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2011年第3回定例会一般質問 


2011年9月13日
島田拓


 私は、日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。
 
 まず、台風12号の豪雨災害によって亡くなられた方とそのご家族、被害を受けた方々に心からお見舞い申し上げます。
 東日本大震災から6カ月が経過した今なお、多くの被災者が苦しみの淵にあり、依然として先の見えない不安のもとに置かれています。大震災への対応でも難問が山積し、福島原発事故もなお収束の見通しがつかず、深刻な事態が進んでいます。
 今回の震災の教訓からも、大災害に備えて、区民の命を守ることを最優先した福祉・防災都市へ、区政のあり方を根本的に転換することが求められています。こうした立場から先の定例会での答弁を踏まえて、いくつか質問します。
 
 第一は、被災者と被災地支援についてです。私たち区議団としても宮城県の石巻や塩釜、女川など被災地の視察と支援に行ってまいりました。石巻や女川港周辺では津波で全てがなぎ倒され、壊滅的な惨状のまま現在も復興の見通しがつかないような有り様です。海岸から数キロ離れた住宅地でも、震災直後は水が2メートルの高さまで来て、4日間水が引かず、ろくに食べ物も手に入らなったとのことでした。今でも1階部分は使えず、側溝にはヘドロが詰まり悪臭が漂っているのに自治体の対応は未だにないとのことでした。
 こうした中、ボランティア活動や自治体の支援も広がっています。練馬区でも災害協定をしている自治体をはじめ、支援を行っていますが、現地では、まだまだ行政の手が届かないところはたくさんあります。本来は国が責任を持って支援するべきであり、区としてもそのことを国に強く要望するとともに、差し当たり区としてもボランティアを希望する区民が被災地を支援できる仕組みをつくることが必要ではないでしょうか。区による支援をさらに強化するためにどういう支援を、どのような規模で行っていくのか、考えをお伺いします。

 

【乾危機管理室長】
 初めに、私から、被災者と被災地支援についてお答えします。
 被災地では、発生後から時間の経過と共に、必要とする支援内容が変化している中で、何よりもまず、国が被災者と被災地に配慮した、十分な対応を行うべきと考えております。しかしながら、今般の震災では、国が十分機能しているとはいえない中で、区は独自に被災地の状況に応じた支援に加え、区長会を通じた職員派遣等の支援を継続しております。
 一方、区民の皆様には、社会福祉協議会などが設置する災害ボランティア活動や救援物資等、様々な形で支援されており、その活動は被災地の復興に大きく寄与しているものであります。
 区といたしましても、今後とも、被災地の要請に応じた的確な支援を行ってまいります。
 

 第二は震災でも影響を受けた区内業者への支援についてです。
 大震災の影響は、区内の事業者にも大きく広がっていることは、区長も所信表明の中で述べている通りであり、新たな融資制度の実施やプレミアム付区内商品券の発行など一歩前進と言えます。しかし、区内事業者の声は、「仕事がない」「震災直後は資材がなく、今は資材の単価が上がりすぎて赤字」「何とかしてほしい」など切実です。こうした声に応えるためには公共工事の発注については区内事業者優先の仕組みと、分離分割発注をさらに強めることが必要です。
 また仕事を増やすには、住宅改修の助成がきわめて有効だと考えます。
 例えば、東京土建練馬支部が受付けた住宅エコポイント発行対象のリフォーム件数は、昨年4月から17ヶ月間で申請数が285件、区内の潜在的な住宅リフォーム需要の高さを示しています。これは限定的な工事が対象ですが、助成金額にあたる発行ポイントは練馬区民の申請が1,500万円、1件当たり平均で52,632円であるのに対し、工事金額は5億円、1件当たり1,755,088円と、住宅改修助成制度が地域経済活性化におよぼす影響の強さを示していると言えます。
 すでに北区、渋谷区、大田区をはじめ、全国で4県384市区町村にまで広がっており、練馬区でも実施すべきではないでしょうか。以上、区内事業者優先、分離分割発注、住宅改修助成の3点について補正予算を含め、対応を強く求めるものです。お答えください。
 

