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矢沢 軍刀利沢(奥多摩 南秋川) '01/4/15
渡部・斉藤 記=斉藤
晴れ
「40超えると骨がもろくなるからねぇ・・・・・・・
おっ!大丈夫 大丈夫。いってないよ。」
久しぶりにレントゲンで自分の骨を見た。前に見たのは十数年前バイクでトラックに突っ込んだときだったか?
かかりつけの医者に言わせると、私の骨は丈夫らしい。
八王子ICを出たところで、21世紀初の山行は南秋川・軍刀利(ぐんだり)沢に決まった。
もうひとつの候補は日原・唐松谷。
ガイドでは前者が初級、後者が中級とあるが・・・
日頃の運動不足と自堕落な生活を考えれば妥当な選択であり、コレが四十を過ぎた大人の分別と言うものだろう。(なんちゃって)
矢沢沿いの林道を車で進むと右側に工事小屋がある。
先には駐車スペースは無さそうなので車を止め、久しぶりの沢着に着替える。
渡部の沢着は、カミサンにゴミとして捨てられいつもと違うイデタチだ。
まぁ、自分自身が捨てられないだけ幸せと思わなければならない。
最近工事したのか綺麗な舗装路を10分ほど歩くと右手に軍刀利沢が入り込む。
立木に赤テープが巻いてあるのでわかりやすい。出合に東京農大の水温測定箱が置かれていた。
久しぶりに沢に足を浸す。北面の沢なのでまだ日は差していないが気温は高く、寒さは感じない。
出合からの小さなゴルジュを抜け、しばらく行くと3mナメと二条4mの滝が現れる。二つあわせて見るとなかなか綺麗な滝だ。二段目は左から簡単に登れる。
穏やかな川原を進み5mを左から登ると、明るく開けた中洲がある。
このところの暖かさで木々が勢いよく芽吹いている。気持ちがいいのでタバコとウィスキーで一服。
ノンビリムードで出発すると、ゴルジュの中に滝が続く。これはなかなか楽しい。
最初の8mナメは大また開きで登る。沢始めのストレッチに丁度いい。
続く2段10mは右側のルンゼを登り、落ち口の高さでトラバース。固定ロープがあるが結構いやらしい。
次の5mを左の細かいスタンスを拾いながら登ると、上部に流木が挟まっている5mチョックウッド滝がつづく。
トイのように狭まった両壁に体をねじ込みモゾモゾと攀じ登る。落ちても釜だから積極的に行く。(落ちたくはないが)
ガイドに初級と書いてあったが、軍刀利沢は結構いそがしい。
しばらく行くと釜をもつ6m滝が出てくる。細い倒木を利用して釜を通過し左を登る。
根元が完全に折れてないので、外れたらドボンだがコレもバリエーションルートの楽しみだ。
ターザンごっこを楽しみ、一本つける。時計は9時をまわったばかりでペースもいいからまたグビリ。
3mの淵は小さいながらも深そうで、落ちると晩春の寒中水泳ができる。巻きは左にある。
ヘツリの練習と右壁を行くが、中盤行き詰まり、渡部が「にゃははぁ〜〜弱っちいのぉ〜♪」(提供:カヌ沈隊)とあざ笑う。
ならばオマエ行けと渡部が取り付き、けっこう苦戦しながらもなんとかクリア。
こうなると私も行かなきゃならんわけで、苦笑が笑いになり、震える腹筋と腕でどうにかこうにかクリアした。
中ほどにある両手のかかるガバにぶらさがりるのがコツみたいだ。
最後の10mを越えると滝場は終わり、開けた二俣に出る。あとはナメと川原がつづく。
お日様はすっかり昇り、初夏のような日差し、頂上まではあといくらもない。
時間もあるし、ここはドッカと腰を下ろして、渡部と酒を酌み交わす。
里でも呑んだくれながらの与太話は楽しいが、山ではまた格別だ。
男四十にもなれば、イロイロとあるわけで、今後の人生とフリクション、身の振り方とルートファインディング、目先の欲望と安全確保、etc。内容については割愛するが、そんなこんなで、すかっり大休止になってしまった。
お日様ポカポカの宴会途中、作務衣にわらじの3人パーティーが通り過ぎていった。
我々もそろそろと少々ふらつく足で歩き出したのだが、いきなりなんでもない落ち込みでスリップしあばら骨を強打した。
しばし息が止まりお日様が黄色ってしまう。
“ああぁバチがあたったんだぁ。。あのバチ、このバチ、、”走馬灯のように脳裏をかすめるのは情けない事ばかり。なんだか渡部のバチまで背負い込んだくらいの激痛に、しばらく悶絶してしまった。
何とか立ち上がってはみたが、左のアバラがひどく痛む。アバラ骨折経験者の渡部の見立てだと「簡単にヒビいきます」だそうだ。
すっかり「ダメな人」(提供:カヌ沈隊)になってしまった私は、渡部に引率され、最後のチョックストン滝をどーにか登り源頭をつめあげる。
幸いヤブもなく、日当たりのいい窪に春の使者、カタクリのかわいらしい花がポツリポツリと咲いている。
じっくり愛でたいところだが、こっちはそれどころではなく、最後の斜面をヒーコラいいながら攀じ登ると、ハイカーでごった返す三国峠の分岐路に出た。
座りきれないほど人がいる生藤山山頂で昼飯をとり、1時間ほど休憩した。
この時間には珍しく、富士山がクッキリと姿を見せていた。
風もなく、最高の天気なのだが、惜しむらくは脇腹の痛さ。
なんだか体全体が痛くなってきて、情けないが渡部の手を借り立ち上がった。
帰りは生藤山の下にある標識から矢沢林道への道(注:地図になし・標識にも書かれていない)を、響く痛さに耐えながら下山した。
・・・・・とまあ淡々とした記録でオチもなにもないんですけど、
完全に「だめな人」ならぬ「不自由な人」になった私を見て、「軍刀利沢ぐんだりまで来て、何してんだか・・・」とアキレ顔の渡部がオチを付けてくれました。
7:30
小屋付近 駐車 発/7:40 入渓/9:30
10m滝/10:00 二俣先 大休止/10:40
発/11:30 終了 生藤山 昼食/
12:30 発/13:45 矢沢林道/14:20 車着
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