眠り

はしがき

快眠と睡眠時間の短縮に重点をおいています.「睡眠の俗説」はイントロ(序章),「睡眠の医学」は快眠と睡眠時間短縮の科学的な裏付けとなる簡単な知識です.

ナルコレプシーなど,睡眠障害や病気はここでは扱わない事にしました.これらを扱いだすと内容が大幅に増えてしまうし,高度に専門的な医学の知識が必要だと思うからです.とはいえ,要望があったり,興味が湧いたりすれば追加するかもしれません.

目次

  1. はしがきはしがき
  2. 目次(ここ)
  3. 1 章 睡眠の俗説
    1. 1.1 寝だめ1.1 寝だめ
    2. 1.2 朝型?夜型?1.2 朝型?夜型?
    3. 1.3 8時間睡眠1.3 8時間睡眠
    4. 1.4 睡眠と美肌1.4 睡眠と美肌
  4. 2 章 快眠法
    1. 2.1 禁止事項2.1 禁止事項
    2. 2.2 就寝前後の要点2.2 就寝前後の要点
    3. 2.3 起床時の要点2.3 就寝時の要点
    4. 2.4 睡眠の豆知識2.4 睡眠の豆知識
  5. 3 章 短眠法
    1. 3.1 睡眠の質と量3.1 睡眠の質と量
    2. 3.2 起床時間を決定3.2 起床時間を決定
    3. 3.3 短縮開始3.3 短縮開始
  6. 4 章 睡眠の医学
    1. 4.1 睡眠の効果4.1 睡眠の効果
    2. 4.2 睡眠の必要性4.2 睡眠の必要性
    3. 4.3 概日リズム4.3 概日リズム
    4. 4.4 年齢・性別と睡眠4.4 年齢・性別と睡眠
  7. 参考文献参考文献

1 章 睡眠の俗説

1.1 寝だめ

昼寝をしたから夜なかなか眠れないという場合と同じ原理で,夜勤などの日に昼寝をして寝だめをする事は出来ます.つまり,その日限りの寝だめはできます.しかし,例えば平日寝る時間がないからと言って,その分だけ休日に寝るという数日以上にわたる寝だめは出来ません

俗に寝だめができると言われる人は,実際に寝だめをしている訳ではありません.彼らは多少寝不足でも気にならないだけで,実は休日に不足分を補っているのです.

1.2 朝型?夜型?

科学的に朝方の人と夜型の人がいる事が分かっています.

朝型の人は午前中に思考力のピークを迎え夕方には思考力が落ちてきます.一方,夜型の人は昼頃にやっと思考力のピークを迎え,夕方でも思考力が落ちません.

この他にも自由型というタイプの人がいます.自由型の人は概日リズムの調節ができず,体内時計のリズムでしか生活できない人で,名前に反して非常に不便です.例えば,ある自由型の人の体内時計が 1 日を 25 時間として時を刻んでいるとすると,その人の起床時間や就寝時間は毎日1時間ずつずれていき,修正する事が出来ません.

1.3 8 時間睡眠

一般に睡眠時間は 8 時間が良いと言われますが,最適な睡眠時間は個人差が非常に大きいのです.なお,最適な睡眠時間と個人の能力の間に相関関係はないので安心して下さい.

諸般しょはん睡眠者 [ variable sleeper]

諸般しょはんとは色々なとか様々なとか多様なという意味.適正睡眠時間が平均的な人です.適正睡眠時間は 6〜9 時間で,全人口の 80〜90 % と非常に多様な人達がこれに含まれます.

短眠者 [ short sleeper ]

適正睡眠時間が 6 時間未満の人です.世界は広く,適正睡眠時間が 1 時間未満の人さえもいます(注 : 諸般睡眠者や長眠者の人は決してまねをしてはいけません).短眠者は全人口の 5〜10 % です.

短眠者としてはナポレオン [ Naporéon(仏)] が有名です.しかし居眠りが多く,あちこち具合が悪かったという話もあります.彼の適正睡眠時間はもっと長く,実際には短眠者ではなかったと考えられます.

