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Harlequin Valentine
Neil Gaiman and John Bolton
( 2001, Dark Horse)
ニール・ゲイマンがCommedia dell'arteと呼ばれる古典的コメディー様式のキャラクターをモチーフに描いた、不思議なラブストーリー。作画はジョン・ボルトン。
元監察医助手ミッシィに恋した道化師ハーレクイン。彼はバレンタインデーの朝、彼女の家の戸口に自分の心臓をピンで打ち付けて愛を告白することにします。
でもドアに打ち付けられた心臓を見つけたミッシィは、ハーレクインの愛に気づくはずもなく、淡々と血の滴る心臓をビニール袋に入れ、キッチンタオルで血をぬぐうと、コートのポケットに心臓を入れて元上司の監察医バーノンの元を訪れます。
心臓がバーノンのジョークでは無いことを知ったミッシィは、次に行き着けのカフェに向かいます。その間、ハーレクインは懸命にミッシィにまとわりついて自分の気持ちを知ってもらおうとしますが、うまくいきません。(道化師ハーレクインの姿は普通の人々には見えないのです。)
やがてカフェに着いたミッシィはハッシュドブラウンポテトとケチャップを注文すると、ポケットからおもむろにハーレクインの心臓が入った袋を取り出して…
いきなり生の心臓を恋の相手に送るというグロテスクなジョークで始まった物語は、結局意外なハッピーエンドを迎えますが、その奇妙なテイストとストーリーテリングの巧みさは、やはりゲイマンが書いた"The Day I Swapped My Dad for Two Goldfish"や"The Wolves in the Walls"といった子供向けの絵本のストーリーに共通するものがあります。
巻末に載っているハーレクインが登場する古典喜劇の歴史についての解説や、作画のボルトンとゲイマン自身についての(パロディ仕立ての)紹介文も面白いです。
原作は「恋するハーレクイン」として邦訳(柳下毅一郎訳: 早川ミステリマガジン 2001年8月号)があります。
(2005/08/24)
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