は,世界で最も有名なタンゴの作曲家でありバンドネオン奏者であるといえるでしょう。ピアソラは幼少期のニューヨーク滞在やパリ留学の影響もあって,古典的なアルゼンチン・タンゴにクラシックやジャズの要素を融合させた独自の音楽世界を創り上げました。
  1983年秋,ピアソラがパリで開いた夕食会において,かねてからピアソラのファンであったブラジル出身の天才的ギター・デュオ,アサド兄弟が,ピアソラの作品を編曲したものを演奏しました。その演奏に非常に感激したピアソラが,2人のために書き上げたのがこの「タンゴ組曲」です。
 多声楽器であるギターの2重奏をクラリネット4本に編曲したこともあり,難易度は決して低くありません。そのため,どうしても細かなパッセージやタンギングなどに気を取られてしまいがちですが,あくまで「タンゴ」であることを意識して,リズムの流れが失わないようにしてください。特に,1,3楽章では「3+3+2」のリズムに乗り(拍子が4/4ではなく8/8であることに注目)各小節の1拍目に強い重心が掛かるのを感じて演奏すると良いでしょう。
 楽譜中,3楽章でスラップ・タンギングの指定がありますが,原曲ではギターのボディーなどを叩いています。状況が許すようであれば,響きの良い箱やカホーンなどで効果音を入れても良いでしょう。参考演奏CD(BOCD-8196)でも木の箱を叩いて効果音を入れています。
 演奏にあたっては,ぜひ原曲の雰囲気に触れて欲しいと思います。上述のアサド兄弟のデュオのほか,兄弟2人に天才的チェリスト,ヨーヨー・マが加わった演奏(この編曲でもところどころでこのバージョンを参考にしています)の録音が入手できますので,ぜひ研究してみてください。情感溢れる演奏を期待しています。
 この編曲は,六角橋吹奏楽団のクラリネット四重奏メンバーの委嘱により2010年に編曲したもので,同年12月19日に行われた,第34回神奈川県アンサンブルコンテストにおいて,同アンサンブル(Cl.1 亀田 卓,Cl.2 髙野信二,Cl.3 永山悦子,BCl. 松田悠子)によって初演されました。