小川谷 滝谷 
(奥多摩 日原川)  '05/8/27(土)  曇り 河西・斉藤   記録 斉藤


ご無沙汰なのだった。
1年ぶりの沢登りなのだった。
台風11号一過の青空♪水もほどよく引きキラメク沢♪夏休み最後のお
もひで♪

「想定外でした」

途中見た日原川は茶色く増水し相棒のカワニシが
「大丈夫っすかね?ほんと登れんっすかね?」と不安を煽る。
車を進める小川谷林道は山から染み出す水で川のよう。おまけにお空は曇り空。
「むむむむ・・・ダメかも」

萎える気持ちに鞭打って、とりあえず小川谷林道の終点に車を止め登山道を20分ほど歩き、滝谷・酉谷・悪谷が出合う三俣に着く。
やっぱり水量多い。

釣師だろうか?タープが一張り。下には荷物が置いてある。
川原で登攀具を着けていると荷物が動きだした。寝袋に包まる普段着の女性だった。

曇り空に気が進まないが出発。

滝谷に入渓するとすぐに釣師。タープ女の彼氏だろうか?
「モー!なんだよこの釣師っ!今日は最低!」
なんて気持ちを抑え、巻けそうにないので釣果を尋ね世間話。フレンドリーにフレンドリーに。
でもイヤな顔ひとつせず あっさり先行を許してくれた。
いい奴だ・・そんなこと思った俺を許してくれ。

水量は多いけどそれほど冷たくない。普段は枯れているだろう枝沢から水が勢いよく流れ込んでいる。
カワニシと相談して今回はスピード重視。直登、高巻き早いルートを採ることにする。
スピード重視イコール温泉・ビール速攻作戦なのだ。

沢は名のとおり大小の滝が続き(もちろん中もある)小気味よく高度を上げる。

5m二条の滝、なかなか綺麗な3段10m滝、いずれも右側を登る。
だんだん気分が良くなってきた。天気がよければなおいいだろう。

入渓して小一時間で三ノ沢が出合うと右曲する沢の奥、木々の間に下ッ滝が見えた。
20mの直瀑。落ち口がかぶってとても登れない。

右岸を小さく巻き降りると藤小屋窪を分ける両門ノ滝の登場。水量多くなかなかの迫力。

右側を巻きしばらく行くと上ッ滝3段25mのお出ましとなる。


小腹を減らしたカワニシがチャージしているあいだ滝の下まで行ってみた。

一段目の真ん中に張り出す岩を境に二条の滝が流れ落ちている。
もしかしたら平水時は右の滝は無いのかもしれない。

ガイドでは左の岩の隙間を狙って登るそうだが、左の滝はジャージャー流れてて取り付く気にもなれない。
どっちかと言うと右の壁を細かく拾った方が登れそう?「おっ見えた!俺には見える!まず右足、いや左足をここにおいて、右手であのホールドを掴んで上体を押し上げてだな。で、左手であそこ掴んで、右足上げて、左足引き上げて、アカ上げて、シロ下げないで、アカ下げない。ん?二点支持。目の前の灌木に噛み付く。。。詰んだな。」壁面のツイスターゲーム、脳内登攀は安全で楽しいのだ。

そんなわけで一本入れた後、弱っちく右岸の岩盤をできるだけ小さく巻いた。
落ち口に無理に降りないよう沢沿いに斜めに戻る。

「巻きが基本 ダメなら撤退」がすみ放流なのだ。

小さいゴルジュを進むと胎内滝。
5mほどのチョックストンの滝で、覆いかぶさる石で空洞が作られている。
なるほど胎内だ。


水量多くカワニシはハナから行くつもりは無いようだが、ここまで上下の大滝を巻いてきたんで、ちょっと攻めようかと とば口まで行ってみる。
「胎内のとば口・・・」なんかやらしい。
「滝に頭を突っ込み中を覗く・・」なんか間男みたいでやらし。

暗闇の前方にポッカリと穴が開いている。
そうしてる間も、上から水がザンザン降り注ぎ、もー。やらしてくれるんだかくれないんだかドッチ?ドッチ?
あえなく間男は巻きに入るのであった。

でも、滝直近の右岸を巻いたが この巻きが一番やらしかった。
後続カワニシにロープを出す。

ちなみに男の性的願望はマザコンに基づくものらしい、胎内に戻りたいという潜在意識が働き
「でもボク大きくなっちゃったから・・・一部だけでも戻そう。あっ これ本能だから ホンノウ。大丈夫だから。うんうん。ほか触んないから。」
なにが大丈夫なんだか。これもやらしかった。

閑話休題

胎内滝を越えると穏やかな渓相になり苔むした岩間を水が流れ日本庭園のようで素敵だ。
曇り空の上に霧まで出てきたが、それはそれで風情がある。

お昼も過ぎたので開けて明るいところで昼食を取る。
林が広がっていて気持ちがいい。ここで一泊し焚火宴会もいいかもしれない。三ッ星幕場。

ゆっくり食事をして出発すると、すぐに第一の二俣。
1:1の水量。やっぱり水多い?

二俣を右にとり傾斜のゆるいねじれ滝を越えしばらく行くと、奥の二俣。
ガイドでは水が枯れているはずだけど、ここもジャージャー流れてる。

右の方がやや沢床が高い。右に右にだが方向的にいまいち確信が持てないが・・右に。
水が枯れルンゼを登ると先頭を行くカワニシが崩れた木橋を発見。
崩壊しているがそこが長沢背稜の登山道だった。間違ってなくてホッとした。

酉谷山避難小屋までは良く整備された水平道だが、わずかな傾斜に足が悲鳴を上げた。
1年ぶりとは言え情けない。

終了点から40分ほどで避難小屋に到着。
水場もある立派な小屋は斜面にへばりつく様に建てられている。
よくこんなとこに建てたもんだ。

中を覗くと4,5名の先客があり、おばさん達が毛布で寝てる。
泣く子とオバサンには勝てないので外でビールを呑んで小屋を後にした。

岩の多い酉谷沿いの道はやがて登山道となり出発点の三俣までつづく。

1年のブランク。最後まで青空を拝めなかった上、結構真面目に登ってオチらしい話もないのだけど、滝から落ちなかっただけ良しとしよう。


9:00小川谷林道終点車止め/9:20三俣入渓/10:20三ノ沢出合/10:30下ッ滝/10:50上ッ滝11:40胎内滝/昼食30分/12:50第一の二俣/13:10奥の二俣/13:30長沢背稜登山道/14:10酉谷山避難小屋/14:50同発/16:10車止め