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Sin City
Frank Miller ( 1992, Dark Horse)
アメリカ西海岸に存在する悪徳の街シンシティー。そこに生きる野獣のようなアウトロー、マーヴ。
ある夜、彼は酒場でゴールディと名のる美女に出会いベッドを共にするが、目が覚めたとき彼女は殺されており、外には警官達が迫っていた。
何者かが彼を殺人犯としてハメようとしていることに気づいたマーブは、警官の追跡を振り切って逃走する。
やがてシンシティーの闇に身を潜めたマーヴは、その死によって彼の人生に(その死によって「復讐」という)明確な意味を与えてくれた天使ゴールディのために、自分を陥れようとした者に対して反撃に出る。
その野獣のような凶暴さで、次々に敵の手下どもから情報を引きだしては殺していくマーヴ。そして彼がたどり着いたのはシンシティーを影で支配する巨大な黒幕の名前と、郊外にある小さな農場だった。
夜の闇に紛れて農場に忍び込むマーヴ。しかしそこには、思いもかけない狂気と秘密、そして恐ろしい敵が彼を待ちかまえていた…。
酒場で出会った女が同じベッドの中で殺され、主人公が殺人犯として追われるという、いかにもハードボイルドっぽいシチュエーションで始まるサスペンス。
しかし一般のハードボイルドものの主人公達と違い、マーヴ自身がシンシティーのアウトローの一人であり、ゴールディの復讐という自分の目的のためには拷問も殺人も全く意に介しない、狂人と紙一重の野獣のような男です。
それでも、たった一夜愛した女のための復讐という明確な行動原理に従って、その凶暴さとタフネスさで暴力の限りを尽くして前進していくマーヴにはカタルシスさえ感じます。このストーリーは一種のバイオレンス純愛ロマンとも言えるでしょう。
それまでのミラーのスタイルとはうって変わって、全編ハーフトーンを排したハイコントラストなモノクロという特異なスタイルで描かれたこのコミックは、登場するなり絶賛をあび、たちまちシリーズ化され、2005年にはロドリゲス、ミラーの共同監督で映画化されました。
その印象的な絵と共に、ストーリー中に登場するシンシティーの暗黒街の住人達のキャラクターが実に見事に描き出されているのも、シリーズを通した魅力の一つです。
(2005/08/29)
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