サンドマンの歴史

ウェスリー・ドッズ(初代サンドマン)
初代サンドマンが登場したのは1939年、アメコミのGolden Ageと呼ばれる時代、DCコミックが出版した"New York World's Fair Comics "というアンソロジー。そして1940年の"Adventure Comics #40"から本格的な連載が始まる。

オリジナルの原作者ガードナー・フォックスによるサンドマンはつばの広い帽子にガスマスク、マントで正体を隠し、催眠ガスのガス銃を武器に悪人達を眠らせては警察に突き出すというクライム・ヒーローだった。
その正体は大金持ちのプレイボーイ、ウェスリー・ドッズ。
しかしやがて人気が低迷してくると、スーパーマン風のピッチリした黄色と紫のコスチュームに変わり、バットマンのロビンよろしくサンディーという孤児のサイドキックをつれてあるくようになる等迷走した揚げ句、最終的には1960年代に姿を消すことになる。

日本語版サンドマンでも第1巻第1章16ページ目にその姿を見せているが、ここではドッズがコスチュームをまとったヒーローとなった理由をロデリック・バージェスによりドリームが捕えられたことによる世界の補償作用の現れとして説明している。
近年になってVERTIGOの"Sandman Midnight Theatre"というシリーズで、このゴールデンエイジ・サンドマンは復活しているが、さすがに原色ギラギラのコスチュームではなく、クライム・ノベル風の渋いイメージのキャラクターとなっている。

ギャレット・サンフォード
(二代目サンドマン)
1974年にジャック・カービィとジョー・サイモンによってスーパーヒーローとしてよみがえったのが黄色と赤のコスチュームに身を包んだ二代目サンドマン。
サイモンによるオリジナルの設定では夢の世界のドリームドームを基地として、悪夢のブルートとグロブを従え、ソニック・ホイッスルとサンド・カートリッジを武器に人々を夢の中で守り続けるヒーローだった。だがこのコミックは6号で終わってしまう。

しかしDCコミックはあきらめずに、今度は夢の世界をコントロールする装備を発明したUCLAの心理学者、ギャレット・サンフォードがサンドマンとしてVIPを彼らの悪夢から守るという設定に改めてシリーズを続ける。
夢の世界でそれなりの成功を収めていたギャレット=サンドマンだったが、やがて夢の世界で生きていくことのストレスに絶えられなくなったギャレットの魂は、ドリームディメンションにサンドマンの身体を残したままこの世を去ることになる。
日本語版サンドマン第3巻第3章でグロブが「最初使った死すべき者、サンフォードはイカれちまって自殺した…」と語っているのはこのへんの経緯。

ヘクター・サンダース・ホール(三代目サンドマン)
Golden Ageのヒーロー、ホークマンとホークガールの息子であるヘクター・ホールは、彼の両親達が設立したインフィニティというヒーローチームでシルバー・スカラベとして活躍していた。しかし1987年の"Infinity Inc. #44"で悪のシルバー・スカラベが彼の身体を乗っ取ることになり、やむなくシルバー・スカラベはインフィニティの他のメンバーにより殺されてしまう。
こうして身体を失ったヘクター・ホールの魂だったが、ドリームディメンションに吸い込まれ、そこで魂を失ったサンドマンの身体やその装備、ブルートとグロブに出会い、それらを引き継ぐことになる。こうして三代目サンドマンが誕生。シルバー・スカラベの死からわずか5号でヘクターは復活することになる。
最初のうちは1日に1時間だけ現実世界に戻っていたヘクター・ホールは二代目フューリーであるリタ・トレボーと知りあうことになる。やがてリタがヘクターの子供を身ごもった時、彼は自分の正体を明かしてリタをドリームディメンションにつれて帰り、共に夢の世界で戦い続けることにした… というのがヘクター・ホールが信じていた幸せなお話。
結局ヘクターはドリームによって冥界へと送り返されてしまう。 (もっとも、後にDocor Fateというヒーローの生まれ変わりとして再度復活したりもしたらしい。このへんがいかにもアメコミらしいところw)
 
←ウェイド/ロスの傑作"Kingdom Come"(翻訳あり)にも初代と2or3代目のサンドマンが登場する。ヨボヨボのウェスリー・ドッズには泣けてくる。
 (2004/04/27補)


解説内容は以下のサイトからの情報を参考にしています。
Sandman FAQ
(http://www.holycow.com/dreaming/lore/sandfaq0.html)

Sandman Annotations
(http://theory.lcs.mit.edu/~wald/sandman-index.html)