BATMAN: Dark Victory
by Jeph Loeb & Tim Sale (2001 DC Comics)

"The Long Halloween"が好評だったローとセイルのコンビによる、バットマン登場初期の時代を舞台にした物語の第二弾。「ロング・ハロウィーン」で登場したファルコーネ・ファミリーと、ハーヴェイ・デントことトゥー・フェイスをめぐって、今回もミステリー色の濃いストーリーになっています。

さらにストーリーの後半では、ギャングに両親を殺害され孤児となり、ウエィン・マナーに迎えられたディック・グレイソンをめぐるロビン誕生のエピソードも加わってきます。もっともストーリー本筋との絡みは薄くて、少々浮いた感じはいなめませんが。

また"The Long Halloween"の感想で、キャットウーマンことセリーナ・カイルが事件にからんでくる動機がはっきりしないと書きましたが、ローもその点は感じていたのか、ストーリーの最後にセリーナがファルコーネに執着していた理由が明らかにされます。こちらも少々苦しいかも(w


ストーリー:
注意!:続編という性格上"The Long Halloween"の結末について少し触れています。

連続殺人犯「ホリディ」の逮捕とアーカム・アサイラムへの収容により"Long Halloween"事件は幕を閉じたが、ハーヴェイ・デント無き後の地区担当検事に就任したジャニス・ポーターは、着任早々「ホリディ」に対する公正な法の適用を求め、ゴードン署長の抗議を無視して彼をアーカム・アサイラムから兄のアルバート・ファルコーネの元での保護観察状態に移すことを要求する。

一方"Long Halloween"のラストでビルから転落したソフィア・ファルコーネは、車イス上の身体となりながらも生きており、再びファルコーネ・ファミリーを束ねて、父を殺したトゥー・フェイスへの復讐を誓っていた。

再び巡ってきたハロウィーンの夜、トゥー・フェイスはアーカム・アサイラムを脱走した。そしてその後、ホリディの保護観察が正式に認められ、彼もアーカムを後にしたその日の夜から、物語は大きく動き出す。

まず何者かが墓をあばいてカーマインの遺体を盗み出し、その指をソフィアの元に送り付けてきた。さらにポーター検事の事務所が荒らされ、ハーヴェイ・デントに関する書類がすべて盗み出された。そしてゴードン署長が信頼していたベテラン警官のクランシー・オハラが殺害される。クランシーの死体にはハングマン(単語の空白に入る文字を当てる遊び)で書かれたメッセージが残されていた。

懸命にアーカムを脱走した囚人達と警官殺害犯ハングマンを追うバットマンとゴードン。しかしさらに次々と警官達が殺害されてゆき、その死体の元には常にハングマンによるメッセージが残されていた。
果たしてハングマンの正体は何者なのか?また常に不審な行動をとる検事ジャニス・ポーターの意図は?そしてトゥー・フェイス率いる「フリークス」達とファルコーネ・ファミリーの抗争はどのような結末をむかえるのか?

ディック・グレイソン登場。"The Dar Knight Strikes Again"を読んだ後で見直すと、感慨深いものがあります(w

( 2004/03/15)