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白毛門沢(谷川連峰) '99/7/20
渡部・斉藤 記=斉藤
曇りのち晴れ
「海の日」の山行は、“海の神”のジェラシーか、はたまた遠慮深い“山の神”の仕業か、濃い霧に包まれて始まった。
前夜雨の中、赤城のSAで仮眠を取り、翌朝土合の駅に車を止め歩き出す。
天気予報では梅雨明けも秒読みといっていたが、雨はやんだものの山はガスに覆われ、なんともハッキリしない天気だ。
白毛門山への登山道に入ると、すぐに東黒沢への分岐があった。注意しないと見落としそうな道は途中から不明瞭になり沢に下りる。
おろしたてのウェディングシューズを履いている渡部は、妙に足が浮いている。(やっぱりヤツは足袋のほうが似合う!)
東黒沢は、丸山乗越からウツボギ沢への下降、広河原へのアプローチとしても利用される沢で、昨年夏のルートの一部に組み込んでいた沢だが、その時は雨のため撤退したので、初めて入渓する沢だ。
この所続いた雨で、やや荒れてはいるものの、なかなかの渓相を見せている。
しばらくして、左曲する沢にかかる20mのナメ滝を越すと間もなく白毛門沢の出合いに着いた。
2mほどの傾斜の緩いナメ滝は、同じ角度でシンメトリーに合わさり、どちらも進んでみたくなる、きれいな出合いだった。
天気も、山の中ほどから上はガスに覆われていたが、薄日も差し回復に向かっているようだ。
遠くにカジカの声を聞きながら一本入れ、いよいよ白毛門沢の遡行を開始する。
ナメの連続と開放的な明るさは、いかにも谷川の沢という感じで、曇り空でも心が躍る。
これといった悪場も無く、小滝を快適に登っていき、両岸の植生が草原に変わるころ“タラタラのセン”が現れた。
タラタラって言うくらいだから、タラタラダラダラした滝かと思っていたが、高巻きから見た15mの滝は、非常にハッキリと正しく真っ直ぐに落ちていた。多分、冷や汗タラタラが名の由来なんだろうか?
“タラタラのセン”にビビッたわけではないけれど、やや大きく高巻いてしまったようで、沢に降り立つと大岩の前だった。
丁度、飯時ということで、大岩を眺めながら、ココアを沸かし、昼飯にする。
昼飯後、大岩の左を回り込むように進むと、すぐに二俣となり、左の8mを越えると、白毛門沢の由来であるジジ岩とババ岩が、ガスの中から姿をあらわした。
ジジ岩は、ぴょこんと突き出た岩峰で、ずいぶんと元気のいいジイ様だ。ここの所イロイロと衰えてきた我々もあやかりたいところだ。
しかし、昼食をとった大岩やジジ・ババ岩、草原の中を流れる美しいナメといいなかなか見所もあり楽しめる。
さらに進み沢もだんだんと源頭の様相を見せてくるころ、青空が広がりスラブの先にくっきりと稜線が見えてきた。
まわりの草原にキスゲの花が所々黄色い点を添えている。
思わず歓声を上げるが、いつもの様に、一気に高度をあげる沢と一緒に息も上がってくる。
やがて、水が涸れるとスラブ帯となり、傾斜のきつい岩登りとなる。
落ちればイタイので、慎重に攀じ登り、スラブを抜け笹ヤブをしばらく進むと、白毛門山頂にドンピシャと出た。
あいにく山頂に着いたときは、またガスに覆われてしまったが、朝方の天気を考えれば上出来だった。
“山の神”はやはり我々の味方だったのだ。“海の神”ザマ〜みろ〜(なんとかヤマノカミも味方につけたいところだが・・・・)
眺望がきかないのは残念だったけれど、生暖かい水の粒子が上気した顔に気持ち良かった。
白毛門は美しく、そしてスカッとさわやかな沢だった。しかし疲れた・・・・。
日頃の煩悩をすっかり払った私の眼には、最近白髪の増えた渡部のアタマがぼんやりと映っていた。
9:00土合駅発/10:15白毛門沢出合/11:10“タラタラのセン”/12:10大岩
昼食/12:40同発/13:10
8m上ジジ岩がガスの中に見える/13:40
源頭部 青空広がり稜線見える/15:10
白毛門山山頂/15:30同発/15:50松ノ木沢の頭/17:40土合駅着
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