東チベット旅行記
19日目 康定から成都へ
道路工事が始まると車を停められるというので、引き続き別の旅行社のツアーに参加するYさんを残して4時45分に交通大酒店を出発する。しかし30分も走らないいうちに工事カ所でストップさせられる。道が狭くて前方からやってきたトラックとすれ違えないのだという。こうなるとどちらかの車をバックさせなければならないが双方とも引かないのでどんどん車がたまっていく。
ここで偶然、巴塘の手前の不通個所で別れた4輪駆動車の運転手たちと出会う。彼らは来た道を引き返し連日強行軍を重ねて今朝康定に着いたのである。2号車の屋根には大きな傷ができていたが私たちと別れたあとすぐ落石に当ったのだという。崖際を走っているとき落石に当るかもしれないと心配だったが現実のことになってしまった。
開通を待つ車 屋根の傷
2時間待って、トラックが道路の端ぎりぎりに移動してようやく通過する。こんなことなら早く動けばよいのに横着なものである。川に沿って走っていると民家の壁に水で浸水した後がある。1mくらい水位があがっていたようだ。地球温暖化の影響がここにも及んでいるのか、7月は31日中18日も雨が降ったという異常気象である。やがて舗装道路になりスピードが上がってどんどん高度が下がる。
8時50分路定県を通過する。高度は1,240mになった。このあと上り坂になり、9時30分に1,570mの地点でトイレ休憩をとる。そばの崖を見るとエーデルワイスが生えていた。エーデルワイスは高地の湿地帯に生えるものと思っていたので意外だった。
崖に生えたエーデルワイス
9時45分工事でストップさせられる。車が停まった途端、籠にカップラーメンやゆで卵を入れた人たちが売りに来る。彼らは工事カ所で待つ人を相手に商売をしているのだ。10分ほどで通過したが、15分ほど走るとまた工事でストップさせられる。今度は長く待たされるのか、大勢の人がカップラーメンなどを売りに来た。朝食を食べていないので内藤さんがカップ春雨を買う。お湯を入れてもらおうとしたら車が動き出したので食べずに出発する。
このあとも工事区間が続き車を停められない。10時50分ようやく工事区間を通過、ニ郎山トンネルの手前の店でお湯をもらいカップ春雨を食べる。日本のカップラーメンの2倍くらいの量があり、なかなかいける味だった。
このあたりからは標高7,556mで世界で11番目の高峰というミニヤコンカが見えるはずだが今日は雲に隠れて見えない。
カップ春雨 ミニヤコンカの方向
11時25分、全長4176mのニ郎山トンネルを通過する。かってはニ郎山が中国とチベットの国境であった。
ニ郎山トンネル
11時55分道端の食堂に入りチャーハンを食べる。いつも食べるチャーハンよりおいしいなと思ったら、内藤さんが注文をつけて野菜をたくさん入れたのだ。店の前にアオスジアゲハが道の水を吸っていた。日本のアオスジアゲハと同じもようだ。子供の頃は家の周りの道で水を吸っているアオスジアゲハを良く見たものだが、このごろはまったく見られなくなってしまった。
アオスジアゲハ
1時間後出発。道路わきの山のあちこちにガクアジサイの花が見える。アジサイは日本原産と聞いていたが、中国にも自生しているようだ。道端で蜂蜜を売っていた。近くの山の花から採られた蜜だそうで花粉が入っているので少しにごっている。596ccのペットボトル入りが20元(300円)というのでお土産に買う。中国のペットボトルには500cc入りがなく、少し大きい600cc入りが使われているが誤差を考えて表示は596ccになっている。
13時40分天前町を通過する。これまでにない大きな町だ。高度は810mまで下がった。このあと天全川に沿って下る。このあたりから竹が目立ってくる。
14時22分高速道路に入る。空は曇っているが窓から入ってくる風がひどく蒸し暑くなってくる。時速100kmで飛ばし15時40分高速道路を出る。ついに成都に到着したのだ。
ビルが立ち並ぶ市街を走り16時5分ホリデーイン
クラウンプラザにチェックインした。このホテルは5星だが、室内の設備などは前回の旅で泊まった4星ホテルの西蔵飯店より明らかに1段階は劣る。星の数はいい加減なものだ。
ホリデーイン クラウンプラザ
疲れたので夕食の時間まで休んでいたかったが、旅先の時間は貴重なのでタクシーに乗って王建墓を見に行く。
成都のメインストリート 毛沢東像
15分ほどで王建墓に到着、3元払って入場する。門の前に墓内部への入り口があるが15時を過ぎているので入れない。仕方がないので墓の周りを歩く。王建墓は土で盛られた1周200mほどの円形の墓で下部は5段の石垣になっている。
王建墓入り口 王建墓
墓の裏手は公園になっていて、宣華苑という池のある中国風の建物や、いろいろの竹が植えられた翠竹園がある。
宣華苑
18時になったので引き上げる。行きのタクシー代は26元だったのに帰りのタクシー代は13元だったので黄さんにわけを聞いてみると、成都のタクシーには高級車を使った高いタクシーと一般車を使った安いタクシーの2種類があってホテルから乗ったのは高い方のタクシーだったのだ。
18時半からマイクロバスに乗って夕食に出かける。窓に貼られた共産党の札の威光か、運転の荒っぽさには驚かされる。赤信号でも横から車が来なければつっきってしまうし、前から車が来ていても強引に左折(日本の右折に相当)してしまう。歩行者がいても減速しない。事故が起こらないのが不思議なくらいである。これから中国に行くときは0ナンバーの車に注意しなければならない。
15分ほどで黄さんお薦めの故郷縁に到着した。料理は四川料理だったが、激辛ではなく甘口の料理でおいしく食べられた。食後スーパーによってお土産を買い、ホテルに戻る。いよいよ明日は日本だ。