A Dame to Kill for
Frank Miller ( 1995, Dark Horse)

ミラーのSin Cityシリーズ長編第2作。

かつて名カメラマンとして活躍していた主人公、ドワイト・マッカーシーは、4年前、愛していた女が彼を捨ててシン・シティーきっての大富豪、ダミアン・ロードの元に去ったことから身を持ち崩し、現在は浮気の現場写真の盗撮を請け負って金を稼ぐようなところまで落ちぶれていた。
そんな彼の元に突然、かつて彼を捨てた女アバから電話が入る。シン・シティーの暗く狭い酒場で会った彼女は、以前、彼が愛したままのアバだった。そして彼女はおびえたそぶりで、まもなく自分は殺されてしまうとほのめかす。
一度は夫のお抱え用心棒に連れ戻された彼女だったが、やがて再びドワイトのアパートに現れ彼にすがり、夫から自分を救って欲しいと懇願する。
彼の人生を大きく狂わせた女、アバを許すまいと思いながらも、結局、ドワイトの彼女への愛情は再び燃え上がっていく…。

アバを助け出すため、ダミアン・ロードの邸宅に、友人マーヴと共に侵入したドワイトだったが、書斎でダミアンと対峙した彼は、はずみでダミアンを殺害してしまう。
そしてダミアンの死体の横でぼう然とするドワイトに向けられたのは、アバの勝ち誇った笑い声と銃口だった。すべては最初から、ドワイトを利用して夫ダミアンを殺させ、財産を自分のものにするためにアバが仕組んだワナだったのだ。
アバの銃弾で瀕死の重傷を負いながらも、マーヴの助けでかろうじて邸宅を脱出したドワイト。殺人犯として追われる身となった彼は、オールド・タウンに向かう車の中、血まみれでアバへの復讐を誓っていた…。


時間的には第一作の物語が始まる数ヶ月前に始まった事件で、以降のシリーズに何度も登場することになるドワイトと共に、前作の主人公マーヴも登場しています。後半ではすでにマーヴは第一作の事件に巻き込まれていますが、そちらのストーリーとクロスオーバーするシーンもあちこちに差しはさまれています。

今回は、前作で簡単に触れられていただけだった、シン・シティーの娼婦達が支配する地区、オールド・タウンが、後半の重要な舞台として登場します。
また、オールド・タウンに生きる娼婦達のキャラクターもストーリーの大きな魅力となっており、特に初登場の、一言も言葉を発しない無敵のニンジャ・アサシン(いかにもミラーごのみのキャラクター)ミホは大人気となり、以降のシリーズ展開にも大きな影響を与えることになります。

(2005/08/29)