万太郎谷 (谷川岳 魚野川)

 '93/8/12曇り・13晴れ   渡部・斉藤


初めて電車で沢に行った。

土樽の無人駅に降り立ち、空を仰ぐと、どんよりした雨雲が浮かんでいた。
でも天気は回復に向かうはず。

前夜の大雨にホウホウの体で撤退した沢屋二人とすれ違った。
悲惨な夜を過ごしたと泣いていた。

時折晴れ間ものぞく天気。ナメの美しい渓谷に絶句した。奥多摩とスケールが違う。

突如現れる関越自動車道の巨大排気塔。
興醒めを通り越し、あまりの場違いさに関心してしまった。

曇り空で寒いので、オキドウキョ突破は明日にした。
初めて沢で一泊。オキドウキョ手前。

焚き火を起こし、ツェルトを張る。
思いのほかうまく飯が炊けた。

ゴロンと横になり、空を眺め酒を呑む。
にわかに雲がかき消え、満天の星空が広がる。
まさに「星降る」ような空。
じき、ホントに降りはじめた。
おりしもペルセウス流星群の夜。
目の前を次々に流れる星。
手を伸ばすとつかめそうだ。

初めて、あんな沢山の流れ星を見た。
あんまり沢山で願い事を忘れた・・

夏なのに異常低温注意報の夜。ホントに冷える夜だった。

翌朝。
ワタベが腹を冷やして下痢をした。
オキドウキョで水につかりたくないと駄々をこねる。
でも、ホントに冷たそう。

渡りに船。
悔しがる素振りをし、撤退することにした。俺もホッとした。

谷川の温泉につかり、水上駅前の中華屋で呑み倒す。
いったいどれだけ呑んだろう。

帰路の電車で酔いつぶれ、まぶたの裏に また星が流れた。


ほとんど記録になっていない。