薄根川 川場谷
(利根川)  '02/8/11〜13  渡部・斉藤・河西   記=河西(記録代行・本当は渡部の番)


夏の合宿先は出発の前日に決まりました(そんなのもありなんだなぁと思ったりした)。沼田の川場谷です。
私はガイドを持っていないので、地図を買うついでに本屋で立ち読みしてみました。
コース図をみると、滝に次ぐ滝です。でも、高くって嫌になっちゃうほどの手ごわいものではないような。奇勝名勝もあるらしいし。これは楽しそう。
しかも下山は途中から中ツ沢に入り沢の下降の予定です。
やってみたかった沢下降。今まで実現しなかった、2泊の沢旅。なんだか、とってもウキウキしてきました。

8月10日 夜発7時

渡部さんちに集合して、近場で腹ごしらえをしていざ沼田へ。
思ったより帰省ラッシュによる混雑はなく順調に道の駅に到着しました。
今回はカヌ沈流にテントを張らずに入山祝いをします。最近、カヌ沈の影響力が大きいです。そのうちヘンな方向へ行かなければいいんですがねぇ...。

8月11日 晴れ

いつもの事ですが、私は一番に目が覚めます。そのうち二人が起きて、共装の振り分けをします。
酒とタバコを調達しに行き、「きゅうりあります?」と聞くと、「家になったのならあるよ」と言っておばちゃんはトマトときゅうりを袋いっぱいに持ってきてくれました。
「今から山に入るから、そんなにあると困るんです」とも言えず、笑顔で「ありがとうございます」と言って受け取ったのです。タダだって。私、そんなにひもじそうでしたか?目が訴えていましたか?沢のかっこしてたからかな。そう信じたい。

下山後の温泉を物色しながら、川場谷へと車を走らせます。
そうそう、今回はイベントがあります。下山する場所が車を止める場所から離れているので、車回収に自転車を使うのです。
旭小屋近くの中ツ沢の出合いに自転車をチェーンでぐるぐるにして置いておきます。問題は誰が車回収に一生懸命走るかです。

そこから川場谷の入渓地点は本流を下り、横道に入ってキャンプ場方面に向かいます。ここ上り坂です。自転車じゃ結構大変そう...。
キャンプ場近くの道端に車を止めて降りると、いっせいにでかいアブが攻撃を仕掛けてきました。車の中はアブでいっぱい。みんなでギャーギャー騒ぎながら身支度を整えます。

さて、いざ沢へ向かおう!
キャンプ場を通ろうとすると、管理のおばちゃんが入山届を出してってと声をかけます。
川場には昨日別パーティーがすでに入っているようですが、今年は少ないとのこと。夕立があるから気をつけるようとのことです。
時間を稼ぐために、キャンプ場を突っ切って登山道を進むことにします。親子連れがキャッチボールしてるような中を、ヘルメットかぶって汚いかっこして歩くのは、誇れるようであり、恥ずかしいものでもあります。

なんにしても暑い。早く沢に入りたい。ちょうど沢沿いに出たところで入渓します。

天気が良いのもありますが、全体に明るく広いいい沢です。水も澄んでいます。岩の色だろうか、透明感のある沢でした。
小さめの滝があり次々に越えていきます。大きな岩などに苦しめられることもなく進みます。きれいなナメもたくさんあり、非常においしい沢です。思わず浮かんじゃったりします。大きくても10m以下の滝でしかも直登が可能なので結構進みました。
地図上で「この辺ですかね」と聞くと、二人して「そんな行ってねぇよ」 ここら辺と指差す場所は、私の読みよりだいぶ下流です。
そんなの嫌だ!と内心思ってました。明日のことを考えたら、もっと進まねばなりません。自分の読みでは、すでにもう今日の歩きは終わりと決めていたところだったので余計に二人の考えに反発しました。

しかし、ガイドに照らし合わせると、どうやら私の読みが当たっていたことが次第に分かりました。二人は「俺たちって足の速いパーティーだなっ」と感心しています。
そうじゃなくて、私の注意力に感心してください。今回、なるべく自分の位置を把握しておこうと心がけたのですよ!(半分ウソ)

