超簡単な RF Combiner  アッテネーター  組み立て中  抵抗を接続して完成  最終型はこうなりました  シールドはどうする?

通称 RF Combiner とは別名では高周波信号混合器とも言われていますが 要は複数の高周波信号を互いに影響なく一系統に出力する物と言えます。

普通にこれを製作するには特性の良いリングコアにコイルをバイファイラー巻きにした物が必要です。
当然の事ながら周波数特性とポート間のアイソレーションの問題が発生しますから、必ず特性をチェックする事が必要です。

巷では沢山の自作例がありますが何れも低周波や高周波領域では使えない上にアイソレーションも精々20dB〜30dB位です。
かと言って市販品はこんな物でもマトモナ商品は高価で一寸購入する気がしません。

実際には使用する周波数帯域を限定すれば自作品でも結構な特性を持つものが入手可能でしょう。

そこでこの主旨に沿った超簡単 RF Combiner とも言えるものを実験で確かめながら製作しました。次の写真の通りです。
超簡単なRF Combiner の製作例です。

写真の真ん中に見えるBNCコネが三個取り付けた片面基板がそれです。
コネクター間に接続してある物は470Ωの抵抗です。

オシロの画面には入力信号と出力信号の両方が表示してあります。
入力信号はDDS信号源から7メガの正弦波を直接印加し10対1のプローブを使って観測しています。
出力側はオシロのCH 2に50Ωの終端を接続して観測しています。

入力信号も出力信号も同じ振幅に見えます。当然です。
即ち 入力信号を10分の1に減衰した信号を取り出しているからですが。
実際のDDSの出力信号の振幅は無負荷で約1V P-Pです。

DDSの信号に470Ω+50Ω=520Ωですが50÷520≒1/10で-20dBです。
従ってポート間のアイソレーションは40dBとなります。

この構造で二信号を一系統に取り出すもの 即ち コンバイナーを製作します。
抵抗だけでは駄目 と言われそうですがそんな事はないです。
この方式の利点は
1.なにしろ超簡単構造で部品点数が少ない間違いが絶対無い。
2.低周波は勿論の事 直流信号も扱えます。
3.欲張らなければ短波帯には充分使えるでしょう。

世間には抵抗だけで組んだ「パワデバイダー」があり 原理的には同じ物です。
但し パワデバイダーをコンバイナーや分配器に転用するには注意が必要です。

試しに二つの信号を印加してみた結果は次の通りです。
二つの信号を印加してみました。

別の信号源から7000kHzの信号を印加すると写真の通り振幅変調した様な波形となりました。
上側の信号で同期を取って観測していますから もう一つの信号波形は流れています。

       アッテネーター

軍用のAN/URM-25シリーズSGのアッテネーターです。

Fair Radio のカタログに載っていたものです。現在でもある筈です。
その説明文によると:
VARIABLE 6-STEP ATTENUATOR, Ladder network in 10:1 ratio.
Attenuates 0.1V down to 0.1uV into 50Ω load
.・・・・・となっていて120dBまで絞れます。

従って 各ステップ間を1-2-4-8dBプラス10dBのステップで補間すれば良い事になります。


写真ではDDS信号源から印加して確認しています。
側面にあるケーブルが入力側、真ん中に出ているのが出力側です。

内部の詳細構造については別項をご覧下さい

       補間部分と一緒に組み立て

組み立て途中のアッテネーターの様子です。

URM-25用のアッテネーターのステップはいきなり0-20dB-40dB・・・・となっていますから補間が必要です。

その為に前段にトグルスイッチで切り替えて使う1dBステップか2dBステップで最大20dBのものが必要です。
そこで1dBは兎も角 少なくとも2dBステップと言う事で計画しているのは写真の通りの構造です。
1-2-4-8dBとその後は10dBとするか16dBとするかは悩むところです。
どちらの方法でも良いですがここでは写真の様に16dBとしました。