【黒田都市整備部長】
 次に、震災の影響を受けた区内事業者への支援策についてお答えします。
 まず、住宅改修の助成についてであります。
 区では、すでに高齢者や障害者を対象とする住宅改修費の助成や、一般世帯を対象とする住宅修築資金融資斡旋を行っておりますので、新たな制度を創設することは考えておりません。
 次に、優先発注等についてであります。
 区ではこれまでも、区内事業者を優先した発注や、分離・分割発注に努めており、今年度においても「工事における区内事業者優先発注にかかる特別的な取扱い」を継続するなど、区内産業の活性化に取り組んでおります。
 今後とも、競争性・公正性の確保に留意しつつ、区内事業者への優先発注を行ってまいります。
  

 第三に、区長は前定例会でわが党の質問に答え、「地震被害を最小限に抑えるため、起こりうるあらゆる事態に備え、予防対策を講ずることの重要性を改めて痛感した」とし、今回の区長の所信表明の中で「今年度末までに区の地域防災計画の抜本的な改正を行う」とされています。
 問題は、地域防災計画における被害想定についてです。中央防災会議の中間報告の中では、当面の基準として「想定しうる最大級の巨大地震・大津波を考慮するべき」との提言をしています。区としてもこの立場に立って震度想定を行い、対策を立てることが必要ではありませんか。お答えください。

 

【乾危機管理室長】
 次に、地域防災計画における被害想定についてであります。
 現在の練馬区地域防災計画は、平成17年に国が公表した首都直下地震の被害想定をもとに、東京都防災会議が「首都直下地震による東京都の被害想定」を決定し、練馬区もこれに基づいた計画内容となっております。
 この度の東日本大震災は、想定を大きく上回る甚大な被害を及ぼしました。これを受け、東京都の地域防災計画も来年度において修正作業が行われると伺っております。
 区としましても、国の中央防災会議や都の被害想定の動向を注視しつつ、いつ発生してもおかしくない首都直下地震に対して、区民の生命と財産を守ることを第一とした、練馬区地域防災計画の抜本的な修正を行ってまいります。
 

 第四は、大震災の教訓に立った来年度予算編成のあり方についてです。
 前定例会でのわが党の一般質問で、大震災の大事な教訓として『構造改革』路線に基づく「行革」では区民の命は守れないことを示し、新しい自治体のあり方として「福祉と防災のまちづくり」を求めました。そしてその立場で予算の使い方や長期計画も、開発優先でなく福祉・防災優先とするよう求めました。しかし、区の答弁は、これに正面から答えるものとはなっていませんでした。
 来年度予算に対する副区長の依命通達を見ても、財政の硬直化が進行しているとして、ゼロベースでの事業の見直しを求め、新規事業においても、既存事業のスクラップ・アンド・ビルドを前提にしています。また、収納対策を強化し、区民向けの事業については、全体として縮小・廃止の文字ばかりが並び、これまで以上に区民に痛みを押し付けるものとなっています。その一方で通達の第一に上げているのが、長期計画の確実な実施であり、開発優先の区政をさらに進めようとしています。
 改めてこの間の「行革」路線を大震災の教訓に照らして見直し、予算を開発優先から福祉・防災優先に切り替えるべきではないですか。お答えください。

 

【志村区長】
 来年度の予算編成についてのご質問にお答えします。
 私は、区長就任以来、区民福祉の向上を目指し、子どもから高齢者までの福祉政策と区民の安全・安心対策を区政の最重要課題に位置づけ、積極的に取り組んでまいりました。
 とりわけ災害への備えは、区民防災組織の育成、要援護者への支援、住宅密集地区の不燃化促進、災害に強い道路・公園の整備、学校施設の耐震化など、多岐にわたる対策を総合的に講じていくことが肝要であります。
 このため、現在編成を進めている来年度の予算につきましても、71万区民の生命と財産を守ることを基本に、安心して暮らせる練馬区を築いていくために、限られた予算を重点的に配分してまいりたいと考えております。
 