核心部を過ぎたあたりに、もうここに決まりっ!という川原が右岸に現れました。先にいってもなさそうなので、雨が降って増水したときが少し不安ですが、もう決めちゃいました。
だって、寝る場所も広くて平らだし、焚き火する場所も広くって、しかも焚き木がすでに集まっているからです。
今日は小さな魚影は見ましたが、カワムシがいなくて釣れませんでした。イワナの一夜干食べたかったなぁ。でも、今回も食担斉藤氏が食料をたくさん用意してくれているので大丈夫です。
準備に取り掛かっていると、斉藤さんの「あっ!」と言う声が聞こえました。振り返ると、なんと大きいビリカンが流されているではありませんか!当の斉藤さんは身動きもせずじっと見守るばかりです。
「なにやっているんですかっ!」と私が追いかけて1mの落差をおりようとすると、「沈んじゃいましたぁ、浮いてきませ〜ん」という声が。
えぇ〜、滝壷にはまってるって訳!?どうすんの?と見つめていると、斉藤さんがこう言いました。
 「私の責任ですから、私が行きます!」
行きますったってどうするんだろうと見ていると、なんとジャイアント馬場が現れたではありませんか!なぜここにっと思うまもなく、黒のトランクス一丁の顔の短いジャイアント馬場は、少し出た腹を隠そうともせず,果敢に滝壷に技を繰り出します。
なんと反則技の武器さえも持ち出しますが、滝壷には通用しません。
もう、だめかと思われたその瞬間、馬場が大技を繰り出したのです。
それは、身を投げ打った大技でした。滝壷に後ろ向きで入っていき、手と足を駆使して底をさらっているのです。まさか、滝壷に入るとは...。時刻はもう夕方、水も冷たいでしょう、気温もそんなに高くはありません。
川場の谷は馬場コールでうめつくされていきました。馬場、馬場、馬場!馬場は勝利の左腕を掲げます。そこにはあのビリカンが握られているではありませんか!勝利、馬場の勝利ぃ!!
その瞬間、馬場は一般人に戻り、寒さに打ち震えながら火にあたるのでした。
お疲れ様でした。とっても笑わしてもらいました。ありがとう、ありがとう馬場よ!!
さて、無事救出されたビリカンで鳥鍋をつくり、焚き火をボーボーに燃やし、宴たけなわです。
今日も寒くないからカヌ沈流で焚き火の周りに寝ます。しかし、しばらくするとポツポツと雨が降ってきました。
めんどくさいと言う渡部さんを残してタープの下に避難します。すぐにやんでしまいましたが、夜中に今度は雷ゴロゴロで本格的に土砂降りとなりました。
狭いっちゅうのに、渡部さんがグイグイとタープに入ってきます。
私は夜に山で雨に降られるのは初めてなのでビクビクしてしまいました。しかも、足元でボトボトと音がします。タープが雨漏りしているのです。「なんか、雨漏りしてますっ!」と怒りますが、誰も相手にしてくれません。よかった、大枚はたいてモンベルのシュラフカバー買っといて。明日目が覚めたら、水溜まりの中だったらやだなぁとか、雷落ちたらコワイなぁとか悪いことをいろいろ考えてしまいました。でも、すぐに寝てしまいました。他の二人が平気そうだったからです。でも、それが一番やばかったりして・・・・。ありえる。


8月12日 曇りのち・・・・

朝起きると、雨はやんでいますがどんよりとした空です。
ま、雨が降っているよりはいいでしょう。準備をしていると、空が若干明るくなったような気がします。今から向かう山の方面は、稜線が見えたり、雲に埋まってぼやけたりしています。とりあえず出発!
この先もいいんですよ。川の水が細かくはじける滑滝があったり、すだれ状の滝もありました。
写真ではなかなかこの良さが伝わらないのが残念です。どうしても、小さく見えてしまう気がします。フレームで区切られてしまうからでしょう。いいんです。写真を撮る為に沢に入っている訳じゃないから。

