御岳沢(奥多摩 後山川)
  '01/5/27   渡部・堀米・河西・斉藤    記=斉藤
曇り時々雨のち晴れ


  前夜の渡部からの電話。
  「ん〜?どもども・・・・あ”〜 今?上野。O原夫妻と呑んでるの。。ダイジョブ、ダイジョブ・・・行くぞ!明日・・・んっ!んっ!」
  うしろでヤツのカミサンの“中止っ!中止っ!”の声がフェードアウトしていく・・・・

  今にも降り出しそうな空を眺めながら首都高に入ったとたん大粒の雨が降り出す。
  今回のメンバーはノリマキ・河西さんの女性ふたりに(天気以上に不安定な渡部)と私の4名。
  そのうちのひとり、河西さんは我が会のBBSに訪れた、いわゆるフリーのお客さんだ。

  “はじめまして。こんにちわ。
  沢登りとかクライミングをやってみたいと思ってます。
  河西といいます。
  東京都内に在住です。初心者なんですが、一度参加させてもらっても大丈夫でしょうか?”


  確かにトップページには会員募集らしき一言はあるのだが、このレスに渡部も私も、首をかしげてしまった。
  “ちゃんと会の内容を確認したのだろうか?”
  “なにか大きな勘違いとかしてないだろうか?”
  “DNSサーバーの異常だろうか?いや!もしかしてナントカウィルスに感染・・・きゃ〜怖い〜”
  “もしかしてデブでオタッキーな男”だったらどうするか?”
  “いや!逆にムチャクチャ色っぽいオネ〜サンで、いや〜んハーネスが食い込んじゃうぅ♪なんてこと言われたらどうするか?”
  “ん〜もしかして他山岳会のスパイかもしれん”(んな事あるわけないが・・)
  “ところで、ウチは山岳会だったっけ?”
  “ゴメンなさい完全なルートミスです・・・反対側降りちゃいました・・・でどうしましょう?”
  しまいにゃ“この世もおわりじゃ〜〜!”などとチューハイぶちまけ叫びだし、本末転倒自虐的興奮状況のなかプロファイリングと憶測をはりめぐらしていたのだが、ラチがあかんだろうと渡部がメールで確認。帰ってきたメールでさつきさんという女性とわかり、スワ!やっぱりハーネスイヤ〜ンボインボインか?と放蕩オヤジのボルテージいやがおうにも盛り上がり、まあまあこんなところではナンですから浅草の雷門の下、イキに待ち合わせなどして、まずはかための盃キュッキュッとやりながら山でも語りますか。
ということになり、小雨そぼ降る大提灯の下、現れたのは少年のような小柄な女性だった・・・・・ごめんカワニシ(なぜかここから呼び捨て)
  ということでとにかく一回行ってみましょうと、カワニシ初参加の山行とあいなったわけだ。

出掛けに降っていた大雨も丹波川が見えるあたりで、小降りになり、後山林道では薄日も差す天気となってきた。
行いの悪い人(渡部←名指し)がいるのに・・・カワニシなかなかの強運の持ち主かも。

  いったん林道終点まで車を走らせ、御岳沢の切込みを確認し、踏み跡を使い、林道から数十メートル下の本流に下降し、川原で登攀具を着ける。
 しかし、カワニシは着る物以外 全部借り物なのだが、ミョ〜にその出で立ちが様になっている。
野球でもユニフォームの着こなしがうまい選手は野球もうまいというが、普通の女の子がキャ〜キャ〜言いそうな斜面を、逡巡もみせず降りてきた。

後山川の本流を渡渉し、御岳沢に入渓する。
 トップを私が、2番手カワニシ、3番手ノリマキ、酒臭く小間物屋をひろげそうな渡部は風下川下のしんがりをつとめてもらう。
 あっ そうそう今回は私がCL(チーフリーダー)なのだ。やったことないけど・・
今回選んだ御岳沢は途中に登山道が何度か横切るので初心者にも安心な沢だ。
テッペンまで行けば今の時期、飛竜のシャクナゲが盛りだろうか・・・つっても初心者同行のうえアル中患者を抱えては、とても無理というもの。
ここはトレーニングを兼ねノンビリ登ることとする。
雨に濡れる川原を歩きだすが、天気は今ひとつ。カワニシ初めての沢としてはあまり条件がよろしくない。
浅草の面談?では、ツアーで谷川の東黒沢ハナゲの滝まで行ったことがあると言っていたので、沢登りがどんなものかは多少知っているようだったが、出来ることなら晴天の日に沢を案内したかった。

渡部も私も心配するのは、沢登りとは必ずしも楽しいだけでなく、むしろ楽しいことが少ないスポーツ?ではないかということだ。
最近の子供がテレビゲームなんかの100%完成されたエンターテイメントに夢中になり、空き地の棒っきれに魅力を感じなくなったのに似て、大人もいかに快適で楽しくカイカ〜ンを得られるかを考えるようになってしまった現状を考えると、沢登りを好きになれるかどうかは、その小さな楽しみをどの程度ありがたがり、シアワセを感じるかの感性にかかってくるからだ。

