電動車いす購入の手引き その3

・外国製車いすのスペック比較


日本と外国の開発理念の違い

外国製品は日本製品と比べる意味が無いくらい進んでいます。
日本は電動車いす開発に関して、
20年の遅れをとっていると言われていますからね。
どこの大手メーカーもリクライニング、チルト、チンコントロールは
当たり前です。

福祉政策の遅れ、需要の問題、差別の問題など
いろいろと理由があるのでしょうが、
根本的な違いは「車いすを作る」という立脚点にあります。

簡単に言うと日本の「パーツありき」の作り方をしているのです。
「こっちにaという部品があった。
あっちにbという部品があった。
そっちにcという部品があった。
じゃあコレで鉄のフレームに全部つければ便利な電動車いすになるよね。」

コレが日本です。障害者と健常者との溝を埋めようとしているわけです。

外国は「シャーシとフレームありき」です。
乗る人が毎日何時間も乗っても
快適かつ安全であることを目指して作られます。

乗る人は普通に生活して当たり前の一人の人として考えられているのです。
そこに障害者と健常者の間の溝はありません。

それに、さらにあれば便利なパーツを追加開発していくのです。
これをadd on方式といいます。
最初から「電動車いす」を作るという前提に立って開発がされるのです。
だから生活性、スポーツ性共にレベルが違うのです。
見た目は似ていても開発工程と理念が逆なのです。

日本の車いすは悪く言えば単なる「パーツの寄せ集めの結果」でしかなく、
障害者専用の乗り物です。

外国のものは最初から最後まで「車いす」で、
一人の人が快適に暮らすための足です。


理念の違いが製品に反映されているのです。


世界最高峰は、やはりスウェーデン製
「ペルモビール」でしょう。

試乗レポートが「イベント」のページに
ありますので参考にしてください。

段差は7cm乗り越え可能。
たぶんそれ以上もいけます。

時速12キロ出るモーターなので
パワーも桁違いで35時間連続走行可能。

ジャイロセンサーという人間でいう
平衡感覚コンピューター内蔵しているので

たとえば車いすが傾くと
傾きを補うように車輪に駆動がかかります。

そのため段差でも坂道でも
常に一定して安定した走行が
可能になっています。

サスペンションもがっちりしたものをはいています。
段差乗り越えの際に身体がショックをもらうことはありません。
リクライニング、チルトなどは当然として、
座面の高さも変えられ、スピードも10段階で変えられます。
理念の違いがよく分かるのは、
「シャーシ」と「シート」を選択できる点です。

シャーシはハイパワーなものから日常的なものまで
用途に応じて5種類あります。

シートはさらに細かく分けられており、
子供用も含め7種類を選べます
スタンディング状態で走行できるシートもあります。
単純に35種類の車いすをユーザーにあわせて提供しているわけです。
それもすべて背面のセンターコンピューターに
専用ジャックを差しただけでPCを使い機能の追加、
パーツ変更への対応ができます。

そしてユーザー一人ひとりに合わせた微調整は
ノートパソコンにUSBケーブルにつないで
細かなセッティングをします。

日本の物は技術工房の人がジャッキや電気器具を使って配線を変えたり
部品を変えたりしなければこんなことは不可能です。

まさにハイテクとアナログの差を見る感じでした。
ペルモビールは「完成されたもの」を提供しているので
買う側はシャーシとシートを選ぶだけです。
逆に言うと融通は利きません。

それだけの自信を持っているということですね。

ただし値段が300万円を超えます。
                                    



対極的なものが、ドイツのアルバ社製
「アドベンチャー」という製品です。

これはシャーシさえ買えば、
あとは何を付属でつけても
対応できるというものです。

シャーシと別部品をつなぐ
コネクターパーツだけで
1000
以上あるそうです。

完全カスタマイズの領域ですね。

移動に邪魔だからといった場合には、
シャーシ以外の部品をその場で
すべてバラバラに分解できます。

最大段差乗り越えは12cm
登坂角度は15度。
四輪フルサスペンションにポルシェのものを使っています。
単純に数値だけでもイマセンの三倍です。

タイヤの径は非常に大きく、機体底面部の下は地面まで何もありません
(日本車はここにバッテリーや電気系統がごちゃごちゃついていて、
悪路走行の際に腹をこすります)

通常オプションのものは実にシンプルな形をしており、
無駄なものが一切無いスポーティブなシルエットで、
ここにお好みのパーツ(他社製でもよい)を追加できます。
『アドベンチャー』の名前を冠するとおり
アウトドアでの活動を念頭に作られているため
非常に頑丈で安定性に富んでいます。

こちらも背面のセンターコンピューターにジャックを差し込むだけで
パーツや機能の変更ができます。
もちろんコンピューターは専門家がいじりますが、
技術屋はもはやいらないという感を受けます。

私はフレーム破損をイマセン車で経験したことがあり
(普通にリクライニングしただけで)
基幹部を総取替えしたことがあるのですが、
外国製品はフレームをまず作っているので、
フレームやそれに付随するパーツの破損・故障は
2,3
年に一度あるかないかというレベルです。

こちらも価格が200万円オーバーですが、
一年に何度も壊れるものを買うよりはいいと管理人は感じています。

外国性ハイスペック製品比較

さていかにして自己負担金を減らし、
役所の人に納得してもらって外国製品にお金を出してもらうか。
これが今回のテーマですね。
それでは次ページへ飛びましょう。