沢の魅力ってなに?と聞かれた時、私は即答できませんでした。
水根沢に行った時のことを思い出して、人が落ちたり滑ったり苦労してるのを見るのが面白いと思ったりしました。焚き火も楽しいです。足元見ながら歩いていって目を上げた瞬間、慎重に滝を登りつめてあがった瞬間に、想像しなかった滝だとか沢の姿が出現するのはいいですよね。やっぱり滝を登って制覇した気分になれるのも爽快かな?
最近はヘツリもこわくないから楽しいし。クリアするのに、ひとつの方法しかない訳ではないところがいいのかもしれない。
今挙げた中のどれか一つだけしか味わえないのだったら、多分沢はやってない気がします。

だんだん岩が多くなってきて詰めにかかります。ヤブこぎは苦労しました。詰める方向を決めるのが難しいのと、笹ヤブの密度の濃さに。
しんどくって、ついていくのがやっとだったのですが、もうこのヤブからどうしても出たくなり、斉藤さんがこっちの方だろうといったヤブに突進して行きました。
先頭きっていきました。トイレに行きたかった訳でも、お腹空いていた訳でもありません。どうしても、自分の身長以上の植物に囲まれているのが嫌になったのです。
もう、腕が持たないかと思った頃、なんとか広い場所に出ました。斜面にあるザレでした。
もうすでに12時になっています。
 昼のそばを作ったりすると時間を取られてしまいます。それに、雲行きがあやしく遠くで雷鳴さえ聞こえています。行動食で空腹を満たすことにし、先に進むことに決めました。
少し灌木帯を登ると武尊に通じる登山道に出ることができました。まずは武尊を目指します。人の声がかすかに聞こえます。ガスで見え隠れする武尊山頂にハイカーがいます。雷鳴がかなり近くに聞こえるようになってきました。
山頂に着く頃にはハイカーもおらず、四方はガスの中です。晴れていたら、360°大パノラマだったろうに・・・・。かなり残念。
二人は武尊への登りでぐったりしているようです。カミナリがこわいので武尊を早々に退散し、前武尊を目指します。
山頂から見ると目的地ははるかかなたに見えます。ホントにあそこまで行くワケ?行けるワケ?と自問。毎回そんな事言いながら歩いてるから大丈夫だろうとは思うけど、正直歩くの嫌でした。
モヒカン山を左手に見ながら先を急ぎます。
とうとう雨が降り出してきました。しかも確実にカミナリが近づいています。ピカッと光ったあと、「いち、に、」と音が鳴るまで数えますがだんだん短くなっています。
向こうの尾根のほうに稲妻が走りました。腹に響く雷鳴。オイオイ、落ちたよ、近いんじゃないの?
カミナリをやり過ごす為に、停滞します。
この時正直私はテンションが下がってました。天気悪いし、濡れて寒いし、渡部さんは間抜けなドラエもんみたいだし、斉藤さんは「カミナリおちたら電気が走るから近寄るな、シッシッ」とか言うし、良いとこなんてなんもないんだもん。
山で長時間雨に降られるのが初めてだったせいかも知れませんが、気分がすっかりしおれていました。
しかも、頭の中では、桑田佳祐の「東京」が何回もリピートされています。あの暗い曲調とPVの映像が自分の心境にピッタリで、余計頭が垂れてしまいます。でも、進まねば帰れない。← この言葉で「歩くのイヤ〜です」気分を無理矢理払拭します。
頃合いを見計らって出発です。稜線のアップダウンを進みます。
ようやく前武尊の山頂に辿り着きました。ここには、前に来たことがあります。バックカントリースノボで登ってきたのです。
仏像に「無事下山できますように」と本気でお祈りしました。でも、休憩をとっている間に、またしてもカミナリの音が近づいてきています。