 第五は、放射線量の測定についてです。
 福島第一原発の事故が起きて以来、放射線について多くの人たちに不安が広がっています。特に子育て世代では、小さい子どもほど放射線に対する影響が大きいため、子どもたちの健康が損なわれるのではないかと心配しているのです。こういった区民の不安の声に応えて、練馬区は、6月から放射線量の測定を行っていますが、いっそうの強化が求められていると思います。
 一つは、定期的に測定する回数と測定場所をもっと増やすことです。区は現在、月1回、区内12か所の放射線量の測定を行っていますが、少なくとも定期的な測定を週1回に増やし、測定場所も増やして、よりきめ細かく行うことが必要です。
 二つ目は、ホットスポットでの測定です。8月から保育園・幼稚園・小学校、9月からは区立公園や児童遊園などの放射線測定も行っていますが、校庭の隅や雨水が集まりやすい所など、ホットスポットになりやすいところでの測定が行われていません。測定器を増やし、学校の先生など現場の職員の協力も得ながらホットスポットの場所を測定し、高い値を示した場合は、立ち入りを禁止したり除染を行うなど、すみやかに安全対策を講じることを求めます。
 三つ目は、中学校での測定が行われていないことです。特に外でのクラブ活動などしている子どもたちは、校庭において砂埃を吸っていることから、放射能に対する知識もない中で、自分たちは大丈夫なのかと心配していると聞いています。中学校でも調査し、結果を生徒、保護者に報告すべきです。
 四つ目に、6月にモニタリングポストの設置を検討しているということでしたが、すみやかに設置するよう強く求めます。
以上4点について答弁を求めます。

 

【吉本環境部長】
 私から、放射線量の測定についてお答えいたします。
 区では、区内全域の放射線の状況を把握するため、区内を12地区に区分し、定期的な測定を行っております。この結果からは、区内の放射線の状況は、漸減かほぼ横ばいの状況で推移しております。都内の研究機関の測定によれば、現在、大気からの放射性物質の流入はほとんど無いものと考えられます。
 こうした状況から、区は現在の定期測定を継続し、環境の監視を行う考えであります。
 次に、区内施設における放射線線量測定についてであります。区では、8月に区内保育園、幼稚園、小学校、197ヶ所において簡易測定を実施し、公表いたしました。また、9月2日より公園・児童遊園等629か所の測定を順次実施し、さらに昨日、9月12日より、区立中学校34校での測定を開始いたしました。結果についても速やかに公表する予定であります。また、測定機器については、都からの貸与に加え別途区でも購入し、測定の効率化を図りました。
 なお、これらの対応の中で、区の対応基準を超えた区内保育園の砂場については、直ちに砂の入れ替えを実施したところであります。
 区といたしましては、今後とも放射線測定の場所や方法の検討を継続するとともに、基準を超えた場合には適切な対応を図っていく考えであります。
 次に、モニタリングポストの設置についてであります。モニタリングポストは、放射線線量を常時測定することで、長期的な傾向を把握するとともに、一時的な変化を速やかに確認することができます。しかしながら、現時点では設置基準が明確ではなく、整備費も高額であることから、区では設備の検討は慎重に進めるべきものと考えております。
 

 次に、日大光が丘病院の撤退問題についてお聴きします。
 日大光が丘病院は、医療過疎と言える練馬区において、地域医療の重要な一翼を担ってきました。とくに小児救急や周産期医療など、不採算医療において果たしてきた役割は大きく、もし日大病院が撤退することになれば、この分野での地域医療の重大な後退を招きかねない事態です。
 日大は撤退の理由に巨額の赤字を挙げていますが、光が丘病院自体は来年度、黒字化を予定しており、区も財政支援に応じる構えを伝えていました。また契約期間もあと10年余りを残しており、民法を理由にした一方的な撤退は病院の使命や社会的責任からも許されません。
 練馬区は、こうした立場に立って日大に対し、改めてその社会的責任を厳しく問い、まず撤退を撤回させるために契約の履行を求め、協議を尽くすべきではありませんか。
 ところが練馬区は、2年近く前に日大から撤退の意思を受けながら、この問題を一切明らかにせず、今日のような事態を迎えました。この責任は重大です。
 区議会も日大撤退容認とも言える決議を上げてしまいましたが、改めて日大の社会的責任を問い、現行の医療水準が空白なしに維持されるよう努力するべきではないですか。
 区はその後、引き継ぎ期間まで時間がないことを理由にして、議会での議論も不十分なまま後継医療機関の選定作業を進めています。公募要綱をみると日大が担ってきた水準を具体的に担保する中身が乏しく、引き継ぎ期間が短いこともあって、現行の医療水準が後退しかねなません。
 もし万が一撤退が避けられない状況でも、地域医療の空白や医療水準の低下があってはなりません。日大は、私たちが送った申し入れ文書の回答の中で、きちんと引き継ぎを行うことが大前提だと述べています。この言葉通り、撤退期限の延長も含めて、日大にその責任を果たすことを強く求めるべきではないですか。答弁を求めます。
 今回の事態を招いた問題の一つは、区議会、さらに病院をはじめ医療関係者に一切知らせず、秘密裏に事を進めたことにあります。今後、区は、区民や関係者にしっかり説明し、合意を得ながら進めるべきです。また、これまで区民に約束してきた練馬の地域医療の充実は必ず、実行されるべきです。
 以上2点についてお答えください。