長眠者 [ long sleeper ]

適正睡眠時間が 9 時間以上の人です.長眠者は短眠者と同じく全人口の 5〜10 % です.長眠者の例としては,何と言ってもアインシュタイン [ Albert Einstein(スイス)] が有名ですね.彼の平均睡眠時間は1日 10 時間だったと言われています.が,彼も他の研究者と同じように徹夜したりしていたので,実際は分かりません.

1.4 睡眠不足は肌に悪い?

これは本当です.成長ホルモンなど睡眠中のみ分泌されるホルモンがあり,その中にプロラクチンというホルモンがあります.プロラクチンは肌に潤いを与える効果があるので,十分に睡眠を摂るとプロラクチンもそれだけ多く分泌され肌の潤いが増し,睡眠不足ならカサカサになるという訳です.

なお,プロラクチンは昼寝など,概日リズムと関係のない睡眠でも分泌されるので,昼寝をするのも良いでしょう.ただし昼寝は就寝に影響のないように,10〜30 分にして下さい ‡1.なお睡眠中にのみ分泌されるホルモンの中には,プロラクチンとは反対に,概日リズムと密接な関係のあるホルモンもあります.

‡1 昼寝の時間
夜の睡眠に影響がないように,10〜30 分程度を勧めるのが普通です.しかし,睡眠の 90 分周期に合わせて昼寝を 90 分摂る事を勧める説もあります.なお,一般に昼寝は 12:00〜15:00 くらいに10〜30 分程度摂ると,午後の活動にも良いと言われるのでお勧めします.しかし, 15:00 を過ぎてからの昼寝は夜の睡眠に影響するので控えましょう.

2 章 快眠法の実践

2.1 就寝前にやってはいけない事

寝つきが悪くなるので,寝る前に化学的にも物理的にも精神的にも体に強い刺激を与えてはいけません.アルコールは入眠作用があって,適量なら健康にも良いです.しかし,本人が酔ってきたと自覚できる量では多すぎで,少しリラックスしてくる程度でやめましょう.飲みすぎると睡眠の質が格段に悪くなります‡2.その他,次に示す事はしてはいけません.

  • 寝る前は激しい運動をしない
  • アルコール・カフェインなどの刺激物を摂取しない
  • 寝る前に食事をしない.
  • 寝る前に映画鑑賞、喫煙、ゲーム、パソコンなどをしない
‡2 アルコールと睡眠
アルコールを飲みすぎると,ノンレム睡眠が阻害されます.ノンレム睡眠のうち,特に最初の2回は全く観察されなくなります.つまり,睡眠時間のうち,少なくとも最初の 3 時間が無駄になってしまいます.

2.2 就寝前後の要点

就寝前に言えることは,とにかくリラックスする事です.詳細を省けば,快眠はこれに尽きます.

  • 暗く静かな部屋で寝る.
  • 晴れた日は出来るだけ毎日布団を干す
  • 自分に合った高さ・硬さの枕をする.
  • 肉体疲労と精神疲労のバランスをとる.
  • 寝る前はリラックスする.
  • 40±1 度程度のお風呂に正味 20〜30 分くらいゆっくり入る.汗が引くまでゆったりと過ごし,汗が引いたら布団に入る.
  • 寝る前に軽いストレッチをする‡3
  • 寝る前に少し砂糖を入れたホットミルクを飲む.
  • 呼吸法,読書など,寝る前の習慣を決めておく
  • 充実したHをする(/▽\) イヤン ‡4(重要! : 男性の自己中心的なHはやめましょう.女性が不機嫌になってかえって眠れなくなります.仲が悪くなります.ふられます (* ̄m ̄) ププッ )
‡3 寝る前のストレッチ
強いストレッチをすると目が覚めてしまうかもしれません.寝る前のストレッチは,全身を軽く行いましょう.
‡4 Hの後は眠くなる
Hの後は,疲れと満足感だけではなく,ホルモンが分泌されてそれが眠気を誘います.

2.3 起床時の要点

朝は,準備運動をすればすっきりします.頭の準備運動と体の準備運動がありますが,好きな方をやればよいでしょう.声を出すのもかなり効果的ですが,近所迷惑になりかねないので注意してください.もちろん全部やっても良いです.それ以外にも次のような点に注意して下さい.

