仲良しヤドカリ達の話
磯辺のタイドプールなどでホンヤドカリやイソヨコバサミが、小さなヤドカリをはさんで連れまわしているのをよく見かけます。 どちらも同じ種類のヤドカリ同士で、小さいヤドカリの殻の入口をはさんで連れまわしている方が雄で、はさまれている方が雌です。
このヤドカリ達の行動は、雌のヤドカリの腹部にある4本の腹肢に産み付けられた卵が成熟し、もうすぐゾエア幼生が生まれそうな雌を捕まえ持ち歩きます。持ち歩かれている間はその雄に守られながら卵は成育し、やがてゾエア幼生を大海原に放ち、その後持ち歩いていた雄と交接してしばらくすると別れるのです。
1 . ゾエア幼生から小さなヤドカリになるまで
ホンヤドカリの寿命は、3〜4年と言われています。
| 殻の中の卵の様子→ | ![]() |
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←雄に持ち運ばれる 雌のホンヤドカリ 雄に掴まれながら、→ ゾエアを生み出す (沢山の卵が見える) |
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←ホンヤドカリの卵と、 孵ったばかりの ゾエア幼生。 大海原に放たれた→ ゾエア幼生。 沢山の試練が待ち 構えている。 |
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2 . ホンヤドカリの繁殖期は、10月から翌年の5月頃迄
3 . オカヤドカリの繁殖行動?
そういえば、オカヤドカリが雌を持ち歩く光景を見たことがないのに気付きました。
私が沖縄を訪れるのが7月から8月なので、タイミングが合わないという事だったのでしょうか。 そこで図鑑による調査を行なったのですが・・・
といった情報しか入手できませんでした。
少なくともオカヤドカリは抱卵期が8月との事なので、ホンヤドカリのように雌を持ち歩く習性があるとすれば私の訪れた7月・8月の沖縄の海辺は、オカヤドカリのカップルが無数にいていいはずなのですが、 オカヤドカリ達のこの様なカップルにお目にかかることはありませんでした。
ホンヤドカリのように水中で生活する場合は、浮力の関係で雌を持ち歩いても、あまり重くなく安全性・確実性の面からもメリットがあるのですが、陸上生活をするオカヤドカリ達の場合は重いし、体力を使うためメリットが無いので、カップルは構成しないのではないのかと考えました。
それならオカヤドカリ達は、どのようにして子孫を残すのでしょうか。
私は沖縄の石垣島に着き、ホテルにチェックインすると、タクシーで白保に行くことにしています。
移動日の午後の、中途半端な時間を有意義に使うためです。 白保に着くと帰りの時間を運転手に告げて、その時間に迎えに来てもらうようにして撮影に向かうのです。
その日は、オカヤドカリ達の行動がいつもと違っている様に感じました。
干潮の時間を過ぎて、潮が徐々に増えて来た白保の海にそそぐ轟川の川岸を上流から海に向かう一群のオカヤドカリ達がいました。 目的が何かは分からないので後を追ってみましたが、いつのまにかその群れは消えてしまいました。
それから30分程して、今度は海側から轟川の上流に向かうオカヤドカリの一群がいましたが、これもまたいつの間にか消えてしまいました。
潮もだいぶ満ちて来て、目を砂浜に転じてみました。
いつもは白いサンゴの砂浜に、直径3〜4cmの穴があいていて、そこからスナガニが顔を出していて、私の動きを察知すると瞬時に穴に引っ込み、その後なかなか出てこないのでいつも根負けしてその場を立ち去るため、スナガニそのものを観察・撮影する機会がめったに無かったのですが、今日は様子が少々違っていました。
いくつかの穴から、スナガニがせっせと砂を運び出しているのを見付けて、2m位迄近付くことが出来ました。 何度か穴に引っ込みましたが直ぐに出て来て、砂を穴から抱えてきて穴の周りに捨てていました。
観察をしながらふと傍らを見ると、オカヤドカリが2匹いつもとは少し違う感じで絡み合っていました。
2匹ともほぼ同じ大きさで、一方の殻の上に登ったり、その2匹が寄り添うように並んで歩いたり、再び一方が相手の殻によじ登ったりして動き回っていましたがそのうち2匹が向かい合う形となり、2匹は殻から半分程抜け出して抱き合うようなしぐさをしていました。
オカヤドカリの交接の瞬間でした。
数秒後、2匹は再び並んで歩きだし、モンパノキの茂みの中に消えていきました。
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| 殻の奪い合いと似た行動だが、内容 は大分違っていた。 | 2匹は向い合い、体を殻から乗り出して交接をした。 | 交接後、2匹は仲良くかばいあいながらモンパノキの茂みに消えた。 |