 

【室地健康福祉事業本部長】
 次に、日本大学医学部付属練馬光が丘病院についてであります。
 区と学校法人日本大学は、平成3年4月に、基本協定書および公有財産契約書を取り交わし、平成33年3月31日までの30年間は日本大学が責任をもって病院運営を行うことといたしました。
 しかし、平成22年2月に日本大学から区に対し、平成23年3月をもって練馬光が丘病院の運営から撤退することを決定したとの報告が突然なされました。区としては、撤退は認められないこと、少なくとも30年間は日本大学が運営を継続する責務があると主張し、新たな提案も含め日本大学と話し合いを続けてまいりました。これに対し日本大学は、理事会の決定を盾に撤退の意思を変えることはありませんでした。
 区といたしましては、引き続き区民が安心して医療が受けられる体制を維持することが何よりも重要と考え、円滑な病院機能の引き継ぎを行うためには、少なくとも半年程度の期間を要することから、やむを得ず後継の運営主体を公募により選定することとしたものであります。
 日本大学が病院運営から撤退する経緯については、区報やホームページでお知らせしておりますが、後継法人決定後は、区議会や区民の皆さまのご意見を伺いながら、より良い病院づくりを目指してまいります。
 来年4月以降も途切れることなく医療が提供できるように、日本大学に責任を持って引き継ぎを行うよう要請するとともに、地域医療の質の確保をはかってまいります。
 

 次に、特養ホーム待機者の解消について伺います。
練馬区は、昨年特養ホーム待機者の実態調査を行いました。調査結果からは、待機者が長い待機生活のもとで将来に不安を抱えながら特養ホーム入所を切実に望み、家族など介護者も深刻である実態が浮き彫りになりました。
 私どもの分析では、大きく分けて2つの特徴が明らかになっています。
 第一は、現在の特養ホームの必要性が他に代わるべきものがないほど強いことです。
 調査結果では特養ホームを希望する理由のうち、待機者や家庭の状況から、将来、介護が不安だからが46.5%、介護疲れが77.7%と高い割合となっています。
 身内に介護者がいない不安や老々介護の苦しい状況のもと、施設の面で24時間の介護が可能な施設だからが79.7%、専門的介護が可能な施設だからが60.2%と、特養に対する期待の強さと優位性が明らかになりました。これは在宅サービスが今より充実した場合でも、在宅生活を希望する人は2割弱に留まる一方で、すぐに入所したいと1年以内に希望する人は、併せて36.4%に昇っていることからも明らかです。
 第二に、こうした切実な状況を生んでいる背景には高齢者の負担増に加えて所得の低下、相次ぐ介護保険制度改悪で、十分なサービス給付を受けられないなどの状況があります。
 待機者の状況をみると要介護度4, 5を合わせて5割を超え、しかも高齢化が進んで80歳以上が72%など、現行介護サービスでは、到底間に合わない現状があります。所得も300万円未満の世帯が4割以上を占めるなど経済的にも苦しい状況で入所を待っているのです。さらに在宅で介護を受けている待機者の家族のうち、約7割〜8割の人が大きな身体的・精神的負担を感じ、待機者とその家族を追い詰めています。
 これらの状況をみれば、待機者の願いがより緊急で重要なものであることは明らかです。区長は区自らが行った2,982名にものぼる待機者の実態調査をどのように受け止めておられるのか、お答え下さい。
 区は、前定例会でのわが党の、待機者解消への目標数の求めに対し「待機者実態調査の結果を踏まえるとともに、在宅サービスの充実と合わせ」、次期計画策定の中で検討するとしています。
 いま改めて、区は待機者の解消を正面に据え、その中でも特に、全体の半数を占める介護度4, 5の待機者を早急に解決する目標をもち、期限を決めて全力をつくすこと。同時に、介護保険サービスの充実をはかるとともに、特養ホームを整備すれば保険点数が増え、保険料の値上げにつながるという悪循環をなくすための適切な処置を検討すべきです。以上2点答弁を求めます。