  • 浅い眠りであるレム睡眠の時に起きると寝起きが良いと言われます.具体的には,睡眠時間を 90 分の整数倍にします‡5
  • 毎日決まった時間に起きるようにすると寝起きもよく,生物時計‡6も正常に調節されます.
  • 起きたら顔を洗い,着替える(身支度をする.気持ちが切り替わります.).
  • 起きたら外に出る.屋外環境の刺激が体を目覚めさせます.洗顔や着替えの後でも構いません.窓を開けて外の空気を取り込むのも良いでしょう.
  • 朝起きたら軽い運動をすると目覚めがすっきりします.短時間の軽い体操またはストレッチ‡7が良いです.読書をしても目覚めがすっきりします.

しかし,最後にものを言うのは気合です.寝不足でなくても起きようとしなければ,やはりいつまでも眠ってしまいます (~ _△_)~ zzzZZZZZZ

‡5 睡眠時間は 90 分の整数倍
4.1 で詳しく説明しています.
‡6 生物時計
4.3 で詳しく説明しています.
‡7 寝起きのストレッチ
伸びなど,寝たままの姿勢で出来るストレッチから始め,徐々に体を起こした姿勢のストレッチをしていくと良いかもしれません.ストレッチではなく軽い体操でも構いません.

2.4 睡眠に関する豆知識

その他,睡眠に関する細かい事をピックアップします.

  • 起床後 2 時間は魔の時間なので注意して下さい.体調が軌道に乗っていないので事故などを起こしやすいのです.朝,出かける時間の 2 時間以上前に起きるようにすると良いでしょう.
  • 生物には半日周期というのもあるので,昼寝をするのも良いです.また,昼寝をすると夕方の作業効率が上がるのでお勧めします.昼寝は就寝に影響がないように , 12:00〜15:00 の間に摂り,時間は 10〜30 分摂りましょう.睡眠の 90 分周期に合わせて 90 分の昼寝をするとよいという説もあります.
  • 午前中に脳の働きがピークを迎え,午後に肉体の働きがピークを迎えます.そこで,午前中に勉強などをし,午後は運動などすると良いのですが,実生活では実現出来ないでしょう.

3 章 睡眠時間の短縮

3.1 睡眠の質と量

睡眠時間を短縮するには,睡眠の質を良くして睡眠時間を短縮する,という方法を採ります.つまり,睡眠の「量」は減らさずに,時間だけ短縮するのです.

「睡眠の質が良い」とは,睡眠時間全体に対して,深い眠りであるノンレム睡眠の時間が長い事を言います.つまり,ノンレム睡眠の割合を増やしていけば,睡眠時間も短縮できます(Fig.1 ,Fig.2).レム睡眠とノンレム睡眠については 4.1 で詳しく扱います.ここでは,レム睡眠が浅い睡眠,ノンレム睡眠が深い睡眠とだけ捉えておきましょう.

Fig.1 一般的な睡眠の深さの変化

睡眠の深さの変化をグラフにしたもの.

この図では睡眠時間は約 8 時間.一つ一つのノンレム睡眠は短い.

Fig.2 質の良い睡眠をした時の睡眠の深さの変化

睡眠の深さの変化をグラフにしたもの.ノンレム睡眠が増えたので,睡眠時間は少なくて済む.

この図では睡眠時間は約 4.5 時間.睡眠時間は少ないが,ノンレム睡眠をしている時間は Fig.1 の場合とほぼ同じ.十分質の良い睡眠を摂っているので,睡眠時間は短縮されても体に無理がかかっていない.

Fig.1 のような睡眠から Fig.2 のような睡眠にするには,「睡眠不足や疲労している時に人間の体が睡眠の質を向上させて,それを補おうとする現象」を利用します.よく「泥のように眠る」,「死んだように眠る」,「夢も見ていない」などと言われるような眠り方です.つまり,睡眠時間を短縮していけば良いのです.単純ですね.しかし,急に睡眠時間を減らしたり,短縮する方法を間違えると,辛いだけでなく健康や安全を害する場合があります.次項から睡眠時間を短縮する方法を説明していきます.

