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倉沢谷
長尾谷(奥多摩) '00/3/26
渡部・斉藤 記=斉藤
晴れ時々曇り
2月生まれの渡部と私は、先月大台へのリーチをかけた。
幼稚園の頃、早生まれの子は時計が読めなかったり覚えが悪かったり何かと普通?生まれの子に引けをとったが、今だその後遺症があるのだろうか?
孔子曰く四十にして惑わずらしいが、惑いを捨てきれない渡部は懸命にアセトアルデヒドと戦っている。いや、小間物屋を広げないだけ大人になったのだろうか?
2メートル四方に酒臭さを撒き散らす渡部と一緒に歩き出す林道は、その一点を除けば日当たりもよく気持ちがいい。
途中沢を渡る橋を過ぎると何故だか立派な舗装道路になる。多分名栗(埼玉)へ続けるのだろうが、1m×数十万円(税金)の典型的な公共事業だろう。
道の対岸にある北面の枝沢は凍りついているが、春の日差しの下、渡部はアブラ汗を流している。
しばらく歩くと道はまた砂利道となり、まもなく行きづまる。長尾谷へはここから入渓する。
左岸から同じくらいの水量の支流が流れ込むところで丸太橋がかかっている。
支度をしながら、持ってきた日本酒を一口やり、呑めないのをわかっていて渡部に迎え酒を勧める。
宿酔いにリードはままならず先頭になって歩き出す。
長尾谷の岩は全体的に白く、明るい印象を与える。
すぐに出てくる5mふたつはいずれも右側から快適に越えられる。しっかりした岩はフリクションも良く思わずうまくなったような気になる。
頭上に木橋を見ると巨岩の連なる連瀑となり沢は高度を上げていく。
やがて大岩のある滝を越すと立派な石積みの堰堤が現れる。
沢屋にとってはなんとも興ざめな建造物だが、石積みの堰堤はしっかりと石を組み合わせた年季の入ったもので、お手軽コンクリート堰堤と違って不思議と自然に調和している。
古人の苦労に思いを馳せしばし一服。
ここから先は蛇行する明るい瀬、ナメ滝がつづきその先に稜線が見えてくる。明るく開放的だが、所々両岸がガレていて落石注意だ。
全体的に悪場もなく、どの滝もホールドはしっかりしているが、日陰の岩には薄氷が張っていて、多少の緊張感を要求される。
源頭部に近づくと、沢は所々伏流となりながら水量を減らしていき、やがて凍りつき冬枯れの残る山肌に銀色のトレースを引いていく。
最後の6m滝は完全に凍りついていた。渡部が滑らないように左側を慎重に登っていく。
氷瀑を過ぎると沢は傾斜を増し、両脇はすず竹の藪になる。
終了点まであとわずかと思われるのだが、窪に張り付いた氷に足を取られ、思うように進まない。ひとたび滑ればさっきの滝まで一気に落ちそうな気になってくる。
頼りない竹に体重を預けながら藪沿いにトラバースするが、傾斜も強く塩梅がよくない。
スリングでセルフビレイをとりながらヨッパライのオヤジどもは大声を上げ右往左往する。と、半身ほども乗り出したところに道があった。
やっとのことで蕎麦粒山をトラバースする登山道に出たのだが、覗いてみれば登山道から目と鼻の先で30分ほどジタバタしていたわけだ。思わず回りにハイカーがいないか確認してしまった。
一本いれてスイッチバックで蕎麦粒山山頂を目指す。
狭い山頂は数組のハイカーで賑わっていた。とにかく腹ごしらえと激辛ラーメンを食べ、一杯やる。
小一時間ほどかけのんびりと昼飯をすませ、蕎麦粒山山頂をあとにする。
前に来た時は鳥谷戸尾根を下降したが、植林帯のダラダラ坂がけっこうキツかった覚えがあり、今回は川乗林道を降りることにする。
山頂からの尾根道は真っ直ぐに川乗山まで伸びており、楽しいハイキングができそうだ。
車が通れそうなほど良く整備された道をしばらく歩く、のんびりと歩く、ダラダラと歩く、気持ちよ〜く歩く…いったいどれほど歩いただろうか?登山道ではまったく緊張感のない我々はアッサリと川乗林道への道を通り過ぎてしまった。
ルートミスも含め長〜い長〜い林道歩きのすえ車に辿り着いたのは、あたりも暗くなった頃だった。
1年分の林道を歩いた気分だ。
沢始めだから、のんびりと登って、明るいうちに帰る沢(大人なんだから)と決めたのだが、結局夜になってしまった。
2000年初の沢。不惑を前に我々はまだ惑い続けるのだろうか……?
8:20倉沢林道駐車発/
9:30入渓/10:15〜30石積み堰堤休憩/10:45ナメ滝連続/10:50稜線見える/11:00奥二俣/12:15〜45登山道下でもがく/13:00蕎麦粒山山頂昼飯/14:00同発/14:15桂谷ノ頭/14:45間違え気づき戻る/15:40川乗林道/17:10車道/17:55倉沢林道車着
メモ:川乗林道ゲート有り 橋近辺にも駐車スペース無し
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