 

【室地健康福祉事業本部長】
 次に、特別養護老人ホームについてのご質問にお答えします。
 まず、入所待機者実態調査の結果についてであります。区では昨年12月に、入所待機者全員を対象とする調査を実施いたしました。調査は、入所待機者本人および家族等の介護者の生活実態に加え、入所時期の希望を質問し、その意向を分析しております。その結果、身寄りのない単身者やいわゆる老々介護、働きながらの家族介護など、重度の要介護者をとりまく厳しい生活実態をあらためて認識したところであります。
 一方で、在宅サービス等の充実が見込まれた場合には、45%の方が直ちに施設への入所ではなく、在宅生活の継続を希望されております。
 これらの結果を踏まえ、区では施設整備を着実に進めるとともに、併せて在宅での介護を希望する要介護高齢者の生活を支えるサービスの一層の充実に努めていく必要があると考えております。
 次に、待機者解消への取り組みについてであります。区では、現在長期計画において570床の整備目標数を設定し、早期達成に向けた取り組みを鋭意進めているところであります。一方、待機者調査の結果では、入所の申し込みを継続しないと回答された方を除く約2,600人の待機者のうち、早期入所が必要な方の割合は、3割程度と把握しているところであります。
 これらを踏まえ、区といたしましては、平成26年度までの第五期高齢者保健福祉計画・介護保険計画の策定の中で整備目標値の見直しを図り、入所の必要度の高い待機者の解消に努めてまいります。なお、施設サービスの整備は介護保険制度上、保険料への影響は避けられないと考えており、区では、在宅サービスとのバランスを踏まえ、介護保険サービス全体の充実を積極的に図ってまいります。
 

 次に、子ども子育て新システムと保育所の面積基準について伺います。
 東日本大震災では、保育中の子どもたちの中に一人も犠牲者を出しませんでした。保育所では昼寝中の園児を起こして身支度させ、乳児をおんぶし、保育士が必死で子どもたちの命を守り抜いたのです。交通機能がマヒした首都圏でも、翌日まで保育士の皆さんが子どもたちに寄り添い、保護者の帰りを待ち続けました。
 改めて保育所は、子どもの命に直結する大変責任のある仕事だということが認識されました。
 ところが、民主党政権がこの7月に発表した「新システム」の中間報告は、待機児解消を口実に、現在、国と自治体が負っている保育実施の責任を放棄し、規制緩和を行って、営利目的で、保育の経験もない事業者にも広く参入させようとしています。これに対し「保育の質が落ちる」「子どもは大丈夫か」などの批判の声が広がっています。実際、今でも保育所での死亡事故が毎年起こっており、2004年以降の6年9ヶ月間で61名もの子どもが命を落としています。
 ある市の株式会社経営の保育所では、泣いている1才の子どもを無理矢理うつ伏せにして、頭の上まで布団をかぶせられ、その上に重しまで乗せられた状態で死亡しました。別の市の認可外保育室では、4ヶ月の乳児がうつ伏せの状態で亡くなっているところを発見されました。当日勤務の2人の保育士は、無資格でした。
 こうした中で保育基準を緩和し、営利業者をどんどん参入させたらどうなるでしょうか。
 国は、指定制度を導入して一定の水準を確保するとしていますが、この制度はこれまでの国と自治体が責任を持つ認可制度をなくし、指定基準に則して届け出れば、誰でも保育園を経営することができ、国も自治体も責任を負わず、すべて事業者の責任となります。勝手に保育士の数などを基準以下にしたり、事故が起きても、わからないという全くのごまかしです。
 このような制度のどこに子どもの命を守る保障があるのでしょうか、区長の認識を伺います。答弁を求めます。
 
