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Murder Mysteries
Neil Gaiman and Craig Russell
( 2002, Dark Horse)
神が世界を創造している最中に起こった天使の殺人(?)事件というユニークな設定のミステリーが話中話として組み込まれた、人気の高いゲイマンの短編小説をクレイグ・ラッセルが、その丹精なスタイルの絵でビジュアル化しています。
クレイグ・ラッセルはサンドマン本編でも人気の高い「ラマダン」やデスの登場する「デス・イン・ベニス」の作画も担当しています。
10年前の12月、私はロサンゼルスに滞在していた。当時、イギリスは大寒波に見舞われて空港は閉鎖されていたため、私はもう一週間近くロサンゼルス足止めをくらっていたのだ。
そんな時、かつてロンドンで一度だけ行きずりの関係を持ったことのある女性から電話があり、私は彼女の友人が運転する車に乗って彼女の家を訪れた。私の記憶はそこで途切れる。
次の記憶では私は彼女の家の中にいる。どのように車を降りて家に入ったのか、全く思い出せない。情事の後、私は彼女と共に娘の寝室に入り、5歳になる彼女の娘の寝顔を見つめていた。そしてまた私の記憶は途切れる。
次に気がついた時には、私は夜のロサンゼルスを一人歩いていて、やがてベンチで一人の初老の男からタバコを求められる。そして同じベンチに腰を下ろした男は、タバコのお礼にと、私に一つの物語を語り始めた。
かつて神によりこの宇宙が創造されようとしていた時、天使達は手分けをして設計図を描き、それにしたがってこの世に存在するあらゆる物、事象、概念を作りだすのに大忙しだった。
そんな時、天国の路上で一人の天使が胸を刺された死体となって発見された。その犯人を捜すため、天使長ルシファーにより復讐の天使ラザエルが目覚めさせられる。
殺された天使カラセルはその時「死」の概念の設計を担当していた事が明らかとなった。果たしてカラセルは自身が創造する「死」をより完璧に理解するために、自らそれを体験しようとしたのか?
やがてラザエルの捜査により、意外な真相が明らかとなっていく。
そして男=天使ラザエルの物語に意外な結末が訪れた時、私に一つの贈り物が授けられる…
ストーリーの構造、特に天使達の物語を挟む「私」の物語の部分が、小説で読むよりもより明確になっていて、原作のコミック化は非常に成功していると思います。
宇宙の創造にあたって、天使達による製作過程にある「愛」や「死」といった概念。そしてそれが物語中に大きな意味を占めるあたり、いかにもゲイマンらしいストーリー。
「サンドマン」以外のゲイマン原作のコミックを読んでみたいという人にはいち押しです。
(2005/08/23)
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