広がるSANDMANの世界

アメリカで爆発的な人気を得たサンドマンシリーズですが、商売の機会を逃すなというわけで(?)、DCではいろいろとシェアード・ワールド的な展開も見せています。

1996年にDC/VERTIGOから刊行され、現在も続いている人気シリーズ"The Dreaming"は、謎と物語の守り手、カインとアベル兄弟を狂言回しとして語られる幻想的な短編集。様々なライター、アーティストがゲイマンの設定したサンドマンワールド、夢の王国を舞台にした物語を描いています。
エンドレス達はほとんど登場しないものの、カインとアベルを始めチビガーゴイルのゴールディやイブ、マッドハティーなど、おなじみのキャラクター達が顔をそろえる。特にアリサ・クイントニー原作の"His Brother's Keeper"ではカインとアベルの弟、セスや有名な(?)「カインの妻」ジュメラという新キャラクターも登場しているので、今後の展開が楽しみ。
カインとアベルは元々、70年代初めにDCが出していた怪奇コミックシリーズ"House of Mystery"のホスト役として登場したキャラクターでしたが、サンドマンの成功で一躍リバイバル人気が上昇。それにあやかってDC/VERTIGOは過去の"House of Mystery"作品を再録したアンソロジーシリーズ"Welcome Back to the House of Mystery"を開始しまた。
収録作品はスターログ別冊「バンピレラ」を読んでいた世代には懐かしい、ウォーレン風の典型的なホラータッチの作品ばかりですが、バーニ・ライトソンを始めとしてニール・アダムス、アレックス・ニーニョなど、さすがにアーティストの顔ぶれは厳選されています。(それにしても懐かしい名前ばかり…(;_;)) ゲイマン原作による新作プロローグとエピローグもあり。
その文学性が高く評価されているサンドマンシリーズですが、ファン・ライター達が書いたサンドマンワールド小説を集めてゲイマン自身が編集した作品集が"The SANDMAN: Book of Dream"。ファン・ライターといっても、ゲイマンが高く買っている無名の同人誌作家からジョージ・アレク・エフィンジャー、ナンシー・コリンズ、ジーン・ウルフといった実績のあるプロ作家まで、その顔ぶれ(と作品の出来?)は多彩です。口絵としてクライブ・"ヘルレイザー"・バーカーによるデスのイラストもあり。1996 Harper Prism.
タニス・リー風耽美小説(?) のデリア・シャーマン「魔女の心臓」や、ドリームとデリリウムが力を合わせてテロリストの破壊活動を阻止するカレン・ハーバー「骨の乾く場所」など好きな作品も多いので、そのうち拙訳(超訳?)をここに掲載したいと思っていますが…。
この他にもゲイマン原作・原案の"Books of Magic"シリーズに、デスを始めとするサンドマンワールドのキャラクター達がゲスト出演しています。また未見ですがJLAにもダニエルがゲスト出演しているそうです。

(1999/11/03)