 もう一つ、新システムの大きな問題は、保育の商品化と保護者の自己責任方式です。
 新システムは、安上がりの保育サービスにするために、運営費など自治体が保育に責任を負う制度をやめ、保育所は事業者が整備し、保護者は自分で保育所を探し事業者と直接契約しなければなりません。保育は完全に商品化され、親は保育の質や料金が違う、多くの施設からの選択を迫られ、事業者は「儲かる事業」に走り、政府は保育料収入を株の配当などにも回せる規制緩和さえ検討しています。
 保育の市場化により、保育料は現行の所得に応じた負担から利用時間に応じた負担になり、国の公定価格への上乗せは自由で、親の収入によって保育の質に格差が生まれます。また、親の労働時間によって保育の必要度、保育時間が決まりますから、親が病気など、様々な事象で働けない人が保育を利用することができなくなります。さらに各保育所間の競争が激しくなり、経費を抑えようと保育士の賃金を削り、非正規労働者をふやすなど必然的に保育の質の低下が生まれかねません。
 公的責任を放棄し、福祉の場である保育所を営利事業の儲けの場にすることでは、切実に公的保育所を求めている待機児の願いには応えられません。この誤った路線と新システムの中止・撤回を国に求めるよう強く求めます。また、区が保育所整備の目標を超過達成して待機児を一日も早く解消するよう求めます。以上2点答弁を求めます。
 喫緊の課題として重大なことは、今月政府が地域主権改革法に基づく保育所の面積基準の緩和を、練馬区を含む35自治体に認めると発表しました。これを許したら、さらに詰め込みがひどくなり、子どもがいっそう危険にさらされます。現に詰め込みが原因の死亡事故も起きており、今すぐ面積基準緩和の検討を中止するよう東京都に求めるべきです。
 また前回の定例会で区は、わが党の同様の質問に「今後も検討しながら対応」と答えていますが、面積基準をどうするかは自治体自体の判断に任せられており、すでに文京区や中央区では区が「基準緩和はしない」と表明しています。練馬区でも真に子どもの命と安全を考え、区長が「現行の基準は守る」と明言されるよう強く求めます。以上2点についてご答弁下さい。

 

【郡児童青少年部長】
 次に、子ども・子育て新システムへの対応についてであります。
 国の指定制度においては、多様な保育事業の量的拡大を図るため、保育の質を確保する客観的基準を満たした事業主体の参入を認めるとしておりますが、その具体的な指定基準等については、この7月の新システムの中間報告では明らかにされておりません。
 また、保育サービスについては、保育を必要とする方がサービス提供事業者を自ら選択する直接契約方式になるとしておりますが、市町村による関与の方法等は更に検討することとしております。
 いずれにいたしましても、新システムは検討の中間段階であり、今後の論議の推移を注意深く見守る必要があると考えておりますので、中止・撤回を国に求める考えはありません。
 また、区では、待機児童の解消を図るため、長期計画で計画している1,923人の保育所定員の拡大に前倒しで取組んでおり、平成22年度から平成24年度までを保育所集中整備期間として位置づけ、来年4月までには、この期間の合計で1,660人を越える定員拡大を図ってまいります。
 次に、認可保育所の面積基準についてであります。
 地域主権改革に伴う児童福祉法の改正により、待機児童が多い首都圏、大阪府、京都府などにおいて、保育所の面積基準の緩和を都道府県条例に委任することとなり、東京都では、0歳と1歳の面積基準を2.5平方メートルに緩和する方向で検討していると聞いております。
 区としましては、現在、面積基準のあり方について調査・研究しており、東京都に対して検討の中止を求めることは考えておりません。
    

