BLACKSAD : L'histoire des aquarelles
Canales & Guarnido (2005 Dargaud)

一般的なイラストレーションの製作過程では実際の作品を作成する前に、簡単なスケッチに試しに彩色して「ミニチュア」を作り、仕上がりの印象を確認する作業が行われ、そのスケッチを「色ラフ」などと呼んでいます。

この画集には既に邦訳もある1、2話、そして2006年に刊行された最新の第3話まで、ブラックサッドのシリーズ全作を描く段階で用意された色ラフのスケッチが、ガルニドの解説と共に収録されています。


インクで描いた線画に直接、水彩絵具で彩色していくため失敗が許されないという製作スタイルのせいもありますが、ガルニドが丹念に、場合によっては一コマのために何枚もの色ラフを作って比較検討している過程や、彼が明暗、暖色と寒色の対比といった基本に非常にこだわっている様子がわかって、絵を描く者にとっては非常に興味深い本です。

ページ構成自体は非常にゆったりとして贅沢な作りですが、正直、物足りない感じも。色ラフだけでなく、多少ごちゃごちゃしても線画のスケッチ等も収録してくれたほうがありがたかったです。

(2006/04/29)