デス (Death)

「…けれども、僕は彼女を知ってるように思った。いちばん古くからの、最愛の友のように。どんなことでも、どんなひどいことでも話せて、それでも常に君を愛していてくれる。なぜなら君のことを本当に理解していてくれるから…そんな友だ。
…彼女と一緒に行きたかった。彼女に僕に気づいて欲しかった…」
("SANDMAN: World's End")

常に人々から恐れられてきた「死」の姿を、だれでも分け隔てなく迎えてくれる存在、いつもポジティブで魅力的なティーンエイジャー(基本的イメージ設定は16〜17歳らしい)の女性キャラクターとして描くというアイデアは、ゲイマンの大ヒットだった。
「物事にはいつも終わりが来るわ。そのことが物事に価値をあたえるのよ。」
("DEATH: The High Cost of Living")
デスは"Seven Endless"の長女であり、この宇宙が始まるとほぼ同時にデスティニーに続いて『生まれた』。そして宇宙が終焉を迎える時には、一番最後まで残って「最後に家の戸締まりをする」という存在でもある。一般的には死んでいく人々(生物、神々etc.)を「お迎え」に来るという死神的な存在なのだが、「プレリュード&ノクターン」のエピローグといえる"Sound of Her Wing"で読者の前に登場して以来、「サンドマン」シリーズの主人公であるドリームと人気を二分するまでになった。デスを主人公にしたミニシリーズとしては"The High Cost of Living"と"The Time of Your Life"の二冊が単行本として刊行されている。

「次は大鎌を持てって言うんでしょ。」
("SANDMAN: Season of Mists")
登場する時代背景、アーティストによってデスのイメージはさまざまだが、普通は黒のジーンズに黒のタンクトップ、目にメーキャップをほどこし胸に銀のアンクを下げた姿で描かれる。もっとも"Season of Mists"のプロローグでEndlessファミリーが集合した際には、フォーマルな格好をするようディスティニーに要求され、上記の愚痴をこぼしながらもドレスに着替えているし、寄宿舎の屋根裏で死亡した少年、チャールズ・ローランドを迎えに来た時はレオタード姿だった。また"Brief Lives"ではモンゴルあたりの少女の姿で語られているし、クリプトン星人としての姿で描かれたりもしている。そしてサンドマン最後のエピソード"The Wake"では初めて真っ赤なドレス姿をみせている。(その意味はいずれ明らかになるのだろうか?)

「あたし、秘密を守るのは得意なのよ。そのことにかけちゃ、有名なんだから。」
("DEATH: The Time of Your Life")
彼女のウイットに富んだセリフからは「死」のイメージをポジティブにとらえようとする姿勢と、さらに生と死は常に共にあり、死を理解することは生を理解すること、真に意味のある生を生きるということである、というゲイマンの哲学がうかがえる。
このことは、デス自身が百年に一日だけ、「生きゆくことの苦さを味わい、同時に自分が与えるものの価値を問い直すため」に一人の人間として過ごさねばならない、という義務を負っている(らしい)という設定にも反映している。
「今日はあなたの残りの人生の最初の日」
("DEATH: The Time of Your Life")

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