水根沢谷
 (奥多摩 多摩川)
   '98/7/26  曇り時々晴れ  渡部・斉藤     記=斉藤



前夜の墨田花火大会の酒が残る体にムチを打ち、いつもより遅く、渡部を拾い8時に向島を出る。
長引く梅雨に、昨夜の花火も雨の中を強行されたが、我が放沓山岳会も夏のビックルートのために、トレーニングを強行しなければならないのだ。
とか言ってもメンバーは渡部と私。この山岳会はどうなってんでしょ?
水根は2回目だと言う渡部の話では、奥多摩らしからぬ楽しめる谷らしいが、運動不足に睡眠不足。酒とバラの日々に明け暮れる我々には、ちと厳しいかもと不安になる。
幸いに天気は、不安定ながらも晴れ間も見えまずまずの天気。
10:00に水根キャンプ場の手前に車を駐車し、身支度を整え出発する。
キャンプ場のおばちゃんに「水が多いから気をつけなさいよ」と注意され「ハァイ」と素直な返事をして沢に降りる。
確かに昨夜の晩から朝まで降っていた雨のせいで、水量は多いが、気温、水温は高い。
ワクワク、ドキドキ、ハアハア?言いながら進むと、早速ドドド状態の滝の出現。
先行パーティーの一人が二段目の滝の右岸をへつっているのが見えた。
先行者が抜けるのを待って、一段目の滝を登り、二段目の滝の右岸を見てみたが、ボルトが4本ほど連打されており、スタンスはほとんど無い。ようはスリングにぶら下がる形での人工登攀になる。
しかして我々は先行者を「たいした篤志家だ!」と褒め称えながら高巻くのであった。
その先の橋の下を抜けた所で、先ほどの先行パーティーの3人が、滝にとりついていた。女性が一人入っており、果敢に攻めている。なかなかのクライマーだ。
我々も沢歴7年目を迎え、クライミングの腕も上がってきたが、往々にして渓の中では別のクライマー(タスケテ〜などと泣き叫ぶ)になってしまうのがタマに傷なのだが。
そんなことを話しながらも、いつもよりは積極的に、釜をへつり、滝を登っていくが、いかんせん水量も多く、あと一歩にビビッたりしながら進んでいくと大きなゴルジュに入った。
先ほどのパーティーとは別の中年3人・若者5人のふたパーティーが左右の巻きに入っていた。
一本つけながら様子を見ていると、中年組は左岸の壁を登り大高巻きをするらしく、オジサンが細引きを引いて壁に取り付いている。所々で残置のピンにアンカーを取っているが、下のオジサンは初心者らしく、ボーっとザイルを握っている。落ちたらアウトだ。
若者組は、右岸の岩帯のルンゼを登りきり、懸垂下降で抜けようとしている。しかし、女の子2人は初心者らしく時間がかかりそうなので、我々は右岸岩帯の真ん中のバンドをトラバースして釜を巻き奥の滝を直登することとした。
バンドを降り、滝の前にいってみると、ドドド状態で取り付いたとたん持っていかれてしまう。渡部がハーケンを打ちこみのっこす。私はロープを引いてもらう。
以外とアッサリと抜けたとたんパラパラと音がして頭ほどもある岩が落ちてきた。
13:00にワサビ田の前の河原で昼食と酒を摂取し、後半戦に入る。
酒の勢いをかり(それでも高巻いたりしてしまう。)進み、クライマックスの半円ノ滝につくと、さきほどの若者5人パーティーが右岸を巻いていた。
ガイドではトイ状の滝を大股開きで登るか、右岸の巻きだが、この水量では直登はムリ。右岸は人がいるので、左岸を登り懸垂下降で沢におり、終了点から登山道を15分足らずでキャンプ場へと戻った
水量も多く、しょっぱい所もあり、ハーケンを3度ほど打ったが(登ると意外とアッサリで、もったいないので抜いてきた。)楽しい沢だった。
帰りの車の中で、家に連絡すると、親父が何度も電話をしてきたとカミサンが言う。
滋賀のほうで沢登の男性が二人滑落して死んだらしく、心配していたらしい。確かに私たちは、まだまだあぶない。


10:00入渓/13:00ワサビ田前(昼食)/14:45半円ノ滝先終了点/15:15水根キャンプ場車着