 次に、国民健康保険について伺います。
不況に加え、震災の影響での景気の落ち込みから国保滞納世帯数、短期証、資格証の発行件数はますます増加の傾向にあり、さらに国保料の値上げによって、これに拍車がかかりかねません。
 練馬区では今年7月末現在、資格証発行件数は3,882世帯で、昨年の同時期の3,260世帯に比べて増加しています。23区でも絶対数では2位、率では23区中5位と高い状況です。
 国保法第9条と施行令では、世帯主の災害や親族の病気など5項目において特別の事情を定め、「特別な事情があると認められる場合を除き」資格証を発行としています。これに基づき、私どもは国保資格証の問題について繰り返し法を守って、適切な対応と資格証世帯をなくす立場での取り組みを求め、議会での質問や要望書も提出してきました。その回答には、「特別な事情がないにもかかわらず滞納を継続し、かつ納付相談にも応じていただけない場合には資格証を発行」と区の立場を明らかにしています。
 しかし、現在区が出している「国民健康保険料を滞納するとどうなるか」という文書では、「不誠実」というあいまいな表現で、資格証発行を判断するとしています。しかもその根拠も明らかにしていません。これでは職員の主観的判断が優先されてしまうのではありませんか。なぜ法律で定められた「特別の事情」とせず、「不誠実」としたのでしょうか。また、区は他の区に比べて資格証世帯が大変多いのはなぜか。区民に説明する必要があります。以上2点ご答弁下さい。
 さらに、練馬区では収納対策の強化として行き過ぎたとりたてが行われています。
 就学前の子どもをもつ一人親家庭で、交通事故の後遺症で働けず保険料を滞納していた人は、当月分ではなく、2年前の保険料滞納分、月1万円以上払うように求められ、できなければ9月から資格証だと言われ、その方は、鬱の症状が悪化してしまいました。
 区はこの間、「資格証はペナルティではない、接触をはかるための手段」と資格証について見解を述べてきていますが、この事例は明らかに国保法の「特別の事情」に相当するものであり、保険証を盾に取った収納対策など全く許されず、練馬区は二重に冷たい区政と言われても仕方がありません。行き過ぎた収納対策を見直し、区民の立場に立って、きめ細やかな相談に乗るととともに、法に基づく対応を徹底すること、資格証世帯をなくす取り組みを強化すること求めます。同時に払いたくても払えない高い国保料の抜本的な値下げ処置を講ずるべきです。
 以上4点お答えください。

 

【中田区民部長】
 次に、国民健康保険についてお答えいたします。
 まず、資格証の発行についてであります。
 特別区では収納見込み率に基づく未収納分を保険料算定から除外するなどの対応により、保険料額の抑制を図っており、練馬区においても、このこと等のために平成22年度において100億円以上を一般会計から繰り出しているところであります。
 一方、国民皆保険制度の維持のためには、国保加入者に保険料を公平に負担していただく必要がありますが、加入者の中には、まったくご連絡のない方や生活状況等を明らかにしない方、分納の約束を守らない方もあります。
 こうした事実の上に、1年以上前の滞納があり、法に規定された特別な事情のない方には、資格証を発行しております。資格証は、保険料徴収担当への相談を促すことを目的として発行しているものであり、適正な納付促進の働きかけの結果として、現在の発行数に至っているところです。
 次に、収納対策についてであります。
 今年度は、保険証の一斉更新に併せて資格証世帯実態調査を実施し、この結果をもとに、さらにきめ細かな相談を行い、多重債務や生活困窮など滞納者の実態把握に努めます。そのうえで債務整理や生活保護へつなげる働きかけを進めることで、資格証世帯数の縮減に努めてまいります。
 区といたしましては、こうした丁寧な取り組みを継続することにより、区民の信頼を得ながら、さらに収納率の向上を図ってまいる考えであります。
 なお、先ほど申しましたとおり、区としては保険料額の抑制に大きな財政措置を講じていることから、保険料を引き下げることは考えておりません。
 