渡部さんは平気な顔をして行動食をとってますが、斉藤さんと私はすっかりビビッてしまい、早々に前武尊を後にしました。
この辺りの山は頂上一帯が大岩になっています。たいていはそんな岩を迂回するように道が続いていますが、大相撲の場とか言う名のついた場所で一回道を誤りました。
踏み後が付いていたのです。楽そうな道だったのでそちらに行ってしまったのです。判断が鈍るほど疲れてました。
次のピークは本当に大きな岩です。山の形に岩一個があるといえば伝わるかなぁ。なんかくらーい雰囲気です。
すごいねーと言いながら、岩の左側を回ろうとすると、先頭を歩いていた斉藤さんが「道がないっ!」と言います。
確かに岩に沿うようにあった道がふっつりと切れガケになってます。他にも道らしきものはありません。
ふと目線をあげると、大岩に鎖がぶら下がっているではありませんか。しかも、岩の亀裂のようなところに....。
「鎖があります」と言ってみましたが、それが何を意味するのかよく分かってませんでした。だって、どうみたって道じゃないもの。たとえ登ったって、その先に道があるとは思えないもの。こんな時に、雨足は強くなり、ふたたび雷鳴が近づいてきたりするのです。
途方にくれてました。それまでは、今日中に下山してしまおうと言う方針でした。でも、すでに17時を回ってます。
この先どうしようかと判断も出来ないまま立っていると、渡部さんが鎖を伝って登り始めます。「登れるよ。大丈夫。」と言いますが、その先はどうかと聞くと「ま、なんとか。道あるし。」と言います。
しかし、またしてもカミナリが近づいています。「早く下りろ!」と斉藤さんが怒鳴ります。雨足も強くなってきました。とりあえず大岩の手前にある鞍部にてやり過ごすことにします。
寒いです。風が通り抜ける場所であるのと、下手したらカミナリが落ちてもおかしくない場所だったからです。
タープに三人くるまって寒さと雨をよけます。カミナリが近くに落ちた音がしました。「もう悪いことはしませんっ!」と本気で言っている人がいます。なんか悪いことしたんだなぁと思いました。
正直、一番なさけない時でした。話す気もおきません。しかし、この先どうするか決断しなければなりません。
「カワニシはどうしたい?」と聞かれました。正直、もう進みたくなかった。鎖場を登るのはそんなに怖くはなかったんだけど、その先下山しなきゃいけないのは嫌だった。
暗い中の下山は元気があれば良いけど、精神的に疲れている時はやりたくない。
「ビバークしたいです」決まりです。その場でタープを張ろうかとしましたが、風が吹き抜けて寒いし、水が溜まりそうで場所も狭かったので、相撲の場まで戻りました。
結局そこはとても快適な場所でした。タープを張り、着替えをすると元気が出ました。
もう今日は雨に濡れながら歩かなくっていいという安心感があったからだと思います。でも、今日中に下山するつもりだったので、行動食も水もあまりありません。
ちょっとだけ行動食を食べて寝てしまおうかというところでしたが、豚肉の味噌漬や、サバの水煮缶で空腹を満たしました。
すごくおいしくて、幸せでした。食べ終えると寝ました。
夜中にトイレに行きたくて起きました。沢と違って、山の中は空が木に覆われて暗い。
怖かったのですが、我慢できずに用を足しに行きます。雨はそれほど降っていないようです。木々の間から空を見ると、まだ曇っているように見えます。
タープに帰ってゴソゴソしていると、二人を起こしてしまいました。しばらく話をしたり、ちょっと食べたりしました。よく見ると、星が出ていました。明日は晴れだ!よかった!気分が明るくなってまた眠りにつきました。


