盆堀川 千ガ沢 (奥多摩 秋川)  父子の沢登り  千ガ沢編
'02/8/4  河西・斉藤(親父)・(息子) 記=河西    晴れたり曇ったり


ある日、斉藤さんからメールが入りました。
「8月4日空いてる?沢に行こうと思うんだが」

最近の斉藤さんの活動は活発です。
斉藤さんというと、どうしても呑み活動かと思いがちでしょうが違うのです。沢登りなのです。
私は以前、「俺、山嫌い」っていう言葉を聞いたことがあったように思いましたが、空耳だったのでしょう。

予定はないとのレスを打つと、実は新人を連れて行こうかと思うとの返事。おぉ!いったいどこの人間をだましたのだろうか!なぜ、すみ放なのか!と思っていましたが、聞けばご子息(小4)とのこと。

今年の夏に二人で沢一泊したいので、彼の実力のほどを測るためのようです。
すでに、もんきーずのさるさんに教えていただいた沢足袋も購入しており、最初は二人で行くつもりだったのが、万が一を考えもう一人ということになったのです。

もとより暇人です。しかも暑い日が続いています。沢で水を浴びれるなんて魅力です。
ひとつ気にかかるのは、小学4年生ってどんな感じだっけかなということです。友人の幼稚園児(女の子)とは仲良しになったけど、男の子って生意気なんだっけ、扱いにくいっけと考えました。一つ言える事は、間違いなく私はオバサンであるという避けられない事実です。オバサンと呼ばれても何も言うまいと心に誓ったのでした。

当日朝5時過ぎに斉藤家が迎えに来ました。朝も早かろうに、陸君は元気です。やはり、私の呼称のことで問題になりましたが、「さ〜つきちゃ〜ん」に落ち着きました。トトロです。MSCCのにゃんちゅうさんもそう呼びます。なんでもいいです。

今日は秋川の千ガ沢に行くことになりました。
いろいろと場所の選定に迷ったようなのですが、何かあっても真横を林道が走っているのは心強いからです。

盆掘の集落を抜けて林道に入ります。途中に立ち入り禁止のたて看がありますが、ゲートを切ってないし走行時注意という矛盾したことが書いてあるので、無視して進みます。
これから沢の同定をしなければなりません。緊張が走ります。一度失敗しているからです。
念のため、陸君に「ナビできる?」と聞きましたが、やはり出来ないようです。

なんとか千ガ沢を同定し、出合いから少し下流に車を止め準備にかかります。
陸君はとっても元気です。今、彼のブームは話題のスターウォーズ エピソード2のようです。

盆掘川の水は透明度も高く、渓相も明るいので車を止めたその場所から沢に入ることにしました。
真横を舗装された林道が通ってますが、車通りが全くないので見世物になる心配もありません。

水がきれいで禁猟区(なのに、看板には12cm以下はリリースせよと書いてある)なので、浅い沢なのに魚影がそこここで走ります。
そしてなんとメジロアブまでいるのです。先を行く斉藤さんのお尻には、2〜3匹のアブがたかっています。陸君や私にはほとんど来ません。きっとなにか原因があるに違いありません。詳しくは分んないけどね。ふふ。

千ガ沢までは滝やら大きな岩やらはなく、沢歩きといった具合です。ちょっとした深みがあると、陸君は楽しそうに入って行きます。ちっこいカエルを見つけては喜びます。でも、クモの巣や虫は大っ嫌いのようです。

ゆっくりと時間をかけて千ガ沢の出合いに到着しました。「お前、ここからは本当に慎重にいけよ」と父が息子に諭しています。
出合いのすぐそこに小さいながらも深い釜をたたえた滝がありました。
斉藤さんは右岸をへつります。陸君に教えていますが、手足が届かないので、釜に入り滝に向かって行きました。
そうだよね、背の高ーい人とは届く範囲が違うんだよね。分かってくれないんだよねぇ。やれっつったって、出来るものと出来ないものがあるんだよねぇ。私は同士を見つけた気分でした。

それにしても千ガ沢の水はきれいです。深いと青みを増します。人が入ってないのでしょう、そこいらに立派なクモの巣が張られています。
ところどころ沢の片壁は苔むした石垣になっていますが、沢の楽しみを半減させてしまうような人工物ではありません。それに、ときおり小さな釜を抱えた1mくらいの滝があり、楽しませてくれます。

「釜の水に入らないで向うまで行ってみな」と、陸君を先に行かせてみます。さすがにこの時ばかりは静かになりましたが、なかなかうまく進んでいました。
魚影を横目にみつつ、カエルを捕まえつつ先に進みます。
すると、初めて大きな滝が現れました。15mF1です。黒光りしてなかなか立派なものです。陸君はどうでしょう?怯んでいるかなとも思いましたが、そうでもないようで登る気満々です。
陸君にゆるゆるのハーネスをつけ待機。トップで斉藤さんが左岸を登ります。最後のところがちょっと苦労しそうです。ザイルで引っ張ってくれてるから大丈夫という事と、進めそうになかったら、引っ張りあげてもらえるよと教え、陸君が登ることになりました。
やはり手足の届く範囲が狭いせいで最初の取り付きに苦労します。しかし、その後はするすると進んでいました。すみ放の新人はなかなか見込みがありそうです。

すこし進むと小さなまるっとした滝と二股があり、ここで休憩をとります。陸君は小さい釜に飛び込んで遊んでいます。私もやろっかなと思いましたが、なんとなく自分よりだいぶ年若い子と同じことをしてはいけない気がして、やめときました。大人だから。

このあたりは伐採された木がそこらじゅうにあり、くぐったり渡ったりと忙しくなります。右岸から岩をつたって沢を渡り左岸に取り付く時、しっかりとした足場が取れなくて、陸君が滑り落ちてしまいました。くるぶしの辺りを打ってしまい、大事をとって今日はここまでにしました。
ごめんね、陸君。もうちょっと気をつけてあげてれば。サポートって難しいものであると実感しました。

下山の時に斉藤さんが「沢で一泊する?荷物背負って、今日の3倍くらい歩くんだけど」と陸君に聞くと、「やだ」と即答でした。楽しんでるように見えたけどねえ、ダメか。なんで?どこが一番嫌なとこなの?と聞くと、「荷物背負うのが」と言いました。・・・お父さんそっくり。
嫌じゃなかったら、簡単なところにまた一緒にいこうね。


8:40 入渓/10:30頃 15mF1/11:30頃 林道にあがる (全部曖昧)