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保護者の方へ
お子さんがいじめられていることに、どれほど心を痛めていらっしゃることでしょう。子どもの年齢や状況によっても異なりますが、早期に発見して学校の先生に協力をお願いするのが一番解決しやすいようです。学校の先生が協力的でない場合には、子どもを守るために闘う覚悟が必要です。お子さんを守れるのはご家族だけです。学校が自殺という最悪の事態になるまで事の重大さに気づかなかった、というのはよくあることです。
早期発見のために
低学年の場合は子どもの様子からわかることも多いのですが、中学生になると親に話したがらない子どもが多いようです。いじめられていることを知られるのが恥ずかしい、いじめっ子に一番気にしている欠点をつかれ、いじめられる自分に自信をなくす、など思春期特有の心理状態が口を重くさせるようです。また、思春期の女子の場合、もともと仲のよかったグループ内でいじめが発生する場合が多いようなので、注意が必要です。
親が子どもの様子から気づくポイント ⇒日本弁護士連合会編「いじめ問題ハンドブック」による
・学校のことをはなさなくなり、学校の話題を避けるようになる
・友だちとの行き来がなくなり、外に遊びに出なくなる
・今までと違った友達が急にふえ、流されているような遊びや行動が始まる
・成績が下がり、忘れ物がふえ、先生の叱責を受ける機会がふえる
・怪我をしたり、服が破れ、持ち物が壊される、持ち物をなくすことが目立つ
・家のお金を持ち出したり、万引き事件などに関与する
・からだの不調を訴え、休みがちになったり、遅刻が目立つ
・遠足、宿泊旅行、修学旅行、運動会などの行事に参加することをいやがり、休みたがる
子どもがいじめられている事実がわかったら
まず、あわてないでゆっくり話を聞きましょう。それから、ご両親がお子さんの一番の味方で、何があっても守る、ということを伝えましょう。
あわてて相手の親や学校にクレームすると、こじれる場合もあります。冷静に事実を確認しましょう。
お子さんが先生に言わないで欲しい、という時には、お子さんの気持ちを尊重しましょう。「子どもが言わないでほしいというときは、担任の先生が学級経営に失敗していたり、学校の管理指導体制が厳しくて、子どもたちの気持ちを把握できていない場合が多くあります。先生や学校が中途半端に介入することでいじめがエスカレートし、子どもの被害がひどくなる場合があります」(日本弁護士連合会編 「いじめ問題ハンドブック」)
言ってはいけないこと
「いじめられる方にも問題があるのではないか」 - 苦しんでいるお子さんをさらに追い詰めることになります。
「大したことではない 気にしすぎだ」 - あなたには大したことではなくても、子どもにとっては大変なことです。もしあなたが職場で無視されていたり、地域社会で孤立していたりしたら、どう感じるでしょうか。お子さんは同じ状況にあります。お子さんの性格にもよりますが、大人にとっては小さく見えることでも、お子さんは大きく傷ついているのです。
「やられたらやりかえせ」 - そういわれてやりかえせるくらいなら、とっくにやっています。 できないから苦しんでいるのです。小学校でいじめられた子どもが中学校でいじめっ子になるということもよくあるようですが、いじめの連鎖になってしまいます。
「強くなれ」 - そういわれて強くなれるなら、とっくになっています。いじめに負けない強さを持って欲しいという気持ちは親としては当然ですが、お子さんは突き放されたと感じるでしょう。お子さんと一緒にいじめを乗り越える、という気持ちが必要です。
事実を記録する
いじめは学校での出来事なので、解決するには学校の先生の協力を得るのは不可欠ですが、まずいじめの事実をはっきり提示する必要があります。事実がはっきりとしていないと、言った言わないという水掛け論になったり、ふざけただけだ、いじめるつもりなんかなかった、という相手側の言い分が通りかねません。お子さんの話の内容や、他の子どもや保護者から聞いた話を記録し、物を壊されたりした場合には写真をとる、怪我などは診断書をもらう、などして、いじめの事実があったことをはっきり証明できるようにしておきましょう。
学校との交渉
いじめの事実が確認できたら、まず担任の先生に面談し、解決を依頼しましょう。先生が適切な対応をすれば、解決する場合が多いようです。しかし、先生にその能力がなかったり、問題を解決する意志が見られない場合には、教頭先生や校長に訴える必要があります。交渉の方法については、小寺やす子・野口よしみ共著 「いじめ撃退マニュアル」 情報センター出版局に、非常に具体的で有益なアドバイスがのっています。ぜひご一読下さい。
子どもの心のケア
家庭ではなるべく子どもがゆっくりくつろげるように心がけましょう。子どもにとって家庭が安心できる基地の役割を果たすことが重要です。
また、いじめられた場合の対処方法を子どもと一緒に考えることも大切です。「嫌だ」と意思表示できるようにするトレーニングや、いじめられた場合を想定してのロールプレイングなどは、海外のいじめ防止教育にも取り入られられている方法です。
お子さんに何らかのウィークポイントがある場合にはそれを改善したり、他のことで自信をつけたりすることも必要です。
対人関係のコツや自己主張の方法をわかりやすく解説した、ライフスキルのページ(NPO法人ASKのホームページ)がありますので、お子さんと一緒にご覧下さい。
全国の相談所・人権相談窓口
学校に相談してもいじめが解決しない、または学校が対応してくれない場合には、自治体の相談所、教育委員会、弁護士会の人権相談窓口、法務省の人権相談所などに相談しましょう。ただし、自治体の相談所や教育委員会は、学校とつながりがあることに留意が必要です。いじめによる子どもの人権侵害が著しい場合には、弁護士会に人権救済を申し立てることができます。人権救済を申し立てると、弁護士が間に立って学校に対策を勧告するケースもあるようですが、、強制力はありません。