8月13日 晴れ

青空でした。雲海が眼下に広がっていますが、間違いなく雨はもう降らないでしょう。
近くの岩場に濡れた服を広げ、乾かします。残り少ない水でココアを飲みます。今日は下りるだけなので、ゆっくりと準備を整えます。
大きなアブと小バエが活動してくる頃、出発します。
今回、この小バエには悩まされました。目に飛び込んでくるし、発狂しそうになるほどまとわりつきます。
斉藤さんが持ってきたハッカ油をつけるとこなくなるけど、効果が長続きしないのが残念なところです。
昨日撤退した鎖場にたどり着きました。渡部さんが最初に行きます。二番手が私。
登るのは大丈夫だったけど、登り切って岩の上に乗っかるのが大変でした。その先はやっぱり鎖で降り、崖の岩壁を鎖伝いに渡るものでした。
カニ歩きのなんたらという看板がぶら下がってて、思わず「こっちは必死なんだよ、疲れてんだよ、おちょくってんのかー」と心のなかでつぶやいてしまいました。
山の頂上を形作っている大岩を半周する形で道は続きます。このままぐるって回って、もとに戻るんじゃないかとも思いました。アスレチックみたいでした。しかもそれがまだまだ続きます。よかった、昨日ビバークしといて....。こんなの暗い中歩けないよね。
もう岩場も終わりかと思うと、また岩山で鎖がぶら下がっていたりします。でも永遠には続きません。ようやく急だけど、普通の登山道になりました。
だいぶ降りると、唐松林が広がります。傾斜も緩くなります。真っ青な空と雲が広がります。
昨日の悪天候がウソのようです。道端にはえているイチゴみたいなのをつまみながら下ります。
今日の出発時には、一回登山道を降りきってから中ツ沢に入って、沢気分を味わいながら昼を食そうではないかと計画してたのですが、あんなに焚き火の好きな斉藤さんさえ、「もういいよ」と言い出しました。
鶏冠谷の時に、真っ暗な中を意地でも幕場を探し、焚き火をしようとした人とは思えない発言だったので驚きましたが、今思えば、あの時の斉藤さんは、なにかに憑り付かれていたのかもしれません。
無事旭小屋付近に出て、一休みをしてから沖縄そばを食べます。
さて、いつもならここで楽しい沢旅も終了となるのですが、今回はそうもいきません。車を回収しなければならないからです。
問題は、誰が疲れた体に鞭打って、自転車こいで車のとこまで行くかです。
こういった時の常套手段、ジャンケン大会が始まりました。「じゃあ、じゃあ、3回勝ち抜けねっ!」と目配せしあうその場の空気は、小学生がシッペ (字で書くとすごくヘン) をする時のようです。
大の大人が川原でぎゃーぎゃー言いながら (言ってたのはほとんど私) 、ジャンケンするさまは、そんじょそこらじゃ見れません。
まずは接戦の末、渡部さんが勝ち抜けます。仕切りなおして、斉藤VS河西の一騎打ち!河西2連勝しますが、その後3連敗してしまい、結局自分が行く羽目に....。絶対勝てると思ったのに。最後に笑うのは自分だと思っていたのに。勝負弱すぎ...。
心やさしい二人は、自転車のあるところまで一緒に行ってくれるそうです。
でも、人をイライラさせることにおいては、右に出るもののいない二人です。
「♪♪ サぁイっクリングっ、サぁイっクリングっ、ヤッホゥヤッホウ ♪」
「いいなぁ、サイクリング日和だよなぁ、俺も行きたいよー」 と楽しそう。悔しくって仕方ありません。
ブーたれた顔をして自転車で車に向かいます。最初は下り坂なので楽勝でした。山から下りて蒸し暑かったので風が心地よいくらいでした。
しかし横道に入ると上り坂が待ち構えていました。折りたたみ式の小さい自転車ですが、3段ギアがついています。
でも、ほとんど意味をなしません。途中自転車を押したりして車に向かいます。きっとあの二人じゃ、体力残ってなくて途中で泣いてただろうなと自分に都合よく考えると、少し気分が晴れました。
ようやく車に到着。
自転車を降り車の前に立つと、今まで姿のなかったアブが、どこからともなく大量に現れました。
後ろのドアを開けて逃げて、しばらく呆然と眺めていましたが、アブは一向に減らないし、車の中からも出て行きません。
どうにもならんことに気づき、ジャンケンで負けた身を呪いつつ、自転車をガガッっと一気に積み込むと運転席に乗り込みました。
アブは思ったより入り込んでいなかったので、退治もせず出発します。
とりあえず彼ら二人に復讐しなければなりません。二人の待つ目の前で一時停止し、ニッコリ手を振るとそのまま素通りして先に行ってみます。
しかし、Uターンするのがめんどくさくて、こんなことしなきゃ良かったと後悔しました。
また戻ると彼らは道路に出ていました。もう1回くらい素通りしてやろうと思っていましたが、出来そうにありませんでした。
服を着替え、どうにか一般人ぽくなったすみ放3人は、温泉を目指すことにしました。


8/11  8:00駐車場発/9:00入渓/9:40小屋見える/10:20 獅子の牢/13:50 剣が峰沢出合/14:30 8m滝ハーケン1枚/15:30 幕場
8/12  8:00幕場発/10:00 奥の二俣/13:00 稜線/14:00 武尊山/16:30 前武尊山発/18:30 ビバーク (昼からずうっと雷雨)
8/13  6:30起床/8:40 幕場発/昼頃 旭小屋