3.2 起床時間を決める

睡眠時間を短縮する時は起床時間を一定にして,就寝時間を徐々に遅らせていくという方法を採ります.そこで,睡眠時間を短縮する前に起床時間を一定にしておかなければなりません.

まずは現在の総睡眠時間を計算しましょう.総睡眠時間とは,通常の睡眠時間だけでなく仮眠など全ての睡眠時間を合計したものです.

( 総睡眠時間 )
= ( 睡眠時間 ) + ( 仮眠時間 )

次に起床時間を決めます.起床時間を決めたら,現在の総睡眠時間と同じ時間だけ眠り,決めた時間に起きるように,就寝時間を決めます.

( 就寝時間 )
= 24 + ( 起床時間 ) - ( 総睡眠時間 )

まずは睡眠時間を変えずに生活して,起床時間を安定させましょう

なお余談ですが,長い昼寝をしなければ( 10〜30 分‡8)朝起きた時点で生物時計が調節され,その日の就寝時間がおよそ決まります.個人差はありますが,起床時間からおよそ 17 時間後に眠くなります.したがって,起床が遅いとその日の夜は必然的に眠くなる時間が遅くなります.翌日の朝早く起きなければならなくて今夜早く眠りたいという日は,その日の朝早く起きましょう

( 眠くなる時間 )
≈ ( 起床時間 ) + 17
‡8 昼寝は 90 分以下
昼寝は 10〜30 分が良いと言われますが,睡眠の 90 分周期に合わせて,昼寝は 90 分がよいと言う説もあります.ただし,60 分くらいだと眠気がすっきりしないので,中途半端な時間にせず, 20 分程度か,そうでなければ 90 程度のどちらかにしましょう.

3.3 短縮を始める

1〜2 週間経ち,決めた時間に無理なく起きれるようになってから睡眠時間の短縮を始めます.だいたい 30 分を 1 単位として, 2 週間に 30 分ずつ減らしていくのが目安です.

例えば,元の総睡眠時間が8時間の場合,最初の 2 週間は睡眠時間7時間半で過ごし,次の 2 週間は睡眠時間 7 時間で過ごす,というようにします.なお,睡眠時間の短縮は就寝時間を遅くする事で行います‡9

目的の睡眠時間まで短縮したら,その睡眠時間と起床時間を守って下さい.特に起床時間は,前述の通り就寝時間を決める要素なので重要です.

‡9 就寝時間を遅くする
起きる時間を早くして睡眠時間を短くする方法は,生物時計を 30 分も毎週調整しなければならないので,一般に負担が大きいのです(就寝時間をずらす分には生物時計には影響が薄い).

睡眠時間を決めても,疲れていたりいなかったりして必要な睡眠時間は毎日変化します.しかし,この変化を無視して,ひたすら決められた睡眠時間を貫き通して下さい.どうしても疲れが取れない時は 1 日だけ睡眠時間を 30 分伸ばし,翌日から睡眠時間を戻しましょう.

このように徐々に睡眠時間を減らしていく事で,無理なく睡眠時間を縮めていけます.大抵の人は 4〜5 時間まで短縮できるという説もあります.

人の睡眠量は遺伝子で決められています.したがって,ある時間以上睡眠時間を削るとどうしても疲れが取れないという場合は,その時間があなたの適正睡眠時間であると考えられます.無理せずにそれ以上の短縮を諦めて下さい.

4 章 睡眠の医学

4.1 睡眠の効果

睡眠の効果はその睡眠段階によって異なります.睡眠段階とは簡単に言えば睡眠の深さです.大雑把に言って睡眠段階にはレム睡眠 [ REM sleep ] とノンレム睡眠 [ non-REM sleep ] があります.

レム睡眠は,意識はないが脳波は起きている時と同じ状態で,浅い眠りです.この時に脳内の情報を整理し,その結果として夢を見ます( 70〜80% ).一方ノンレム睡眠は REM を示さない睡眠段階の事で,脳も体も休んでいる状態です.この時も夢を見ますがレム睡眠の時より見ている事が少ないです(0〜50%).REM とは急速な眼球運動 [ Rapid Eye Movement ] の頭字語かしらじごで,レム睡眠とは急速な眼球運動を示す睡眠段階の事です.