そして沢登りはまさにその逆を行く“ツ・・ツライのタ・・楽しい。。”というマゾヒズムなスポーツなのだ。
 だから私はすぐ下山を主張し、里でのビールをわめくわけだが<説得力なし。

とにかく初めての山行で、雨ビチョビチョ、泥壁でオベベグチャグチャ、滝壷ズッポシなんてことを経験すると、大抵の人は、
「私のやりたかったことと違いますっ!ぜぇ〜〜ったい!ぜぇ〜ったい違います!!」
なんてことを言い出し、メット・ハーネスかなぐり捨てて、その場で白いシャツなんかに着替えちゃって
麦藁帽子おさえつつ「高原の風さん、マイナスイオンをはこんできて♪」なんてことになるんじゃなかろうかな。と考えるわけである。
しかし、そんな心配をよそに、カワニシは結構楽しそうに登ってくる。フムなかなかやりおるわい。などと言っているうちにF1‐8mが現れた。

トップで釜を左岸から周りこんだが、雨のため水量も多いのか、どうやってもパンツラインに来そうだ。
先祖代々、斉藤家では「どんなことがあってもパンツを濡らしてはいけない」ことになっているので(ウソ)右岸から巻くようみんなに指示をした。。  ちょっと落ち口あたりもかぶってるしね・・・
ヨッパライのダンナに手本を任せて、カワニシ、ノリマキと続く。
ルートは水線通しで滝に取り付くようだが、ここはヘツリの練習と、水中のスタンスを探りながら、滝までのバンド手前まで渡部が行く。
対岸から見ていたが、後続のカワニシもなかなかいいバランスでついて行く。
  3番手のノリマキがやや追いあがってしまい、渡部が中段のバンドを探ったが、どうも一歩がしょっぱいらしい。
後から回り込んで、ノリマキ、カワニシを引き上げて、そのまま右岸を高巻いた。
高巻いた先の川原で一服がてら昼食を取る。
カワニシは見かけによらず食うらしい、なんか燃費度外視の小型スポーツカーみたいだ。
一服後、数個の滝を越すと登山道手前の4m滝が見えてきた。
左右どちらも登れる滝だが、念のためロープを出して左岸を登る。カワニシにはトップロープの感触をつかんでもらう意味もある。
ふたりが登り、渡部が胃液吐きつつ高巻いたあと、3mナメ滝を越すと三条の湯に続く山道が横切る。
時間も押してきたのでここで遡行打ち切りとした。
カワニシには浅草で参考書を渡したきりだし、ノリマキも久しぶりの沢ということで、一服の時間を利用し、登山道上の斜面で懸垂下降の練習をする。
今後、厳しい谷に入るには絶対マスターしなければならない技術だし、きっちり覚えてもらわなければならない。
しばらく練習した後、三条の湯経由で下山した。

しかし、最近付きあいのあるカヌ沈隊といいカワニシといい、ネットの世界はいろんな出会いがあるもんだ。
でも、ホントに勘違いしたひとが入会したいなんて来たらどうしよう?
ちなみに硬派で名高いカヌ沈隊では「誰と行くって言うなよ」と言い含めて連れて行き、弱っちいやつは「落ちたら死ね!」の世界だそうだが(笑)。
そこらへんの対応というのも今後考えていかなきゃいけないんだろうなぁ〜山岳会なんだから。

で、今回入会したカワニシの印象だが、短い遡行ながら、女性にしては度胸のある登りっぷりとスピードもあるし、なにより積極的で、とても初心者とは思えないものがあった。
後で聞いた話しだが、沢からの急な登山道も涼しい顔でこなすカワニシに渡部代表は弱っちくも嫉妬を感じたそうだ(笑)

初参加!の感想 かわにし
昨日はお疲れ様でした。長い一日でした...。
やはり沢を目の当たりにすると、血が騒ぐらしいです。たぶん前世は...?
沢登は、滝を登るのがやっぱりなんというか醍醐味ですね!
どんな理由でも、あの時に一人で高巻いては欲しくありませんでした。(うそ)
隊長の体調が悪いっていいシャレですよね。うん。
沢を登ると、普通の登山道がめちゃくちゃにきつーく感じられました。靴のせいもあると思うけど。
やっぱり人生山あり谷ありだな。
足と背中も筋肉痛だし、あんなに車で寝たのに(ほんとすいません。反省してます)さっきまですごく眠かった。
ちょっと体を動かすようにします。
また、行きましょう!


・・・・・・・沢を目の当たりにすると血が騒ぐ。。確かに恐るべしカワニシ。


10:10 発/13:40 最初の山道・遡行終了・練習/14:40 同発/15:40 三条ノ湯/16:20 同発/16:45 車/