HTML文書の役割とは

身近なものに目を向けてみる

最終更新
2004-05-01T16:47:02+09:00

Windowsユーザにはお馴染みの、「HTMLヘルプ」に注目してみます。

このアプリケーションは、HTMLの役割と、HTMLが担うべきでない役割を視覚的に理解するのにとても役立ちます。

上部

まず、当然ながら上部のメニューアイコン(「戻る」「進む」の汎用ナビゲーション、また基本的な機能が列挙されている)は、HTMLが担当する部分ではありません。

左側

左側のペインには、「目次」「キーワード」「検索」等タブで切り替えることの出来る、詳細なナビゲーションが提供されていますが、これもHTMLの役割ではありません。

右側

右側のペインを見てみますと、文書が表示されています。この文書の構造を記述しているのがHTMLです。

「文書」はメニューやナビゲーションを提供してはならない

HTMLヘルプにおいて、HTML文書は正しい使われ方をしています。即ち、文書内容そのものの記述に使われ、密接に関連した文書へのリンクがあるだけなのです。

さて、HTMLヘルプの各文書が、内容と詳細なナビゲーションを段組で区分されていたとしたらどうなるでしょうか。

説明するまでもなく馬鹿げています。何の為の左側のペインですか。

例外として、目次そのものを提供する文書は段組されていても違和感はありません

「文書」の表示スタイル(CSSスタイルシート)はアプリケーションの邪魔をしないものに

HTMLヘルプにおいて、HTML文書の表示スタイルは「スペース(余白)」を適切に使っています。例外もあるかもしれませんが、大抵の場合、必要以上のスペースは空けられていません。HTMLヘルプというアプリケーションの一部分に過ぎないことをよく自覚している?と言って良いでしょう。

HTMLヘルプは特にその性質上、何か別のアプリケーションと比較しながら利用するものであるため、ウィンドウを最大にして閲覧することはあまり想定されません。その為、無駄なスペースをとらないのが基本スタイルとなっています。

ウェブブラウザでも同じこと

最終更新
2004-05-01T16:46:54+09:00

HTMLヘルプというアプリケーションでは、HTML文書は文書そのものを記述する為に存在することが明白でした。実は、ウェブブラウザというアプリケーションでも、このHTML文書の役割はほとんど同じです。いやもう全く同じといって良いかもしれません。HTML文書を段組して、文書内容とナビゲーションを同一ペインに表示させてはなりません。

例として紹介するSleipnirは、私が知る限り最も優れたウェブブラウザの一つです。

上部にメニュー等、左側に文書群のツリー(ナビゲーション)、そして右側に文書内容が表示されています(位置関係は変更可能)。

この左側のペインは、文書ツリー以外の色々なタイプのナビゲーションに切り替えることが出来ます。右側のペインには、文書の内容だけが表示されればそれで十分なのです。余計なことをしてはなりません。

ただSleipnirの場合、目次等のような、その文書に直接関係のある文書へのアンカーがあったほうが便利です。しかしそれとて、Mozillaのようなサイトナビゲーションバーがあれば、link要素として文書のメタ情報を与えておけば良いのであって、目に見えるアンカーとして提供する必要は(本来)ありません。

さて、左側のペインに表示されているツリーですが、ウェブブラウザの場合、HTMLヘルプと違ってルートとなるべきアイテムは「World Wide Web」です。ある一ウェブサイト(の目次)ではありません。そのため、様々なウェブサイトの様々な文書が混在したツリーになっています。一ウェブサイトのサイトマップが表示できれば、それはそれで便利な場合もありますが、制作者側が無理に提供する必要はありません。ウェブブラウザと、ウェブサイトブラウザは違います。World Wide Webをブラウズする為のアプリケーションが、何故たった一つのウェブサイトのナビゲーションを強要されねばならないのでしょうか。そのようなナビゲーションを表示させるか否かは、ウェブブラウザのユーザーが、自分の意思で決定すべきことです。そしてその表示を担当するのはブラウザであって、HTML文書の役割ではありません。

参考記事

最終更新
2004-05-01T16:46:54+09:00