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初めて電車で沢に行った。
土樽の無人駅に降り立ち、空を仰ぐと、どんよりした雨雲が浮かんでいた。
でも天気は回復に向かうはず。
前夜の大雨にホウホウの体で撤退した沢屋二人とすれ違った。
悲惨な夜を過ごしたと泣いていた。

時折晴れ間ものぞく天気。ナメの美しい渓谷に絶句した。奥多摩とスケールが違う。
突如現れる関越自動車道の巨大排気塔。
興醒めを通り越し、あまりの場違いさに関心してしまった。
曇り空で寒いので、オキドウキョ突破は明日にした。
初めて沢で一泊。オキドウキョ手前。
焚き火を起こし、ツェルトを張る。
思いのほかうまく飯が炊けた。
ゴロンと横になり、空を眺め酒を呑む。
にわかに雲がかき消え、満天の星空が広がる。
まさに「星降る」ような空。
じき、ホントに降りはじめた。
おりしもペルセウス流星群の夜。
目の前を次々に流れる星。
手を伸ばすとつかめそうだ。
初めて、あんな沢山の流れ星を見た。
あんまり沢山で願い事を忘れた・・
夏なのに異常低温注意報の夜。ホントに冷える夜だった。
翌朝。
ワタベが腹を冷やして下痢をした。
オキドウキョで水につかりたくないと駄々をこねる。
でも、ホントに冷たそう。
渡りに船。
悔しがる素振りをし、撤退することにした。俺もホッとした。
谷川の温泉につかり、水上駅前の中華屋で呑み倒す。
いったいどれだけ呑んだろう。
帰路の電車で酔いつぶれ、まぶたの裏に また星が流れた。
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