回路はΠ型かT型かはこれもどちらでも良い事になっておりますがここではΠ型とし 使う抵抗はE24系列から近似の値の物を選択します。
金属皮膜が良いでしょうが手持ちの関係で取り合えずカーボン抵抗でやってみます。
アマハンでソリッドを使った例がありHF帯では問題ないと記載がありましたので。

       抵抗を接続してアッテネーター完成

抵抗を接続してアッテネーター完成の様子です。

減衰比は当初の予定の1-2-4-8-16dBを変更して2-4-4-4-4dBとしました。
その理由は、
1.先ず1dBは自作品では誤差の範疇と言う事で省略しました。
2.全体で20dBを補間する為に2dBステップで最大18dBとすれば良い。
3.バイナリステップでなくても良い。
4.使用する抵抗器の種類を少なくしたい等です。

写真の通りで入力側に2dBを配置しました。

尚、信号入力の接栓をM型(UHFタイプ)に変更しました。

抵抗値はE24系列で選択すると下記の様になりました。
2dBに対して入力側が430Ω、間が12Ω、出力側が470ΩでZin≒50.5Ω。
4dBに対しては入力・出力側共220Ω、間が30Ωと100Ωのパラで23.07Ω、Zin=50.04。

減衰比の2dB毎のプロットでは誤差は18dBのところで-1dBとなり結果オーライです。

一見好結果の様ですが抵抗値は安物のディジタルテスターではあんまり当てにはなりませんし選別する程の事はないでしょう。
周波数特性は測定していません。

       最終型はこうなりました。

最終的にはこうなりました。

減衰比の構成を2-4-8-16-32dBとし不足だった全体の減衰を確保しました。
ATT/URM25と合成すると最大で162dBとなります。
二信号混合器のところで20dBの減衰がありますから実際には182dBにもなりますが途中の箇所で観測する事が出来るので良しとしました。

前にやった構成で試しにFT-101ZDの最小感度を観測してみた所では感度が有り過ぎたのか信号を充分に絞り切れませんでした。
何しろ最大減衰が118dBでしたから無理もありません。

後は シールドを施してユニットとして完成です。

尚 左上の入力コネクターが旧型なのでピッチの関係で途中までしか勘合しません。




目標とする減衰値と実測値との比較カーブは次の写真の通りです。
減衰値の誤差の様子です。

2dB〜64dBの間を2dB毎にFRMSで測定した結果です。
横軸が目標値、縦軸が実測値です。

目標値と実測値との最大誤差は60dBの所で+2dBでした。
この事が最小値を1dBに設定してもあまり意味は無い事を教えて呉れています。

赤で記した三箇所の点はURM25の20dB/40dB/60dBのものです。
URM25の最大減衰値は100dBですがFRMSの限界を超えていて測定不能です。
カタログでは0.1Vを0.1uVに減衰可能としていますから120dBの筈ですが。

いずれにしても所有していた炭素皮膜抵抗を幾つか組み合わせた減衰回路での成績としては立派と言えると思います。

測定周波数は約2MHzです。
高い周波数における減衰の様子は当然の事ながら誤差が大きくなります。
短波帯におけるアッテネーターとしてはこれで充分でしょう。

測定精度を追求するよりも信号を充分絞れるかどうかが問題だった訳ですからこれで良しとしましょう。
シールドケースを組み立て中の様子です。

例によって両面銅箔基板を所定の大きさに切断して組み立てている途中です。
途中とはハカマに相当する部分は簡単に出来ましたが、蓋に相当する部分の構造と取り付けというか組み立て方で迷っているからです。

組み立ては先ず 袴部分を作り 所定の箇所に置いて外側を半田付けし 次いで内部を要所要所だけ半田付けしてやりました。

シールドケースは単に埃よけでして 厳密に言えば信号源からの漏れを出来るだけ少なくするのが先決ですが。これは何れいつかの作業として。


尚 今頃になって気が付いた事ですが ATT/URM25のスイッチの接触が甘く場合によっては所望の減衰が得られない事がたまにあります。