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ステーシーの美術 1996年3月23日(MCA VICTOR)→amazon

FIST OF FURY
詞・JAMES WONG/曲・JOSEPH KOO&KU CHIA HUI/編曲・筋肉少女帯

銀輪部隊
詞・大槻ケンヂ/曲・本城聡章、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

おもちゃめぐり
詞・大槻ケンヂ/曲・本城聡章、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

トゥルー・ロマンス
詞・大槻ケンヂ/曲・本城聡章、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

再殺部隊
詞・大槻ケンヂ/曲・橘高文彦、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

星座の名前は言えるかい
詞・大槻ケンヂ/曲・本城聡章、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

リテイク
詞・大槻ケンヂ/曲・橘高文彦、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

モコモコボンボン
詞・大槻ケンヂ/曲・内田雄一郎、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

子犬にしてあげる
詞・大槻ケンヂ/曲・内田雄一郎、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

鉄道少年の憩
詞・まんが道/曲・内田雄一郎、筋肉少女帯/編曲・筋肉少女帯

FIST OF FURY 〜再生〜
詞・JAMES WONG/曲・JOSEPH KOO&KU CHIA HUI/編曲・筋肉少女帯

[Guest]秦野猛行(Key)、小川文明(Key)、安紀(Cho)
桑野聖ストリングス
東京スカパライダイスオーケストラ 他

【アルバム解説】
ミュージシャンの作品は聴き手に渡ったときにはじめてその意味をもつ といえましょう。作り手の手を離れて作品は聴く人によってそれぞれの 心の中で育っていくのであります。
というわけで今回の筋少のアルバムなのですが、もう筋少は何枚ものアルバ ムを出しているわけですから、聴く人はそれぞれ「こういう筋少が好き」と いうイメージを持っている方が多いかと思います。それは例えば橘高さんの お城系ハードロックを期待している方もいれば、大槻さんのどろどろした詩 を期待している方など。または「今よりあのころのほうが良かった」と思っ ている方も少なくはないでしょう。
大槻さんがソロアルバムを出したあたりの頃から言っていたのですが、 キングクリムゾンなど一度解散して再結成したバンドなどを今ライブで聴き にくる人々はみんな昔の曲をやってほしいと思っている、昔の曲を聴いてノ スタルジーに浸れてそれで心が癒されたりするのがいいことなんだ、という 事をですね。
ライブなどで最近筋少のメンバーは、筋少が以前のように売れなくなった、 というようなことや回顧話をよくするようになりまして(それを自虐的ギャ グと呼ぶ...)ファンはもう昔のような筋少を求めている、だからこれからは 昔から聴いているファンをノスタルジーに浸らせるべく、それだけの為に筋 少をやっていくなんて思って欲しくないです。私としては。筋少は一度解散 や活動中止しているバンドではないですし、今までずっと第一線でやってき ているわけですし、現在のメンバーでの曲で名曲をいくつもうみだしてきた のですから。これからも新たな名曲を作って欲しいと思います。
受け取る側はどう感じようと自由ですし、それぞれ感じ方は違うと思いま す。そして作品は、聴き手に渡ったときにはじめてその意味をもつと同時 に、ライブでやったりしてしばらくした後に、それが名曲となるかどうかが わかるのです。きっとこの新しいアルバムからも名曲が生まれると思いま す。
大槻さんが最近のインタビューで『青春をともに過ごしたバンドだから、 筋少をまたやってくれ』と言っているファンが多いから、筋少をまたやっ た」というような事をですね、言っていたわけですが。
たしかに私は16の時に筋少ファンになって7年経ちます。しかし私はファン になった頃が一番良かったというわけではありません。その時その時の筋少 に、初めて聴いて好きになった時と同じような衝撃を受けてきたのです。少 女の時にファンになったからだけではない、今は23の私として、今の筋少が 好きでいるのです。
そして、その時々に新たなファンも増えていっていました。(もちろん減っ てもいるが)これからも新たなファンを獲得していってもらいたいです。

で、アルバムの感想なのですが。
筋少はジャンルにとらわれない、つねに聴く人の心をゆさぶる曲を作ってい るバンドですよね。明るいか暗いか、ハードかポップかなんて私には問題 じゃありません。素直に自分が感動したと思ったものを好きになります。
今回はなにがポイントかなっていうと、大槻さんの詩は今までと「泣き」の 種類が違うんですよね。今までの作品でのラブソングはだいたい女性と男性 の気持ちがすれちがったり一方通行だったりしていたところが、今回初めて お互いの気持ちが通じ合ったっていうのかな。それでもどちらか片方が死ん でしまったりして悲しい話なのだけれども。しかし相手がどんな醜い姿でい ようとも、その相手の心を愛しつづけていると。今までになかった、なんと も深い愛を歌っているんですよ。そんなとこですかね、ぐーっと涙腺緩むわ けです。とりわけ「再殺部隊」と「リテイク」では最後のあたりで泣かせま すね。橘高さん作曲は今回この2曲なんですが、洗練された決めの2曲って感 じですね。すばらしいです。
それから、本城さんは筋少の曲で特によくライブで定番になっている曲を けっこう作っているわけなのですが、今回の4曲もなかなかライブを期待で きそうですね。「銀輪部隊」は疾走感のある本城さん系グルーブが詩の自転 車の軍団が走る物語によく合っていて大変良いです。詩は以前あった「人生 は大車輪」に通じるような仲間をテーマとした話ですね。しかし今回はひと りひとりは孤独だ、ということになっているようですが。それにしてもなん だかこの詩が筋少というバンドそのものを感じさせるような気がするのは私 だけでしょうか。久しぶりに筋少ができて嬉しいぜ、みたいな気持ちが伝 わってくるようです。まさにオープニングにふさわしい曲といえましょう。
そして内田さんの曲はほんとうに内田さんという人間らしいというか、ふふ ふとほくそえんでしまうような3曲ですね〜。「モコモコボンボン」は、メ ンバーそれぞれのロックに対する愛情があふれているように感じます。「鉄 道少年の憩」を聴いていると、ライブで演奏するそれぞれのメンバーの姿が 見えてきましたよー(笑)楽しみですね。詩のほうは、初期の頃を匂わせる趣 きですね。私は個人的に小さい頃からよく列車の夢を見るので、なんだか感 慨深いというか、夢を映像として再び見れたような気分になるので嬉しいで す。

そういったわけで、やっぱり筋少の曲は今回も私にとって特別なものになっ たな、といった感じなんですね。
(96.3.31)