白水沢左俣 (阿武隈川 甲子山)

'93/11/3 晴     渡部・斉藤


前夜の酒のせいか、急な冷え込みで風邪を引いたのか、とにかく頭が痛かった。
見上げれば、夜半猛烈に吹き荒れた風により、雲ひとつない深秋の青空が広がっている。
凛とした秋の空気を吸い込むと不摂生な頭痛にうしろめたさを覚える。

対岸に甲子温泉の建屋を見ながら白水沢の入渓地点に向かう。
温泉宿の脇をぬけると、思ったより豊かな阿武隈の流れが見えた。

甲子山への登山道を行くとすぐ右手に2段10mが現れ、その上に堰堤が覗ける。
ガイドでは、ここからの入渓をすすめているが、めんどっちいのでまとめて巻いた。(登攀具忘れたし・・)

巻き道の途中に温泉神社がある。神社といっても小さな祠だ。「ハーケン打ったら温泉が噴き出す」「誰も知らない混浴美女付秘湯を発見(?矛盾)」そんなご利益を期待し、ついでに安全山行をお祈りした。

堰堤を巻き降り、枯葉の絨毯みたいな河原から入渓する。
渓相は木々が冬枯れているせいか明るくて気持ちがいい。

 天気は申し分なしだが、さすがに水は冷たく、力王タビをチョイスした渡部は悲鳴をあげている。
沢床は、緑がかったナメが多く、水流がヒスイのような光を放っている。
天気のいい日にはお勧めの沢だと思う。

しばらく行くとすぐに20m直瀑が現れる。迫力のある滝だが左を簡単に登れる。
合間合間に小気味いい滝が何個か続くと沢は1対1の分岐で分かれる。
右俣は大白森沢。左俣に入る。

しばらく行くと右に4段30m、左に20mの両門滝で分かれる奥の二俣に着く。
4段30mは下からは1段目しか見えない。
なかなか迫力ある綺麗な滝だが、倒木が多いのが残念だ。
本流は右だが、倒木を利用して左の滝を登る。
落ち口に岩がかぶりちょっと悪そうなので、念のためロープを出した。

登りきったところから右俣の4段30mの全容が見えた。なかなか立派。
左に入りトイ状の滝を越えしばらく行き、前方に逆くの字滝が見えるころ、水量は少なくなり、谷も薄暗い感じになってくる。
そろそろ終了しますかと右岸の斜面を詰め上げた。ヤブ漕ぎもなく、よく整備された登山道に飛び出る。

時間も早いので、弁当を食い、荷物をデポし、甲子山に登った。
標高1549mのさほど高くない頂上だけれど、360度のパノラマが楽しめる展望のいい山だ。

山頂からは小一時間で下山できる。せっかくだから甲子温泉につかった。
プールみたいに広くて、プールみたいに深い温泉。
中央の湯の中に岩がそそり立っていて、触ると子宝に恵まれるらしい。
混浴と聞き、急に信心深くなった我々の前で、オバサンがはしゃぎながらその岩に触っていた・・・
まぁ神様のご利益なんてこんなもんでしょ。
でも、決して、決して期待したわけじゃないんだけど、なんだかまた頭痛がしてきたのだった。

8:30 出発/9:00 20m直瀑/9:40 10m2条ぽい滝/10:30 二俣
/11:00 奥二俣/12:20 奥に逆くの字滝 右岸詰める/1:30 登山道
/2:00 甲子山/3:00 車