 最後に、まちづくりについてです。
 第一は、関越道高架下に高齢者センターなどを建設する問題です。
 わが党は、高齢者センターを大泉地域に作ることについて、区民福祉の充実につながる立場から一貫して求めてきましたし、地域住民もできるだけ早期に建設されることを求めています。しかし、いくら高架下の利用が緩和され、経費がかからないとはいえ、高齢者のための施設や環境学習の場であるリサイクルセンターを排気ガスや騒音、振動など環境が悪い高架下に作ることは、「高齢者の尊厳をどう考えているのか」「なぜ大泉だけ環境の悪い所につくるのか」といった多くの反対意見が出ることは当然ではあり、認めるわけにはいきません。
 区による、こうした計画の住民への押し付けに、反対意見も増える中で、住民説明会において賛成住民を組織し、意見を言わせる「やらせ」疑惑が報じられるなど住民同士も対立し、混乱させた区の責任は重大です。
 もともと関越道を建設する際、地域分断を避けるため盛り土でなく高架構造とした経緯があり、このことからも高架下に高齢者センターなどの整備が可能かどうかの判断は、機構もしていません。何よりも住民合意が図れられていない中で進めるべきではありません。
 高齢者センターについて、大泉北敬老館・出張所の大改修に合わせて併設も検討するなど、高架下以外で場所を探すこと、高架下利用については白紙の段階から地域住民とよく話し合い、合意を図りながら進めることを求めます。答弁を求めます。

 

【中村企画部長】
 次に、高架下の活用に関するご質問にお答えします。
 区の長期計画において、区西北部に整備することとしている高齢者センターにつきましては、かねてより用地の確保が課題でありましたが、比較的交通至便な地にあるとともに、基本的に無償で借り受けられるということから、当該地での設置を計画したものであります。活用計画をまとめるにあたり、住民説明会や周辺町会長、自治会長との懇談などにより、ご意見を伺ってきたところであります。今後も計画の進捗に併せ、区民の皆様のご意見を伺いながら進めてまいります。
 なお、新聞報道に関するご指摘につきましては、報道は事実無根であり、区は報道機関に対し即座に抗議の申し入れをしたところであります。
 

 第二は、大泉第二中学校を分断する2つの都市計画道路についてです。
 今回出された大二中の再建に関する調査結果については、まさに中学校のど真ん中を15mもの都市計画道路を通すという前代未聞の計画であり、絶対に許すことはできません。
 区が開いた2回の住民説明会でも、多くの参加者から出された意見には、肯定的なものは一つもありませんでした。区は説明会の中で今回出した調査報告はあくまでも1つの方法として示しただけだと説明しましたが、学校関係者、地域住民がこぞって反対したこの報告を、今後どのように扱おうとしているのか、どのように進めていこうとしているのかお示しください。また、以前区が検討したという高架や地下構造での都市計画の変更案は、どのような検討が行われたのか、その報告書はどういったものなのかお答えください。
 もともとこの2つの都市計画道路には、55年前に135号線を、45年前に232号線を都市計画決定したもので、現在、計画線上に、決定時にはなかった多くの住宅が立ち並び、実態に合わなくなっているのではないでしょうか。道路を作れば静かな住宅地が一変し、長年培ってきた地域のコミュニティが断たれることになってしまいます。
 わが党区議団は、この計画は白紙に戻し、都市計画の見直しを強く求めるものです。区の見解をお示しください。
 以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

 

【八十島土木部長】
 次に、大泉第二中学校と都市計画道路の整備についてお答えします。
 本年7月、大泉第二中学校の保護者や地域の方を対象にご説明した報告書は、補助135号線、補助232号線を事業化した場合の大泉第二中学校の敷地および施設への影響、現在地での学校施設の整備手法について調査した結果をまとめたものであります。
 この検討では、補助135号線の富士街道までの優先整備と用途地域の変更により学校の再建が可能でありますが、補助232号線の整備の段階では学校運営が困難になることなどの調査結果となっております。
 区は、この課題については中学校の教育環境の確保が重要であると考えていることから、今後も、道路整備と教育環境の両立を図るべく、様々な方策の検討を進めてまいります。
 また、平成21年度に行った道路構造の検討では、道路を整備する範囲が現在の計画より広がるとともに、交差点における交通安全の確保や歩行者導線に課題があり、周辺への影響が大きいことから、道路を地下・高架方式で整備することは困難であると考えております。
 都市計画道路は、広域的・地域的な視点から定められており、都市における円滑な交通の確保等を目的として決定されております。
 また道路整備に伴い、安全な歩行者空間が確保されるとともに、延焼遮断帯として地域の防災性も向上します。さらに都市計画道路の計画線内では、長期にわたり建築制限があることや、その位置の変更は新たな建築制限がかかる土地を生じさせます。こうしたことから、都市計画の見直しを行う考えはありません。
 


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