レム睡眠とノンレム睡眠は 70〜110 分間隔で繰り返しているので,個人差はあるものの 90 分の整数倍の時間帯はレム睡眠である事が多いです.そこで,睡眠時間を 90 分の整数倍にすると起床時間にレム睡眠がぶつかって,寝起きが良いという事になります.

4.2 睡眠の必要性

一般に, 3 日以上無眠だと怒りっぽくなり,集中力や作業効率も落ちてきます. 5 日以上経つと幻覚が生じてきて,危険な状態になります.また,睡眠不足の時は,本人が気づかないうちに一瞬だけ眠ってしまう事があります(フラッシュ睡眠).フラッシュ睡眠が車の運転中や,危険な作業中に起こると大事故につながるので,該当する人は普段から睡眠不足にならないように注意して下さい.短時間の昼寝も有効です.

4.3 概日リズム [ circadian rhythm ]

概日リズムとは,外部環境を一定に保った時に現れ,生物の行動や生理現象が概ね(circa)1 日の(-dian)周期(rhythm)で変動する現象の事です.微生物から動植物まで,非常に多くの生物に見られる現象です.人間の場合は 24±5 時間周期の概日リズムを刻みます.

概日リズムを司る部位を生物時計 [ biological clock ] といい,生物時計によって時が刻まれ,調節されています.生物時計は 1 個体に複数ヶ所あり,例えば日光に当たるなど,時間に関係がある刺激によって概日リズムを微調整しています

人間の場合,生物時計がずれると疲れやすく,無気力になり,登校拒否,出社拒否につながります.ひどい場合にはうつ病になる事もあり,注意が必要です.また,免疫力も弱くなり,病気になりやすくなるなど,いい事がありません.

4.4 年齢による男女の睡眠時間の変化

年齢による平均睡眠時間の推移を近似式で表すと次のようになります(『図解雑学 睡眠のしくみ』の統計資料から導き出しました).ただし 10 歳未満および 80 歳以上では成り立ちません
y = 平均睡眠時間(分),x = 年齢(歳) とすると,

(女性の睡眠時間式)

y
= 0.053(x2) - 4.063x + 489.2 …(1)
= (0.23x - 8.83)2 + 411

(男性の睡眠時間式)

y
= 0.076(x2) - 5.375x + 516.3 …(2)
= (0.276x-9.74)2 + 421

男性は 30 代で,女性は 40 代で睡眠時間が最も短くなります.また,男性は女性より必要な睡眠時間が長いです.事実,(2)式の右辺と(1)の右辺の差は,

((2)の右辺) - ((1)の右辺)
= 0.023(x2) - 1.312x + 27.1
≈ (0.152x - 4.32)2 + 8.5 > 0

となり,この式は常に正で,これは男性の平均睡眠時間は同じ年齢の女性より多いという事を示しています.

若いときの女性は短時間で男性より質の良い睡眠が取れるので,睡眠時間が短くても不自由しません.しかし,年をとってくると徐々に質が落ちてきます.睡眠時間は短いのに質が落ちてくるので,年と共に女性は睡眠不足になりがちになります.つまり女性の場合,年齢と共に睡眠「量」が減ってきて,やがて男性の睡眠量より下回ってしまいます.男性の場合,睡眠の質は年齢によって余り変化しません.

なお,この式で導出される睡眠時間は平均の睡眠時間に過ぎません.1章で述べたように適正睡眠時間は想像以上に個人差があるので,式の結果は飽くまで参考程度にして下さい

参考文献

『睡眠学 ハンドブック』
日本睡眠学会/編集
朝倉書店/出版
『図解雑学 睡眠のしくみ』
小林保/著
鳥居鎮夫・睡眠文化研究所/監修
ナツメ社/発行
『超・快眠学』
鳥居鎮夫/著
ハート出版/発行
『上手な快眠術 ― (あなたをリラックスさせる眠り)』
井上昌次郎/監修
実業之日本社/発行
TV 番組『世の中ガブッと』
テレビ東京

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