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BONE
by Jeff Smith (Cartoon Books )
人間界にやってきた奇妙な種族、ボーン達が、かつて王国を追われた流浪の王女達と共に、世界の存亡を賭けた善と悪との戦いに巻き込まれていくという、絵を一見した印象には似合わない壮大なお話。
気が優しく真面目なフォン・ボーンとそのイトコ、フォニー・ボーン、スマイリー・ボーンの三人は、強欲なフォニー・ボーンが起こした騒ぎが原因で、故郷のボーンビルを追い出されてしまう。不毛の砂漠をわたって、彼らがやっとたどり着いたのはザ・バレーと呼ばれる、緑豊かで平和な土地。そこで彼らはソーンという美少女とベンおばあちゃんと共に暮らし始めることになった。
しかし、ボーン達を追いかけるように、平和な土地には不穏な影が射し始めていた。かつてラットモンスターと呼ばれる怪物種族達との大戦を経て、休戦協定によりつかの間の平和が訪れていた谷の周辺で、頭巾で顔を隠した謎の人物に率いられたラットモンスター達の軍勢が再び集結し始めていたのだ。さらに、人間の味方ではあるものの、その行動は謎に包まれたレッドドラゴンが、ボーン達の行く先ざき、さらには彼らの夢の中にまで現れるようになる。
やがてソーンの出生に隠された秘密が明らかになっていくのと同時に、平和だった村は、世界を滅亡へといざなう「イナゴの王」の軍勢とアテイア王国との戦乱に巻き込まれていく。そしてそして戦いの行方を決める鍵となるのは、ソーンとフォン・ボーンだった…。
十年以上にわたって描き続けられたファンタジーシリーズですが、当初の予定通り全9巻で完結しました。これだけ長く続いたシリーズがきちんと予定通りの長さで終わるのも珍しいことかもしれません。
物語は当初、ボーンと森の動物達、のんきな村人達が繰り広げる、ユーモラスなドタバタ劇を中心に進んでいきます。しかし、やがて物語が「指輪物語」とも比較されるほど重厚な、世界を巡る善と悪との戦いというテーマの核心に近づくと共に、ストーリーは、その丸っこい絵には似合わず、どんどんシリアスなものとなっていきます。
しかし、どんなに話がシリアスになっても主人公であるボーン達のユーモラスなキャラクターが変わることはなく、それがこの物語に独特な魅力を生み出していると言えるでしょう。
日本では1994年に晶文社から小野耕生氏による訳で刊行されましたが、残念ながら3巻までで中断してしまいました。
2004年にシリーズが完結したことを受けて、2005年に全9巻を一冊にまとめた、分厚いワンボリュームエディションが刊行されています。英語自体は平易なので、コミック初心者、特にアメコミヒーローものにはなじめない女性読者にもお奨めな一冊です。
また本編の他にスミスのストーリーにチャールズ・ベスが絵をが描いた"Rose"という外伝も出ていて、その中では若き日のローズとその姉、そして衛兵隊長ルーシウス達の過去のいきさつが描かれています。外伝とは言え本編で起こるすべてのドラマの源が明らかになるという、極めて重要なストーリーで、本編を読み終わった方には、こちらもお奨めします。
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